シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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法学特講1 消費者法 | 2024 | 秋学期 | 木2 | 法学部 | 宮下 修一 | ミヤシタ シュウイチ | 3・4年次配当 | 2 |
科目ナンバー
JU-LA3-006S
履修条件・関連科目等
消費者法は、民事法・刑事法・行政法等に広くかかわる分野であるが、本授業は、特に民事法分野にかかわるテーマを中心として取り扱うので、民事法に関する分野に属する基本的な科目(特に民法科目)については、履修済みであるか、並行して履修することが望ましい。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
市民にとって身近な法律である消費者法は、多発する消費者被害の多様化・複雑化に伴ってその姿を年々大きく変えてきている。また、立法の理念も、消費者の「保護」から「自立」へ向けた「支援」へとその軸足を大きく移してきている。
本講義では、このような状況をふまえたうえで、現在さらに将来における消費者法のあるべき姿を考えるとともに、具体的な消費者トラブルの事例を素材として実際の紛争解決のあり方についても考えてみることにしたい。
科目目的
本授業では、現在発生している消費者問題、さらに将来における消費者法のあるべき方向性を、単なる「トピック」としてではなく「体系」的な視点から多角的に検討する力を身につけることを目的とする。
到達目標
本授業における到達目標は、次の3点とする。
① 消費者法が生成されてきた歴史とその社会的背景をふまえて、具体的な消費者立法の内容とその変遷、さらに各立法の相互関係について説明することができる。
② 具体的な消費者問題について、その解決を図るための基本的な知識を修得するとともに、理論と実践の双方の観点から、学説や裁判実務の動向をふまえて、適切な紛争解決の方法を選択することができる。
③ ①・②を前提として、消費者法の有する現在の課題を把握したうえで、現在および将来における消費者法のあり方を多角的に考察し、その内容を説明することができる。
授業計画と内容
1.授業ガイダンス、総論① イントロダクション:「消費者法」とは何か?
2.総論② 消費者問題の現状と歴史的背景
3.総論③ 消費者行政・消費者教育のあり方、消費者法の体系
4.総論④ 消費者・消費者契約とは何か
5.各論① 契約締結過程・内容の適正化
6.各論② 消費者契約法(1):不当勧誘規制
7.各論③ 消費者契約法(2):不当条項規制
8.各論④ 特定商取引法(1):適用対象となる取引の概観
9.各論⑤ 特定商取引法(2):民事ルールの全体像(クーリング・オフ、中途解約権など)
10.各論⑥ 消費者信用:消費者金融・多重債務対策、クレジット取引と割賦販売法
11.各論⑦ 若年者・高齢者と消費者保護
12.各論⑧ 商品の表示・欠陥と消費者の安全
13.各論⑨ 集団的な消費者被害の救済
14.総括・まとめ:消費者法の未来と展望
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業の前に、テキストや参考書で、授業で取り扱うテーマに関連する内容を確認しておくこと。また、本授業で取り扱う内容は、法改正にかかわる最新の内容も含むので、授業後にしっかり復習をすること。予習・復習をあわせて4時間程度の時間を確保することが望ましい。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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期末試験(到達度確認) | 70 | 評価は、授業全体の到達目標の到達度をふまえて行う。なお、受講人数が少ない場合には、期末試験を期末レポートに変更することがある(履修状況を確認したうえで、変更する場合には授業内で連絡する)。 |
レポート | 20 | 授業時間を用いて、2回の小レポートを作成する。評価は、小レポートを作成する授業回の到達目標の到達度をふまえて行う。 |
平常点 | 10 | 毎回の授業において、manabaのレポート機能を用いて、授業に対する意見・感想・質問等を記載したコメントペーパーの提出を求める。評価は、その提出状況と各授業回の到達目標の到達度をふまえて行う。ただし、受講者数が少ない場合には、コメントペーパーの提出を求めず、評価は、授業内の質疑応答の状況等、授業への参加姿勢と各授業回の到達目標の到達度をふまえて行う(履修状況を確認したうえで、変更する場合には授業内で連絡する)。 |
成績評価の方法・基準(備考)
出席が全授業回数(14回)の3分の2に満たない者(=5回以上欠席した者)は、F判定(評価不能)とする。期末試験の受験(または期末レポートの提出)も認めないので、十分注意すること。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
小レポートは、作成した回の次の回の授業で講評・解説を行う。期末試験(または期末レポート)は、受講生の要望をふまえて、manaba等でコメントを行う。
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
毎回の授業後に、manabaのレポート機能を用いて、授業に対する意見・感想・質問等を記載したコメントの提出を求める。
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
【テキスト】宮下修一ほか著『ストゥディア消費者法』(有斐閣、2022年)
【参考書】中田邦博=鹿野菜穂子編『基本講義 消費者法(第5版)』(日本評論社、2022年)
【参考書】廣瀬久和=河上正二編『消費者法判例百選(第2版)』(別冊ジュリストNo.249)(有斐閣)
授業は、担当教員が作成・配布するレジュメに沿って進行するが、上記の【テキスト】を適宜参照する(【参考書】にかかわる内容は授業内で説明するが、可能であれば、授業前後に確認しておくことが望ましい)。
なお、小型のものでよいので、消費者契約法・特定商取引法・割賦販売法が掲載されている「六法」を持参すること(詳細については、初回の授業内のガイダンスで説明する)。
その他特記事項
【授業の工夫・受講生への要望】
本授業では、毎回、具体的な事案を示して、教員と受講するみなさんとの間で、できるだけ議論を行いながら進行するつもりである。ぜひ積極的に議論に参加するようにしてほしい。
【担当教員への連絡方法】
担当教員への連絡方法については、初回の授業で指示する。