シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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行政法1(総論) | 2024 | 秋学期 | 火6 | 法学部 | 土田 伸也 | ツチダ シンヤ | 2年次配当 | 2 |
科目ナンバー
JU-PU2-011L
履修条件・関連科目等
憲法・民法・刑法・民事訴訟法・刑事訴訟法を履修済みか、並行して履修することが望ましい。また、行政法の理解をより一層深めるためには、地方自治法も履修することが望ましい。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
この授業では、行政活動がどのような法的規律に服して行われることになっているのか、また、訴訟の中で行政活動の違法をめぐってどのような主張が展開されうるのかという観点から、行政活動に関する法制度や法理論を取り上げる。
なお、この授業は、将来、法曹として活躍することを希望する学生のために設けられた。そのため、法曹(あるいは法曹志望者)にとっての行政法総論の有用性ということを強く意識して授業を進めていく予定である。また、他の法律基本科目との関係では、行政法は応用科目として捉えることができるため、必要に応じて、他の法律基本科目における基本的な考え方や仕組みも確認しながら、授業を進めていく予定である。
科目目的
本授業は、受講者が行政法総論分野の体系的・基礎的知識を修得するとともに、法的な問題解決に向けた基礎的能力を身につけることを目的とする。
到達目標
本授業の到達目標は、以下の通りである。
①行政法総論分野における基本概念について説明できる。
②行政法総論分野における基本的な考え方(理論)について具体例とともに説明できる。
③行政法総論分野における主要な法律の仕組み及び制度趣旨について説明するとともに、比較的簡単な事例において関係条文を適用し、解決策を提示できる。
授業計画と内容
第1回 行政と法
行政法の全体像を確認するとともに、行政法上の基礎的概念等について解説を行う。
第2回 行政活動の基準
法律による行政の原理や、行政法上の一般原則等、行政活動の基準について解説を行う。行政立法や行政計画も行政活動の基準として機能するので、それらの基礎的事項も併せて解説を行う。
第3回 行政裁量の基礎
行政裁量の意義や種類について確認したのち、行政裁量が司法審査との関係において、どのような問題を有していると考えられてきたのか、伝統的な見方を中心に、その内容を確認する。
第4回 行政裁量の統制
行政裁量の有無を判定する手法及び行政権の逸脱濫用の有無を判定する手法について理解を深めたのち、判断過程審査や、裁量基準の法的性格についても確認する。
第5回 行政処分の概念と意義
行政処分とは何か、また、行政活動の中でも特に行政処分に着目することに、どのような実践的意義があるのか、確認する。
第6回 行政処分の違法事由
行政処分が違法であるということを主張する場合の実体法上の違法事由および手続法上の違法事由について確認する。
第7回 行政処分の違法主張
行政処分の違法性が問題となる訴訟において当事者がどのような主張制限を受けることになるのか、確認する。具体的には、違法性の承継、公定力および処分理由の追加・差替えについて解説を行う。
第8回 行政立法
行政立法の意義を確認したうえで、実務上、行政立法の問題がどのような形で現れるのか、また、実体法および手続法の見地から行政立法の違法性をどのように分析して、本案上の主張をすべきかについて確認する。
第9回 行政計画
行政計画の意義を確認したうえで、実務上、行政計画の問題がどのような形で現れるのか、また、実体法および手続法の見地から行政計画の違法性をどのように分析して、本案上の主張をすべきかについて確認する。
第10回 行政指導
行政指導の意義を確認したうえで、実務上、行政指導の問題がどのような形で現れるのか、また、実体法および手続法の見地から行政指導の違法性をどのように分析して、本案上の主張をすべきかについて確認する。
第11回 行政契約
行政契約の意義を確認したうえで、実務上、行政契約の問題がどのような形で現れるのか、また、実体法および手続法の見地から行政契約の違法性をどのように分析して、本案上の主張をすべきかについて確認する。
第12回 行政の実効性確保の手段
行政上の強制執行の各類型(代執行・間接強制・直接強制・強制徴収)の意義と法的根拠について確認するとともに、即時強制の意義と法的根拠について確認する。
また、伝統的に行政罰として捉えられてきた行政上の秩序罰と行政刑罰の異同について確認するとともに、近年、実効性確保の手段として指摘されるようになった様々な行政上の措置(違反事実の公表など)についても確認する。
第13回 情報の収集と管理
行政調査の意義や種類について確認するとともに、行政調査と憲法の関係について、最高裁判例をもとに理解を深める。また、情報の管理に関して定めた各法律(行政機関の保有する情報の公開に関する法律等)の基本的仕組みについて確認する。
第14回 到達度確認
行政法総論分野における基礎的事項を理解できているか、確認するとともに、行政活動をめぐる訴訟において適切に本案上の主張を展開できるか、確認する。
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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期末試験(到達度確認) | 90 | 行政法総論分野における基本的な制度や理論を理解したうえで、それらを応用することができるかどうかを評価する。 |
平常点 | 10 | 授業中の発言等、学修に取り組む姿勢を評価する。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
【テキスト】
曽和俊文・山田洋・亘理格『現代行政法入門(第4版)』(有斐閣)
稲葉馨・人見剛・村上裕章・前田雅子『行政法(第4版)』(有斐閣)
大橋洋一『行政法Ⅰ(第4版)』(有斐閣)
中原茂樹『基本行政法(第3版)』(日本評論社)
*なお、授業は担当者が配布するレジュメにしたがって行うため、授業の中で上記テキストを使用することはない。
【参考書】
土田伸也『基礎演習行政法(第2版)』(日本評論社)
土田伸也『実戦演習行政法(第2版)』(弘文堂)
斎藤誠・山本隆司編『行政判例百選Ⅰ(第8版)』(有斐閣)