シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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比較政治論2 | 2024 | 秋学期 | 火3 | 法学部 | 古賀 光生 | コガ ミツオ | 3・4年次配当 | 2 |
科目ナンバー
JU-PS3-013L
履修条件・関連科目等
履修条件はありません。行政学や政治過程論、政治史B2と合わせて履修すると理解が深まります。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
比較政治学は、政治過程論や行政学との隣接分野であり、これらの領域で扱われる様々な争点についても比較という方法を用いて分析・研究しています。
比較政治論2では、特に政党システムに着目して、政治学の代表的な問題関心の一部である、民主体制の下での議会、選挙、連立、執政等の領域について、政党というアクターを通じて統合的に理解することを目指します。
科目目的
カリキュラム全体において、比較政治学にはいくつかの役割が期待されています。その役割を大きくまとめると、ふたつの系統に分類できるでしょう。
まず、政治学の理論についての理解を深めるための機会という役割です。この講義(比較政治論2)ではいわゆる「新制度論」の議論を踏まえつつ「政党システム論」を最初から組み立てなおす覚悟で議論を展開します。理論という言葉を聞くと、多くの方が自然科学にような普遍的法則性の体系化を想像されるかもしれません。政治学においてもそのような理論が形成できる(すべき)という立場の人もいるのかもしれませんが、講義担当者(古賀)はあまりそのようには考えていません。むしろ、一定の条件の下での人々の行動に予見可能な影響を及ぼすであろう制度的な配置を検討するため、人々の行動の傾向を確率的に把握するために置いた一定の前提の下で分析可能な範囲を限定しつつ、その範囲を超えて生じている現状に対して一般化可能な部分とそうでない部分を分けるために理論が必要である、と考えています。
この際に受講生に求められるのは、当然ですが、既存の分類を丸暗記することではありません。先行する諸分類がどのような根拠で形成されたのかを確認しつつ、そのような分類の意義、あるいは、分類によって理解できることは何かを掴み、現実の問題に取り組む際にそれらを「道具」として活用できるようになるスキルこそ学生に求められるものです。
次に、現実を相対化する視点を身につけることです。根幹においては前述の「理論」とも共通しますが、政治学に限らず社会科学においては様々な「現実」の問題に対して、それをどのような視点から理解するのかが重要になります。学問を修める意義のひとつには、自分が持っている先入観を相対化して目の前の現象がなぜ生起したのか、他の可能性は存在しなかったのか、今後は別のやり方で対処することは可能か、可能であるとすればどのような方法があるのか、といったことを検討する能力が見につく(ことが期待される)ことにあります。
比較政治学は、このような能力を様々な政治体系を比較することで「現実に存在している、他のやり方」を検討するという方法によって身につけることを目指します。比較政治学2では、人々が政治システム(あるいは国家・政府)に対して自らの要求を「入力」するための様々なパターンを確認します。こうした学びを通じて、受講生の皆さんが取り組んでいる(あるいは今後取り組むであろう)現実に対して、どのような可能性があるのかを考える足掛かりを築くことを目的とします。
到達目標
上述の科目の目的を踏まえて、以下のような到達目標を設定します。到達目標は、この講義の単位を取得するうえで不可欠な要素と、その要素を習得したことを前提とした、より高次の目標のふたつに分かれます。
まず、必須の到達要素として、講義で紹介される様々な比較政治学の「理論」を習得するを設定します。「理論を習得する」とは、既に述べたように、既存の様々な議論を丸暗記することを意味するものではありません。どのような問題関心に立って、どのような制約の下で、既存の理論が形成されたのかを明らかにすることまで含みます。その習得の状況については、講義の「復習課題」で確認することとします。
次に、講義の到達目標として、それらの理論を踏まえて自らが取り組む課題について、一定の見解を組み立てて説得的に他者に提示できるようになることを設定します。具体的な課題については学生の関心に委ねたいと思いますが、「(1)講義で身につけた理論を用いて」「(2)比較という手法を採用し」「(3)具体的な問題に自身の見解を」「(4)論理的な根拠を提示しつつ」回答することを求めます。この到達目標については、学期末のレポートで水準を確認します。
授業計画と内容
以下の予定で講義を進めます。
01.イントロダクション:比較政治学と国家
02.国家と社会の関係(1):現代の国家を取り巻く環境
03.国家と社会の関係(2):新しい公共管理と市民社会
04.国家と社会の関係(3):政治の司法化と司法の政治化
05.統治の構造(1):分権化と多層的な統治構造
06.統治の構造(2):連邦制の特徴
07.統治の構造(3):紛争処理をめぐる逆説
08.民主主義と民主化(1):民主体制の定義
09.民主主義と民主化(2):権威主義体制の類型
10.民主主義と民主化(3):民主化の条件をめぐる議論
11.福祉国家論(1):歴史的な展開(産業革命から脱工業化まで)
12.福祉国家論(2):古典的な三類型
13.福祉国家論(3):福祉レジームと生産レジーム
14.講義のまとめ
※ 講義タイトルが異なっていても基本的な内容は昨年度(の比較政治論1)と共有する部分がたくさんあります。 昨年度のレジュメは以下のフォルダ内にありますので履修選択の際には参考にしてください。なお、フォルダのアクセスには全学アカウントへのログインが必要です。
https://drive.google.com/drive/folders/1IxoPlOYBK-7nTuFgdhrDZ0Opfv_0mNPn?usp=share_link
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
講義の予習と復習を義務とします。
【予習】 1時間程度を想定しています。ただし、個人差があるでしょう。
manaba上からレジュメを入手し、目を通してください。そこで示された内容や参考文献を活用して、講義概要を把握しつつ、予習で分からなかった点を明らかにしたうえで講義に臨んでください。
【復習】 2時間程度を想定しています。ただし、個人差があるでしょう。
講義の概要を各自でまとめたうえで、講義で示された復習課題に回答してください。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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期末試験(到達度確認) | 100 | 2つの到達目標の両方を試験で確認します。そのため、やや分量の多い試験にならざるを得ません。限られた時間内で沢山の文字を書くことを負担に感じる場合には、下記を参考にして、試験以外の加点要素にも挑戦してください。 |
成績評価の方法・基準(備考)
原則として試験で成績を認定しますが、限られた時間内で多くの問題に回答することに負担を感じる受講生や、一回きりの試験ではなく日々の課題への取り組みを評価してほしいと考える受講生の要望に応えるという位置づけで、加点要素を複数設定いたします。
学期末試験は二部構成となっており、前半は比較政治学の理論に関する基本的な理解の確認(用語解説)、後半はその応用の確認(論述試験)となっています。持ち込み一切不可の60分の試験で、すべて論述問題です。
前半部分については平常点や書評レポートの提出によって一部代替することを認めます(全部ではないので気を付けてください)。後半部分については学期末レポートの提出によって全部を代替することを認めます。学期末レポート等の書式については初回の講義で説明します。なお、前掲の講義資料フォルダに昨年度の書式の説明や課題図書の一覧が掲載されていますので履修計画の参考にしてください。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
その他
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
双方向授業を実施しますので、講義中のコメントやレスポンスを歓迎いたします。
授業におけるICTの活用方法
その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
リアルタイムで講義を実施しますので、講義に対するコメント等を歓迎いたします。
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
具体的なテキストは使用しません。講義に関する資料は、レジュメを配布します。
参考文献は、講義の中で、適宜紹介します。
その他特記事項
参考URL
講義担当者のアドレスは、下記のとおりです。
https://www.mituokoga.com/
ただし、必要な連絡はすべてmanabaを通じて行います。
manabaからの通知が届くように設定しておいてください。