シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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政治学特講1 1940年代の日本政治をふりかえる | 2024 | 春学期 | 月5 | 法学部 | 沖川 伸夫 | オキカワ ノブオ | 3・4年次配当 | 2 |
科目ナンバー
JU-PS3-031S
履修条件・関連科目等
日本の近現代の流れを1つのつながりとして理解するためにも、この講義と合わせて、歴史Aを履修することを奨めます。過去の歴史を知らずに、将来のビジョンを考えることは、地図を持たずに冒険へ出るような行為であり、どの分野に進むにしても、歴史的思考は不可欠です。教員試験・公務員試験・大学院進学・ジャーナリストを目指す学生にかぎらず、少しでも関心のある学生の履修を歓迎します。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
この講義では、1940年代の日本政治の歴史をふりかえります。具体的には、日米開戦から占領前期までの政治過程を検討します。当時の国際関係・経済・教育・文化・地域・民衆といった関連する多角的なアプローチも採り入れながら、日本政治史の分析の新たな可能性を、受講生とともに探っていきたいと考えています。「民主主義とは何か」という問いからスタートした戦後の日本人が、いかに向き合ってきたのか。そして、現時点での課題はどこにあるのかということを、敗戦前後の日本政治の歴史から、いま一度確かめてみましょう。
科目目的
この講義を通し、日米開戦から戦後改革に至る日本政治史に関する知識を深めることで、複雑多岐にわたる現状の課題を再認識し、それに対する処方せんを歴史的思考でもって自分なりに考えられることが、この科目の目的です。
敗戦から75年が経過した現在。現代の日本の政治や社会が、いかにして形づくられていったのか。今日につながる問題が、どのような要因から生まれたのか。新型コロナの流行を機に、社会が大きく転換していく状況にあって、いま戦後日本そのものが問われている。これらの問いを解く原点として、戦争の実態と戦後の出発、つまり、1940年代の日本政治の過程が浮かび上がってくるのではなかろうか。この講義を通して、さまざまな問題の背景を知り、歴史的思考から現状の課題をつかみ直す視角を培っていきたい。
到達目標
断片的な知識にとらわれず、さまざまな要因が相互にからみ合いながら、因果関係の連鎖を形づくっているという時系列の流れをつかむことが、まず求められます。そのうえで、日々直面する複雑な諸問題を考える際、過去の歴史の流れと今日の状況を重ねあわせて論じられる歴史的思考を養うことが、この科目の到達目標といえます。この講義を通じて、受講生が歴史に関心をもつきっかけをつかみ、自ら問題を見つけ、解いていく習慣を身につけていってほし い。
授業計画と内容
1.ガイダンス
2.日米開戦から戦局の転換へ
3.戦局の悪化から敗戦へ
4.アメリカの対日占領政策
5.民主化の進展と沖縄の軍政
6.婦人参政権・労働改革・農地改革
7.財閥解体・教育改革・学問の再生
8.憲法改正問題の展開
9.日本国憲法の誕生
10.象徴天皇制の形成
11.政党の復活と公職追放
12.第1次吉田内閣と二・一ゼネストの中止
13.中道政権の誕生と挫折
14.まとめ(日米開戦から占領前期までの流れをふりかえる)
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
予習・復習の際、参考文献を手がかりに、因果関係のつながりを意識して、理解を深めていってください。また、授業後はレジュメや関連資料を再度読み解き、自分自身ちゃんと理解しているか、身についているか、その都度、復習することを心がけましょう。
また、少しでも理解できない部分があった場合は、必ず質問してください。もし、分からないまま放置すると、次の展開が雪だるま式に分からなくなります。結局、因果関係の連鎖が見えなくなり、歴史の流れをつかむことが出来なくなりますので、遠慮せずに聞いてください。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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期末試験(到達度確認) | 70 | この講義の内容を理解し、さまざまな要因を踏まえたうえで、因果関係のつながりが適確に記述されているかどうかを基準に評価します。 |
平常点 | 30 | 随時、リアクション・ペーパーの提出を求め、その内容から、受講生が歴史的思考力を身につけているのか、優劣をチェックします。 |
成績評価の方法・基準(備考)
上記の期末試験とリアクション・ペーパーの内容を総合的に判断し、履修者の一人ひとりの成績を最終的に判定します。特に、期末試験では、個々の歴史的事実を年表式に羅列してしながら説明するのではなく、日本史の流れや因果関係のつながりをしっかり踏まえて論述できることを、受講生のみなさんに求めます。
評価の前提条件:期末試験を受けていない者や、リアクション・ペーパーを全ての回で未提出の者は、単位を取得できません。
課題や試験のフィードバック方法
その他
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
授業内で特段フィードバックの時間を設けないが、リアクション・ペーパーを確認しながら、授業内容の理解が進むよう工夫する。また、期末試験については、試験講評を後日発表する。
アクティブ・ラーニングの実施内容
PBL(課題解決型学習)
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
必要に応じ、受講生の自主学習支援として、授業内容と重なる過去の授業動画をアップし、配信します。また、関連映像の視聴が授業時間内で終わらなかった場合、授業後に映像をmanabaにアップし、コースニュースを通して配信することもあります。
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
〔テキスト〕
特定のテキストは、使用しません。毎回の授業で、レジュメと関連資料を配布し、それらを
もとに進めます。
1.升味準之輔『日本政治史4 占領改革、自民党支配』東京大学出版会、1988年
2.松尾尊兊『日本の歴史21 国際国家への出発』集英社、1993年
3.藤原彰・粟屋憲太郎・吉田裕編『最新資料をもとに徹底検証する昭和20年/1945年』
小学館、1995年
4.歴史学研究会編『日本史史料5 現代』岩波書店、1997年
5.河野康子『日本の歴史24 戦後と高度成長の終焉』講談社、2002年
6.楠綾子『現代日本政治史1 占領から独立へ』吉川弘文館、2013年
7.老川慶喜『もういちど読む山川日本戦後史』山川出版社、2016年
8.宮地正人監修、大日方純夫・山田朗・山田敬男・吉田裕『増補改訂版 日本近現代史を
読む』新日本出版社、2019年
このほか、詳しくは最初の講義のときに説明します。
その他特記事項
■授業の工夫■ この科目は講義中心なので、授業時間内に随時リアクション・ペーパーへの記入を受講生に求めます。このリアクション・ペーパーの内容をチェックしながら、日ごろの受講生の反応や理解度を確認します。そこで得られた傾向を1つの参考にしながら、授業の改善を図っていきたいと考えています。 また、可能なかぎり、歴史的映像を視聴する機会を設け、講義の理解をさらに深める工夫に努めます。
講義は1つの出会いであり、その後の人生を変えるターニング・ポイントになるかもしれません。積極的に学ぶ意欲を失うことなく、分からない点・知りたいことが浮かんだら、担当者に遠慮なく聞いてください。