シラバス
| 授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 専門演習A1/専門演習B1 | 2026 | 春学期 | 火4 | 法学部 | 楢﨑 みどり | ナラザキ ミドリ | 3・4年次配当 | 2 |
科目ナンバー
JU-OL3-015S,JU-OL4-017S
履修条件・関連科目等
国際的な民事紛争、とくに私人と私人、企業と政府の紛争に関心を持っている方。
履修者が少ない場合には少人数で構わないという方(2名~4名のときもあります)。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
企業のサプライチェーンが海外で展開され、新規プロジェクトのための資金を外貨で調達し、IT 技術の改革が進むなか、国境を越えて情報やサービスがやりとりされる時代に、どのように日本は、他の外国とのかかわりのある事件について、対処すべきでしょうか。渉外的な紛争の当事者がいずれかの国の国内裁判所に訴えられる場合、その紛争事件が、関係のある外国とどの程度密接な関わりをもつかによって、日本の裁判所がその事件を審理できるかが問題になります。また、申し立てられた請求について、日本の法または関連のある外国の法のうち、どの国の法を適用すればよいか問題になります(もっとも日本の裁判所はときとしてこれらの問題をスルーしてただちに自国の法を適用してしまいます)。外国の法は、日本の裁判所で当然に適用されるわけではなく、適用されるにはそのための根拠が必要になります。また、どこまでその適用範囲が認められるのか問題になります。このような問題を扱う法分野は、国際私法、国際民事訴訟法と呼ばれています。
本演習科目では、これらの法について基本的な知識をひととおり身につけた後に、現代社会の情勢を反映した事例を調査して、その分析をすることが中心になります。
経済的な社会事情が関わるものだけでも、投資、消費者保護、有価証券など、さまざまな問題があります。自分の関心のある領域の問題をさらに深く掘り下げて、問題の構造や解決策について互いに意見を発表し合うことで、より理解が深まることでしょう。
演習の方法については、報告の担当者を決めて、報告を聞いた後、その事例を模した原告・被告側に分かれてのディスカッションが中心になります。報告者には、ディスカッション前のレジュメの作成を御願いしています。
演習の成果としてのレポートの執筆も、次年度は、半期に1 回ほど取り組んでいただくことを、予定しています(ただし人数が4名以下の場合は、ディスカッションを中心とし、レポート執筆は課題から除外します)。
科目目的
国際化の近時の潮流としては、たとえば、中国の飛躍的躍進や最貧国の経済底上げの結果、新たに中近東やアフリカ、南米などに市場が拡大し、日本企業は欧米の企業のみならず中国・韓国等アジア企業とも新規市場において競争していること(企業間競争の地理的拡大)、IT技術の進歩により産業の水平的分業への移行を通じて諸国間の経済関係の緊密化が進展し、一国の経済情勢が地域全体に急速に波及するようになっていること(地域経済の急速緊密化)、他方で、国内においては国家安全保障などを理由に異民族や外国籍住民の排除や孤立化が進められる一方で、抑圧に対する反動が起きていること(異文化共生の国内問題化)などが挙げられます。
法学の専門的教養を身につけ、それにより、国際社会で私たちが直面する文化的衝突や商慣習の違いを乗り越えるための、基準の策定や運用についての平衡感覚や論理的視点を養うことが本演習科目の目標です。また、紛争解決や紛争防止の手法を学ぶことにより、中立的な視野を養うこと、さらに、国家間関係を基軸とする国際社会の運営理念を理解し、国際的な非常事態に対処するための指針を持つことができるようになることも、本演習科目の目標です。
到達目標
国際私法、国際民事訴訟法の基礎を習得し、現実に起こっている渉外的紛争事例(外
国との関わりのある事案)を見て、将来的に類似した事件が起こったときに、その紛
争に至る背景的な社会情勢を理解し、国際裁判管轄権や準拠法決定などについて自ら
判断することができるようになること
授業計画と内容
授業計画と内容:
内容は年によって変わりますが参考のために前々年度の内容を挙げておきます。
1 導入(オリエンテーション)
2 最近の渉外事案1(代理母)
3 最近の渉外事案2(ハーグ子奪取条約)
4 最近の渉外事案3(在日外国人の生活扶助)
5 国際裁判管轄 福島原発事故とアメリカ元兵士の被爆(Tomodachi)訴訟
6 国際裁判管轄 民事訴訟 裁判管轄ルール
7 国際裁判管轄 人事訴訟・家事事件裁判管轄ルール
8 SDGs(持続可能な開発目標)と各国での訴訟
9 国家主権免除 安全保障目的での物品売買
10 企業による人権侵害と各国での訴訟
11 アルゼンチン国債の支払不能(デフォルト)による投資家の損害賠償請求訴訟
12 発行体の破綻の場合の金融仲介機関(証券会社)の責任
13 準拠法の選定 法律関係の性質決定
14 準拠法の選定 連結点
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
自分の担当する報告発表の準備過程(社会情勢や関連裁判等を調査したり、発表文書(レジュメ)にまとめる作業)が含まれます。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
| 種別 | 割合(%) | 評価基準 |
|---|---|---|
| レポート | 30 | 演習の成果としてのレポートの執筆も、半期に1回ほど取り組んでいただくことを、予定しています(ただし人数が4名以下の場合は、ディスカッションを中心とし、レポート執筆は課題から除外します)。 |
| 平常点 | 40 | 基本的に演習では自分の報告だけでなく他の履修生の報告でも質疑応答などで積極的な参加を御願いします。 |
| その他 | 30 | 演習で自分の担当する報告発表(プレゼン)の出来具合により、30%加点されます。演習での発表のための準備の過程も評価対象になります。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/プレゼンテーション
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
裁判例を主に使います。インターネット(またはmanaba)からダウンロード可能、ま
たはデータベースから利用。