シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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法学特講1 法医学1 | 2024 | 秋学期 | 金1 | 法学部 | 伊藤 誠敏、小野 元、古田 裕清、柳川 重規、呂 彩子 | イトウ マサトシ、オノ ハジメ、フルタ ヒロキヨ、ヤナガワ シゲキ、ロ アヤコ | 3・4年次配当 | 2 |
科目ナンバー
JU-LA3-006S
履修条件・関連科目等
将来法曹界での就職を志望する者や医療・介護・福祉等の各種行政職を志望する者はもとより、広く医学に関わる法律上の案件に興味を抱く学生を対象とする。なお、本科目には守秘性を強く求められる法医実務の内容が含まれるため、授業で用いられる全資料を漏示しないことを履修条件とする。具体的には、受講に際し事前に誓約書への同意・署名を必須とする。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
法医学といえば「司法解剖」や「DNA鑑定」といった印象が強いが、「医学的解明、助言を必要とする法律上の案件、事項について、科学的で公正な医学的判断を下すことにより、個人の基本的人権の擁護、社会の安全、福祉の維持に寄与することを目的とする医学(日本法医学会)」と定義されるように、その対象は多岐に渡る。本講座「法医学」では、ヒトの死に関する基本的医学知識および様々な死に関連する社会病理を紹介する『死の医学』、医療および死因究明に関する法律と制度を紹介する『医療と法』、DNA鑑定に代表される『物体検査』について講義を行う。本講座が学生諸君の社会病理への知見を深め、それらへの対応能力を養う一助となることを期待する。
科目目的
《一般目標(GIO)》
医学・医療関連の法的諸問題を適切に処理するために必要な基礎的知識と態度を習得する。
《行動目標(SBOs)》
1. 法医学の対象および実務内容を理解し、その概要を説明できる。
2. 死の定義、および早期・晩期死体現象を説明できる。
3. 様々な原因による死(損傷死・窒息死・中毒死・異常環境死等)の特徴を説明できる。
4. 周産期・小児の死(堕胎・嬰児殺・乳幼児突然死症候群等)について説明できる。
5. 虐待(児童虐待・高齢者虐待・家庭内虐待)の現状と対策について説明できる。
6. 法医学に関連する社会病理(薬物濫用・自殺・被害者対策等)について説明できる。
7. 医事法および診療関連死に対する法律・制度について説明できる。
8. 我が国の死因究明制度の概要と関連する法律・制度について説明できる。
9. 個人識別に用いられるDNA多型解析の概要を説明できる。
到達目標
講義を聴講し、法医学に関する基礎知識を取得するとともに、講義中に紹介される社会的重大事件や実際の法医解剖例を通じて法医鑑定実務の実際を理解する。また、日本における犯罪死を取り巻く死因究明制度の現状と問題点を認識する。これを通して、他の授業科目で中心となる法解釈の学習を補い、法律(特に刑事法)が社会で果たす役割をより包括的に把握する。
授業計画と内容
『死の医学』
1. 法医学概論、ヒトの死(死の判定・死体現象)
2. 損傷Ⅰ(鈍器損傷・鋭器損傷)
3. 損傷Ⅱ(頭部損傷・交通事故損傷)
4. 窒息 (頸部圧迫・溺死・その他の窒息)
5. 中毒(中毒死・濫用薬物と法規制)
6. 異常環境による障害(凍死・熱中症・焼死・感電死等)
7. 周産期・小児の法医学(堕胎・嬰児殺・乳幼児突然死症候群)
8. 虐待(児童虐待・高齢者虐待・家庭内虐待)
9. 社会医学としての法医学(自殺対策・被害者対策・過労死)
『医療と法』
10. 臓器移植と法
11. 医療と法(医事法・医療関連死)
12. 死因究明制度 Ⅰ(死因究明に関係する法律・制度)
13. 死因究明制度 Ⅱ(異状死届出・検視・検案・法医解剖)
『物体検査』
14. DNA多型解析による個人識別法
2~14回の順序は担当者の都合により学期開催時になって変更がありうる。
授業時間外の学修の内容
その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
教場で説明される授業内容をよく復習すること。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 70 | 期末にレポートを課す。授業内容を的確に理解しているか、またそれを踏まえて独自の考えを理詰めで述べられているか、という観点で評価する。 |
平常点 | 30 | 法医学は専門家がご提示くださる資料を目視して学ぶ科目であるゆえ、各回、冒頭と終了時に出席を取り参加度を加味する(冒頭に不在の場合は遅刻扱いとする)。教場に出席しても他ごとをやっていたり寝ているなど授業に真面目に取り組まない受講者には平常点を授与しない。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
その他
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
提出されたレポートの講評を事後にmanabaに掲載する。
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
聖マリアンナ医科大学法医学教室(法医解剖業務)
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
法医解剖経験から犯罪死や病死の死因究明の実際を具体例に即して説明する
テキスト・参考文献等
授業時に適宜指示する。