シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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導入演習 B | 2024 | 春学期 | 月1 | 法学部 | 森 光 | モリ ヒカル | 1年次のみ | 2 |
科目ナンバー
JU-AD1-001S
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
法学部卒業生に社会が期待している能力は何であろうか。いろいろな答え方があろうが、さしあたりここでは、高度な問題解決能力と答えておこう。事件や紛争や社会問題の解決は、まずは既存の法律を適用することで図られる。この方法でうまく解決できればそれでよいだろう。しかし、どの法律を使うべきかはっきりしない場合もあるし、既存の法律ではうまく解決できず、政治的討議を経て新たな立法や政策が必要とされることもある。こうした簡単に解決できない問題にぶつかった際に、一種のジェネラリストとして解決の指針を提言することこそ、法学部卒業生に期待されているといえる。
もちろん解決の在り方には様々な立場があり得る。適切な解決のためには、それぞれの主張の根拠、その射程を明確に整理した上で、その一つひとつにどの程度の説得力があるかを冷静に評価しなければならない。こうした整理をすることも重要であるが、それだけでは十分ではない。可能な選択のうちのどの選択をとるべきかについて、自分の良心に照らして一つの立場を選択すること、すなわち価値判断を行うことも重要である。そして自分の価値判断にしたがって、立論し、他者を説得していくこと、こうした行動をとることこそが紛争解決のプロフェッショナルとして求められることである。
この授業では、こうしこ紛争解決のための技能の修得にむけた第一歩として、1000字から3000字の小論文を5回から6回程度書いた上で、議論を行う。
科目目的
法学部での勉強の仕方の基本を学ぶとともに、法学部生がみにつけるべき基礎能力の育成のための第一歩として論理的な文章を書くことができるようになることを目指す。
到達目標
この授業では、紛争解決のために、次のような作業のサイクルをまわしてく能力を養うことを目的とする。① 紛争や社会問題そのものを直視し、分析のための問いをたてる。② 問いに答えるための情報を文献等から集める。③ 集めた情報を整理する。④ 価値判断を行い、自分の立場をきめる。⑤ 立論する。⑥ 他人と議論し、説得を行う。⑦ そして、その状況を踏まえ、もう一度①に戻り、次なる問いをたてる。
こうしたサイクルをまわすことで、紛争について深く考察することが可能となるはずである。
授業計画と内容
第1回 第1章「通学途中の交通事故」についての小論文の提出、合評会
第2回 第1章「通学途中の交通事故」についてのディベート
第3回 第2章「原発推進の是非」についての小論文の提出、合評会
第4回 第2章「原発推進の是非」についてのディベート
第5回 第3章「尊厳死法案への賛否」についての小論文の提出、合評会
第6回 第3章「尊厳死法案への賛否」についてのディベート
第7回 第6章「大川小学校事件」についての小論文の提出、合評会
第8回 第6章「大川小学校事件」についてのディベート
第9回 第16章「巨大企業と経済社会と法規制」についての小論文の提出、合評会
第10回 第16章「巨大企業と経済社会と法規制」についてのディベート
第11回 第17章1「死刑の決め方」についての小論文の提出、合評会
第12回 第17章1「死刑の決め方」についてのディベート
第13回 第17章2「父とは何ものか」についての小論文の提出、合評会
第14回 第17章2「父とは何ものか」についてのディベート
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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平常点 | 100 | 課題の取り組み状況による。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
PBL(課題解決型学習)/ディスカッション、ディベート/グループワーク/プレゼンテーション
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
タブレット端末
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
古田裕清・森光編著「法学部生のための小論文教室」中央経済社2023