シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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専門演習A2/専門演習B2 | 2024 | 秋学期 | 火5 | 法学部 | 中北 浩爾 | ナカキタ コウジ | 3・4年次配当 | 2 |
科目ナンバー
JU-OL3-016S
履修条件・関連科目等
政治学を履修済みであることに加え、この専門演習と並行して政治史Aを履修することが望ましいでしょう。留学などの特殊条件がある場合を除き、3年生と4年生の2年間、本演習を連続して履修するようにしてください。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
日本政治(現代日本政治論および日本政治史)の専門演習です。日本政治を表層的な政局として捉えるのではなく、歴史・制度・比較などを手掛かりとして、多角的かつ構造的に捉えられるようになることを目指します。
文献講読が中心になりますがが、たんに知識を摂取するだけでなく、批判的に読み込み、討論を行います。活発なディスカッションが行われるゼミにしたいと思います。文献講読を通じて自らのテーマを見出し、レポートや卒業論文を作成していきます。
受講者が希望すれば、ゼミ合宿のほか、他大学との合同ゼミ、国会・政党や新聞社・テレビ局の見学、国会議員やジャーナリストなどとの意見交換の機会も設けたいと思います。文献講読だけでは、政治をリアルに捉えることができないという考えからです。
科目目的
日本の政党を中心とする民主主義、すなわち政党デモクラシーは時代とともに大きく変容してきました。自由民権運動を受けてスタートした日本の政党政治は、明治憲法の制定を経て発展を続け、男子普通選挙を伴う政党内閣制が成立するに至りますが、テロとクーデタが発生するなかで後退していきます。第二次世界大戦後、男女普通選挙制が確立するとともに、日本国憲法の制定によって議院内閣制が導入され、政党は政治の主役の座を確固たるものにします。55年体制と呼ばれる38年間もの自民党政権が崩壊した後、選挙制度や政治資金制度、官邸など行政機構に関わる政治改革が断続的に実施され、二度の政権交代が起きましたが、いずれも失敗に終わり、現在、自民党が公明党と連立を組み、安定した政権を作っています。しかし、政党政治の基盤は弱まり、欧米諸国に比べて明確ではないとはいえ、ポピュリズム現象もみられます。
受講生は第二次世界大戦後(あるいは戦前)の日本の政党を一つ選び、それに関して3年生でレポート、4年生では卒業論文を執筆してもらいます。テーマは、特定の政党指導者や政党の支持団体、政治的出来事・事象などでも構いません。秋学期の文献講読では、引き続き日本の政党の歴史と現状、カルテル政党論やポピュリズムに関する理論について学び、後半では卒業論文とレポートの内容を報告していただきます。
到達目標
日本政治についての理解を深めること以外にも、いくつかの到達目標を設定します。第一に、文献の読解力を高め、論理的に思考したり、書いたりする能力を養うことです。第二に、プレゼンテーションやディスカッションの能力を身に着けることです。第三に、問題を多角的に考察し、他者とは異なる意見を提示できるようになることです。これらの能力は、大学を卒業した後も役立つでしょう。
授業計画と内容
1.日本の政党⑨:公明党 前半
2.日本の政党➉:公明党 後半
3.日本の政党⑪:共産党 前半
4.日本の政党⑫:共産党 後半
5.カルテル政党論① 前半
6.カルテル政党論② 後半
7.ポピュリズム① 前半
8.ポピュリズム② 後半
9.卒業論文・レポート報告① グループA
10.卒業論文・レポート報告② グループB
11.卒業論文・レポート報告③ グループC
12.卒業論文・レポート報告④ グループD
13.卒業論文・レポート報告⑤ グループE
14.卒業論文・レポート報告⑥ グループF
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
合宿や訪問などを行う可能性があります。その際には、準備が必要になります。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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平常点 | 100 | 報告や発言などを総合的に評価します。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/グループワーク/プレゼンテーション/実習、フィールドワーク
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
タブレット端末
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
具体的なテキストについては、開講時に受講者と相談の上、決定しますが、以下のものを考えています。
・薬師寺克行『公明党』中公新書、2016年。
・中北浩爾『日本共産党』中公新書、2022年。
・カッツ/メア『カルテル化する政党』勁草書房、2023年。
・ミュデ/カルトワッセル『ポピュリズム』白水社、2018年。