シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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導入演習 A | 2024 | 春学期 | 水1 | 法学部 | 鈴木 博人 | スズキ ヒロヒト | 1年次のみ | 2 |
科目ナンバー
JU-AD1-001S
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
「女と男と子ども、ちょっと法学入門」がこの演習のテーマです。
高校までの勉強は学習と言われますが、大学では学問をします。とはいっても、とりわけ中央大学法学部のように司法試験を売り物にしているところでは、大学に入るのにも受験勉強、大学に入ってからも早く司法試験に合格するための受験勉強ということで、受験勉強が学問であると誤解されているかもしれません。受験勉強にはあらかじめ解答があります(したがって、提示される問題も解答を前提にしたものになります。遺産分割問題のときに、割り算して割り切れない遺産額の問題は出されません)。これはあくまで受験勉強であって社会科学としの法律学ではありません(法律学の成果の一部とはいえるかもしれませんが)。大学の研究者教員は、研究した内容を教授するのがその社会的役割です(研究していない大学教員もいると聞きますが、それは皆さんがこれから自分で見極める能力を涵養してください)。ここが高校までの先生とちょっと違うところです。で、そうした最先端の研究に触れていくには、学生(高校までは生徒と言いますが、大学生が自分を生徒とは言わないでください。学生です!)の側にも柔軟な思考力が必要です。この演習では、まずは固い頭をほぐしてください。多数派は、自分の頭が固いと思っていないので、ちょっと大変ですが。
社会学、歴史学、脳科学や社会福祉学等法律学の隣接諸科学の成果も踏まえて取り組むのに格好な題材をこの演習のテーマにしました。導入演習は法律学の専門科目ではないと位置づけられていますので、社会科学としての一領域としての位置づけたときの法学へのささやかな接近を試みることにも挑戦します。
科目目的
自分自身で抱えている問題でもいいし、社会的問題でもいいのですが、問題を論理化できる能力を養うことの端緒となることを目指しています。いわば問題の発見です。そしてなぜそれが問題なのかという説明から始まって(問題提起)、その問題に今までどのような取り組みが行われてきたのか(あるいは行われてこなかったのか)を調べ(先行研究や先行事例の調査)、判断枠組みを構築して、問題の解決を提示するということを行うための、先行研究の調査方法を身に付けることが第一の目的です。第二の目的は、資料をきちんと読む訓練をすることです。前期ではこのあたりまでできることが目標となります。
到達目標
大学では専門的な知見を得るということも目標の一つですが、在学中、卒業後を問わず、いろいろ降りかかってくる問題にめげないで対処する能力をつけることが目標になります。占いやまじないに頼って物事を決めたり、棒を投げてそれが指し示した方向に進むということにならないようにする最初の一歩を踏み出すことができるようにするのが目標です。
授業計画と内容
第1回:本演習の進め方・ガイダンス
第2回:文献資料の探し方や利用の仕方(図書館ガイダンスまでに必要なスキルの説明)
第3回:夫婦別姓:イギリスグループ報告と質疑応答
第4回:夫婦別姓:フランスグループ報告と質疑応答
第5回:夫婦別姓:ドイツグループ報告と質疑応答
第6回:夫婦別姓:ベルギーグループ報告と質疑応答
第7回:図書館ガイダンス
第8回:夫婦別姓:アメリカグループ報告と質疑応答
第9回:夫婦別姓:韓国グループ報告と質疑応答
第10回:夫婦別姓:中国グループ報告と質疑応答
第11回:夫婦別姓:日本での立法をめぐる歴史報告と質疑応答
第12回:夫婦別姓:比較法的検討
第13回:キャリアセンターガイダンス
第14回:今期の成果確認
図書館ガイダンスおよびキャリアセンターガイダンスは何回目に実施できるかは学期開始後でないとわかりませんので、実際の実施日に合わせて、授業の順番が入れ替わります。
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
グループに分けての報告がありますので、報告内容を検討し、レジュメを作成すること。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 70 | ここでいうレポートというのは2種類のものを意味します。一つは、通常の授業で3名くらいのグループで行う報告です。もう一つは学期末に各個人が提出する課題レポートです。 |
平常点 | 30 | この授業は、一方的に教員が講義をするタイプのものではありません。基本的なスキルを身に付けた後は、教員は口出し内で済むというのが目標になります。そこで、そのような授業を構築するにあたっての寄与度をみます。 |
成績評価の方法・基準(備考)
例年、法学部に入ってから、法律学は難しすぎるとか、法律学は自分に合っていなかった等々ということで、法律学への学習意欲を失う学生や法律学というよりも学習意欲そのものを失う(始めからなかったという者もいます)学生が、一定割合でいます。割合というほどですから、一人とか二人というわけではないということです。その種のことで困ったという学生の相談には乗りますが、それと成績評価とは別です。平常点というのは、学習意欲を失って寝ているとか、上辺だけとりつくろっているというのも評価対象になるということです。大学ですから寝ていても注意しませんが、評価はされているということです。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
PBL(課題解決型学習)/反転授業(教室の中で行う授業学習と課題などの授業外学習を入れ替えた学習形式)/ディスカッション、ディベート/グループワーク/プレゼンテーション
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
タブレット端末
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
栗田路子・冨久岡ナヲ・プラド夏樹・田口里穂・片瀬ケイ・斎藤淳子・伊藤順子
『夫婦別姓ー家族と多様性の各国比較』ちくま新書、筑摩書房、2021年
この新書に基づいて報告をしていただきますので、新本でも古本でもかまいませんので入手してください。