シラバス
| 授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 宗教と社会 | 2026 | 前期 | 金5 | 文学部 | 杉江 拓磨 | スギエ タクマ | 1~4年次配当 | 2 |
科目ナンバー
LE-PE1-T601
履修条件・関連科目等
日本の近代・現代史に関する基本的な知識が必要になります(高等学校で日本史Bないし日本史探求を学修していることが望ましい)。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
近代以降の日本社会における宗教と国家の関係を概観します。ここで言う「宗教」は、明確な信仰体系や教団組織をもたず、一般に宗教と意識されない習俗や道徳といったものも含みます。主に天皇制がもつ宗教的な側面とそれが国家のあり方、学校教育、人々の意識や生活、仏教・神道・キリスト教といった諸宗教に及ぼした影響について考察します。
また、それまで日本社会になかった「宗教」という概念が近代にどのように形成され、その「宗教」に含まれるものと含まれないものの境界の揺らぎも併せて視野に入れます。
なお、仏教、神道、キリスト教など、個々の宗教の思想や歴史には深く踏み込みません。
科目目的
私たちを取り巻く習慣や価値観、制度は実は宗教の刻印を帯びているものの、そのことを多くの人はあまり意識していません。この科目では、近代以降の日本の歴史を振り返りつつ、社会にどのように宗教の影響が刻み込まれているか、また、それを見えなくしている要因は何かを理解することを通じて、自分たちが生活する社会の成り立ちを深く、多角的に捉える視点を身に着けることを目的とします。
到達目標
・宗教とは何か、この言葉の日常的な用法に捕らわれず、特にその役割に注目した説明を試みることができるようになること。
・人々が一定の価値を共有し、連帯して社会を構成する上で、広義の宗教(明確な教義や教団組織をもたないものも含む)がどのような役割を果たすか、具体的に述べられるようになること。
・日本の近代国家形成・国民統制において天皇制が果たした役割を理解し、それが今日の日本社会に暮らす人々の宗教や社会に対する意識をどのように規定しているか、説明できるようになること。
授業計画と内容
第1回 はじめに:現代日本社会と宗教
第2回 「神の国」日本:国体論の形成
第3回 祭政一致の明治維新:天皇の祭祀
第4回 神仏合同教化の挫折
第5回 キリスト教の禁制から黙認へ
第6回 大日本帝国憲法の制定:「国家の機軸」と「信教の自由」
第7回 教育勅語:忠孝を軸とする家族国家
第8回 祖先を祀る国民の創造
第9回 内村鑑三不敬事件:国家主義とキリスト教
第10回 学校教育と宗教:宗教教育の禁止から「宗教的情操の涵養」へ
第11回 国体の顕揚:大正~昭和戦前期
第12回 宗教の統制から宗教の自由へ:戦時期・敗戦
第13回 政教分離は実現したか?:戦後
第14回 総括:日本社会は「無宗教」か?
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
| 種別 | 割合(%) | 評価基準 |
|---|---|---|
| 中間試験 | 40 | 授業の内容を正確に把握しているかどうかを評価します。 |
| 期末試験(到達度確認) | 60 | テキストの内容、授業の説明、問題の趣旨を理解した上で、客観的な事実から論理的に自分の考えを導き出すことができるかどうかを評価します。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験は授業を聴き、理解したかを確認する目的で行います。そのため、課題や試験の問いに答える形になっていても、授業内容を無視したような解答は評価が著しく低くなります。また、授業内容に対する反論・批判でも論述に妥当性があれば、高評価になります。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
<テキスト>
授業時に適宜、配付します。
<参考文献>
【1】末木文美士『日本宗教史』岩波書店、2006年(岩波新書)ISBN: 9784004310037
【2】島薗進『神聖天皇のゆくえ:近代日本社会の基軸』筑摩書房、2019年 ISBN: 9784480843197
【3】小倉慈司・山口輝臣『天皇と宗教』講談社、2018年(講談社学術文庫)ISBN: 9784065126714
【4】島田裕巳『日本の宗教と政治:ふたつの「国体」をめぐって』千倉書房、2021年 ISBN: 9784805112397
※ ほかは授業時に適宜、指示します。