シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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平和学 | 2024 | 春学期 | 金4 | 法学部 | 黒田 俊郎 | クロダ トシロウ | 1年次配当 | 2 |
科目ナンバー
JU-PS1-023L,JU-PS2-023L
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
平和学あるいは平和研究という学問分野の誕生をいつに設定するか。それ自体が学説史上のひとつの重要な論点である。ここではさしあたりそれを冷戦期の1950年代中頃としたい。1954年のビキニ環礁における米国水爆実験による日本の遠洋マグロ漁船第5福竜丸の被爆と日本の原水爆禁止運動の始動、それに続くラッセル・アインシュタイン宣言(1955) と米国ミシガン大学の『紛争解決誌』 (The Journal of Conflict Resolution)の創刊(1957)の時期である。そのときからすでに60年以上の歳月が経過している。日本平和学会の創設は1973年であり、日本の大学ではじめて「平和学」という科目が開設されたのが1976年である。現在わが国では、平和学部こそないが、全国の大学、大学院で広く平和学、平和研究関連の授業科目が開講されている。しかし自由で繁栄した恐怖と貧困から解放された平和な世界が実現したとは言いがたい。この授業では、平和学の誕生とその世界的展開の経緯を振り返ったのち、日本の平和研究が現在取り組むべき論点を提示し、検討することを主眼とする。またそのことを通して、受講生の平和学/平和研究への関心を喚起したい。
科目目的
第一に平和学の誕生とその世界的展開の経緯を理解すること、第二に日本の平和研究が現在取り組むべき論点を把握すること、そして第三に受講生がその個々の論点に対して自らの意見を筋の取った形で構築できるようになること、以上三つが科目目的である。
到達目標
授業全体を通して、平和学と平和研究への学問的・実践的関心を受講生に喚起することを科目の到達目標とする。受講生の人格的陶冶と専門的研究の基礎作りの一助となれば幸いである。
授業計画と内容
1.はじめに:オリエンテーション(科目の趣旨、各回の概要、履修上の注意など)
2.第一部:恐怖のなかの平和~平和研究の誕生(日本)
3.第一部:恐怖のなかの平和~平和研究の誕生(世界)
4.第一部:恐怖のなかの平和~平和研究の誕生(日本と世界)
5.第二部:暴力と平和~平和研究の新展開(世界)
6.第二部:暴力と平和~平和研究の新展開(日本)
7.第二部:暴力と平和~平和研究の新展開(世界と日本)
8.第二部補遺:グローバリゼーションと平和
9.第三部:平和をめぐる14の論点~悪の所在
10.第三部:平和をめぐる14の論点~移行という問題
11.第三部:平和をめぐる14の論点~日本というシステム
12.第三部補遺:残された論点(世界)
13.第三部補遺:残された論点(日本)
14.まとめ:平和研究のフロンティア~いのちをめぐるたたかいの現在地
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
まずは授業で指示されたテキストの当該箇所を事前に読んでくることが授業受講の前提である。また平和学/平和研究は、現代世界が直面する諸課題~それは人間の尊厳を脅かし破壊する~と対峙する現場感覚溢れる学問であるので、そのことを受講生に実感してもらうため、授業では、授業時間外で視聴し読書すべき映像資料や書籍等を提示し、それに関連する課題を指示したい。提示された課題には必ず取り組むこと。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 100 | 授業の中で課す複数のレポート課題で評価する。評価基準は、着眼点、資料の読解力、記述の論理性、プラス日本語の作文として平易で明晰でチャーミングな文章であること、である。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
その他
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
課題解決型学習、反転授業(教室の中で行う授業学習と課題などの授業外学習を入れ替えた学習形式)、ディスカッション、ディベート 、グループワーク、プレゼンテーション など、いわゆる「アクティブ・ラーニング」系の授業形態は、受講人数が少数で、受講生の同意が得られた場合に、その実施を検討する。
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
授業テキストとして下記を使用する。
日本平和学会編『平和をめぐる14の論点~平和研究が問い続けること~』法律文化社、2018年。
(京都、ISBN978-4-589-03954-5)
その他、参考文献は、授業の進捗にあわせて、授業内で適宜紹介する。