シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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債権総論 | 2024 | 春学期複数 | 火3,木6 | 法学部 | 原田 剛 | ハラダ ツヨシ | 2年次配当 | 4 |
科目ナンバー
JU-CI2-005L
履修条件・関連科目等
本授業は、皆さんが民法総則、物権総論の授業をすでに履修しているか、並行して履修することが望ましいです。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
債権法(民法典の第3編を指します)は、債権総論と各論に分かれます。債権各論は、債権の発生原因を規定したもので後期(秋学期)に学習します。
債権総論は、種々の内容を有する債権につき、それを一般化し抽象化してまとめ、その意義(債権の意味)、債権の内容の特徴、債権の効力、債権の消滅について規定すると同時に、その債権が正常に実現されない場合について債権者の保護(債務不履行)、債務者が債権の最終的なよりどころとなる責任財産の維持を怠る場合の救済(責任財産保全の制度)、債権も物の場合と同じように、一個の客観的価値をもつものとして譲渡する(例えば100万円の金銭債権を80万円で売るなど)「債権譲渡」、逆に、債務者の債務を引き受ける「債務引受け」、そして最後に、債権者、債務者が多数の場合の「多数当事者の債権関係」などに分かれています。
しかし、今回の授業では、上記の内容を考慮し関連性を指摘しつつ、おおむね、民法典の規定に沿って、授業を進めていくことにします。
科目目的
この講義は、概要にも書きましたように、民法第3編第1章総則を意味する「債権総論」の内容を扱います。これらの内容が、①債権総論において体系的にどのように位置づけられているのか、②各内容について具体的にどのような制度が用意されているのか、③これらの生きた姿として最高裁判所の判例を中心とした判例法理はどのような内容であるのか、について、基本的知識を修得し、かつ、これらの知識を具体的な事案や問題に適用する技能を修得することを目的とします。
以上の内容については、2017年に改正され、2020年(本年)4月1日から施行されている債権法の内容に即して解説します。
到達目標
履修者である学生の皆さんが、①債権総論において規律されている制度の内容、これらに関する判例法理、および、2017年の改正民法の改正内容、を理解し、②これらの理解を前提としその知識を具体的な事案や問題に適用して解決する技能を修得できることを到達目標としています。
授業計画と内容
スペースを空けているのは、内容の一つのまとまりを表しています。参考にしてください。
(1) ガイダンス、債権法総論
(2) 債権の意味、債権の種類(目的)
(3) 債権の種類(続き)
(4) 債権の効力の概観および債権侵害(債権の対外的効力)
(5) 強制履行
(6) 債務不履行による損害賠償(前編)
(7) 債務不履行による損害賠償(中編)
(8) 債務不履行による損害賠償 (後編)
(9) 責任財産保全の制度総論、債権者代位権(前半)ー要件論
(10) 債権者代位権(後半)ー効果論
(11) 詐害行為取消権(前半)ー要件論
(12) 詐害行為取消権(後半)ー効果論
(13) 多数当事者の債権関係総論
(14) 分割債権関係(不可分債権を含む)
(15) 連帯債務(前半)意義、要件論
(16) 連帯債務(後半)効果論
(17) 保証債務(前半)意義、要件論
(18) 保証債務(後半)効果論
(19) 債権譲渡総論
(20) 債権譲渡の対抗要件
(21) 債務引受、契約上の地位の譲渡
(22) 債権の消滅の概観
(23) 弁済の有効要件、弁済の充当
(24) 弁済者(第三者弁済)、弁済受領権の外観を有するものに対する弁済
(25) 弁済の提供、受領遅滞
(26) 弁済による代位(代位弁済)
(27) 相殺(前半)
(28) 相殺(後半)債権譲渡と相殺
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
事前にmanabaにレジュメをアップします。これにより授業には予習復習をして臨んで下さい。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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期末試験(到達度確認) | 70 | 到達目標に示した内容に即した記述式問題を出し、これに対する解答の内容の評価によって判断します。 |
レポート | 30 | 授業のほぼ中間時点でそれまでに学習した内容の到達度を図るために課題を出します。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
テキストとその要点と論点、判例を補足するレジュメを配布し、
これに基づいて講義します。
テキスト 原田剛『債権総論講義』(2024年、成文堂)
参考文献
判例解説やその他の参考文献は、授業の時に紹介します。