シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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政治思想史A2 | 2024 | 秋学期 | 火2 | 法学部 | 杉山 亮 | スギヤマ リョウ | 3・4年次配当 | 2 |
科目ナンバー
JU-PS3-015L
履修条件・関連科目等
政治思想史AⅠ、政治学ⅠⅡ、政治史ABのほかに、文学・哲学関係の科目をあわせて履修することが望ましい
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
この世界には様々な「仕切り」があり、我々の行動を制約している。世界は国境によって区切られ、おいそれと超えることはできない。国内であっても法制度や経済システムによっていける場所や出来ることが限られている。さらには、常識や性差などの慣習的に構築された観念がこれからしようとする事に歯止めをかけるかもしれない。我々は自由に見えて、有形無形の「仕切り」に縛られ、行動を規定されているのである。
それらの「仕切り」は煩わしいが、安穏に生きるために必要とされるものもある。逃れることは難しい。
だが、頭の中はそうとは限らない。想像の天地に限りは無く、誰にだってなれるのだ。現実世界の息苦しさを感じた人々は頭の中に慰めを見出してきた。その中には、独自の観点と緻密な思考によって既存の秩序とは全く異なる秩序像を考え出した人々がいる。そうした人々の考えが実際の「仕切り」に影響を及ぼし、現実を動かすことすらあった。
本講義では、そうした現実を動かしうる力をもった思想を追跡する。武士が支配した徳川時代は、古代からの思想と、現代にも続く近代的な生活様式・思想・秩序観が共存した時代だった。この徳川時代を起点に、近代世界を構築する思想がどのように形成され、展開していったのかを考える。
科目目的
日本の政治思想の内容と特質について、とくに近代の社会的政治的環境と思想の変容の関係を理解する。
到達目標
日本政治思想史において儒学が果たした役割。マルクス主義が魅惑的な新思想と捉えられた原因など外来の思想体系の受容と影響の関係を理解する。また、それら外来の思想と既存の思想の影響関係を理解する。
授業計画と内容
近世から近代にかけての政治思想史の展開を、外来の思想体系及び国際環境の変化との関係性から概観する。各回で特徴的な思想の持ち主として以下の人物を取り上げる。
第1回 朱子学―道理とは何か
第2回 新井白石-王道何処に在りや
第3回 伊藤仁斎ー儒学の日本化?
第4回 荻生徂徠-近代の燭光
第5回 徂徠学の崩壊ー予言の陥穽
第6回 山県大弐と海保青陵
第7回 前期国学ー文芸と言語
第8回 本居宣長ー征服されざる者
第9回 平田篤胤ー今は遠き理想郷
第10回 蛮学・蘭学・洋学―天文と人体
第11回 兵学さまざま―政治思想としての軍事
第12回 頼山陽―”時代のうねり”
第13回 水戸学―修史と革命
第14回 最期の努力-尊王攘夷運動と国政改革論
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
講義後コメントペーパーを忘れずに提出する事。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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期末試験(到達度確認) | 70 | 科目に対する知識習得度・理解度をはかる。 |
平常点 | 30 | 講義ごとに意見・感想を書いたコメントペーパーの提出を求める。提出されたものの内、講義に資すると思われるものは次回講義の冒頭で紹介する。1回紹介されるごとに平常点3%を加算する。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
毎講義、コメントペーパーとフィードバックの内容をまとめたプリントを配布する。
時間が許す場合は、講義冒頭に読み上げる。
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
テキスト:講義ごとにレジュメを配布する。
参考文献:渡辺浩『日本政治思想史』(2010,東京大学出版会),河野有理編『近代日本政治思想史』(2014,ナカニシヤ出版),広岡守穂『日本政治思想史』(2020,有信堂高文社),『ハンドブック近代日本政治思想史―幕末から昭和まで』(2021,ミネルヴァ書房)