シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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アメリカ政治論2 | 2024 | 秋学期 | 水4 | 法学部 | 川上 高司 | カワカミ タカシ | 3・4年次配当 | 2 |
科目ナンバー
JU-IN3-008L
履修条件・関連科目等
積極的に出席すること
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
アメリカの外交上の地政学的リスクを論じる。現在アメリカの地政学的リスクはヨーロッパでのウクライナ戦争、中東でのイスラエル対ハマス戦争、さらにはアジアでの台湾をめぐる危機の3正面存在する。米国はパワーの低下により三正面の危機には対峙できなくなり、NATOや日米同盟といった同盟の力にも依存せねばならなくなってきている。今や、米国はかつて米国が軍事・経済・技術など覇権システムを確立しその絶大なる影響力を謳歌していたパワーは保持していない。中国やインドなどの台頭がみられ、世界は大国間競争の時代へいりつつある。言い換えるならば、世界システムは民主主義同盟Cs.非民主主義同盟(旧共産主義諸国)の構図が顕著となっている。本講義ではこの状況を把握するため、米国の建国時からの戦略、さらには現在の宇宙、サイバー、電磁波、認知戦等へと広がっているオールドメイン(全領域戦)の戦いを理解することに努める。
科目目的
現在は、米中が逆転する直前のパワーパラドックスの状況(ツキウデスの罠)にあり現状維持国と挑戦国との間に紛争が起きやすい状況にある。その観点から言えば学生諸君の将来もアメリカの動向に大きく左右されるといえよう。本講義はアメリカを総括的に理解することを到達目的とする。そしてその到達目的達成のためには「歴史分析」という縦軸、「現状分析」という横軸、それに「理論分析」という斜め軸といった3つの軸の分析が必要であり、その結果はじめてアメリカ政治の実像が浮かび上がってくる。本科目の目的は、歴史分析、米国の機構論、外交政策決定過程、それにパワー論等を加味しながら米国をより深く理解するこにある。
到達目標
本講義は、建国バイデンバイデン政権に至るまでの歴史とその理論的分析を加味して行う。さらに講義の冒頭に、その時のアメリカの現状分析を行う。そのことにより、アメリカ全体の状況を把握し、就職試験さらには進学につなげることを目的とする。「授業の到達目標」は、学生諸君が就職試験にも打ち勝つ「知識」と「分析能力」を獲得し、社会に出てから活用できる「教養」と「戦略的思考」を身につけることにある。本講義を積極的にまじめに履行したものはアメリカの専門家としての知識を十分習得できることになる。
授業計画と内容
1 アメリカ政治概論
2 米国の社会①(宗教、移民)
3 〃 ②(メデイア、映画)
4 米国の制度①(合衆国憲法)
5 〃 ②(大統領制度)
6 〃 ③(連邦議会制度)
7 〃 ④(政党)
8 米国の外交と安全保障①(孤立主義と国際主義)
9 〃 ②(同盟・安全保障政策)
10 〃 ③(前方展開戦略の歴史)
11 〃 ④(基地問題)
12 日米関係①(日米関係の過去・現在)
13 〃 ②(日米関係の将来)
14 総括
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
・テキスト、参考文献を読み出席すること。また、講義のポイントを復習すること。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 100 | 講義の最終日に提出するレポート試験で評価を行う。 |
成績評価の方法・基準(備考)
最終の論述試験で100%の評価を行う。さらに、積極的に質問をする学生は大歓迎である。また、試験に加えてアメリカ政治に関する論文の提出を希望する学生がいれば評価を考慮する場合もある。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
米国の研究機関(フレッチャースクール外交政策研究所(IFPA)研究員、RAND客員研究員)をつとめ、帰国後、中曽根康弘総理の(財)中曽根世界平和研究所で研究員としてキッシンジャー米国務長官やゴルバチョフ・ソ連大統領を招聘、CNN、ABCニュース出演。その後、海部俊樹新進党党首(元総理)で政策秘書となり海部総理のスピーチライター、アドバイザーを務める。防衛省防衛研究所主任研究官・教官として米国の戦略分析を担当。森本敏拓殖大学総長(元防衛大臣)と自民党国防部会で米軍再編や安保法制等の委員を務める。神奈川県の基地問題参与(松沢元知事のアドバイザー)、参議院外交防衛委員会調査員等もつとめた。
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
アメリカ政治に関連して、クリントン政権から現在のバイデン政権の閣僚、スタップとのやりとりや政府関連のシンクタンクでの活動・会議を行ってきたことを講義にフィードバックする。アメリカの歴史(湾岸戦争、9.11テロ後のアフガニスタン、イラン攻撃やPRT活動等)を実際の現場で経験してきたことを学問的に学生に提示する。
テキスト・参考文献等
テキスト:川上高司著『無極化時代の日米同盟』ミネルヴァ書房
参考文献:川上高司著『新しい戦争とは何か』ミネルヴァ書房
川上高司著『アメリカ世界を読む』創成社
川上高司著『米軍の前方展開と日米同盟』同文館
その他特記事項
大学は人生の基礎を作る場所であり、人生の大半がここで決まる貴重な時期である。授業には積極的に参加して自ら進んで知識を獲得すること。学生諸君からの提案や質問は大歓迎である。この授業を通じて、学生諸君との間に同時代人としての共感が得られれば望外の喜びである。