シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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政治社会学1 | 2024 | 春学期 | 火5 | 法学部 | 井口 暁 | イグチ サトシ | 2年次配当 | 2 |
科目ナンバー
JU-SC2-001L
履修条件・関連科目等
毎日のニュースにふれながら、現代社会における災害や事故、環境問題と政治の関係について関心を持つことを求めます。関連科目として、本科目に引き続いて秋学期に開講される政治社会学2をあわせて受講することをすすめます。なお、政治社会学2は、政治社会学1で学ぶ理論的視点をもとに実施しますので、政治社会学1を履修していることを強くすすめます。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
科学技術の飛躍的な発展により、私たちの暮らしは、かつてなく快適で安全で豊かになっている一方、原発事故や放射能汚染、相次ぐ薬害・公害問題、深刻化する地球環境問題などの新たな脅威にも直面しています。こうした科学技術に伴う「リスク」や「不確実性」「未知の危険性」の問題をめぐり、社会的・政治的・科学的な論争や課題が表面化しており、新たな政治の役割と対処が求められています。
本科目では、「リスク社会」と呼ばれる現代社会において深刻化する諸問題と政治的対処のあり方について検討するために、それについて研究を蓄積してきたリスク社会学の主要な理論的視点について学び、具体的な社会問題を分析するための視座を獲得することを目指します。
政治社会学1では、理論編として、リスク社会学の主要理論について学び、政治社会学2では、事例編として、その視点をもとに、具体事例について検討します。
科目目的
本科目では、リスク社会における諸問題と政治のあり方について検討するために、リスク社会学の主要理論について学び、具体的な社会問題を理論的に分析するための見取り図を獲得することを目指します。
到達目標
リスク社会学の各アプローチと理論的視点について、その背景、目的、着眼点、時代診断の内容、意義等を含めて体系的に理解するとともに、それを応用して、具体的な事例を分析することができる。
授業計画と内容
第1回目 導入:リスク社会と政治の諸問題
第2回目 ベックのリスク社会論1:新しいリスクとリスク社会の危機
第3回目 ベックのリスク社会論2:再帰的近代化
第4回目 ベックのリスク社会論3:個人化、液状化、自己責任
第5回目 ルーマンのリスク社会学1:危険からリスクへ、連帯からコンフリクトへ
第6回目 ルーマンのリスク社会学2:リスクと未来・時間
第7回目 ルーマンのリスク社会学3:リスク・ダイアローグ
第8回目 ダグラスのリスク文化論1:穢れと危険
第9回目 ダグラスのリスク文化論2:政治的非難とリスク
第10回目 フーコーの統治性論とリスク1:生政治とリスク
第11回目 フーコーの統治性論とリスク2:新自由主義とリスク
第12回目 非知(わからないこと)の社会学:非知の様々なタイプ
第13回目 非知(わからないこと)の社会学:非知をめぐる対立
第14回目 まとめ
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 35 | 論理性、日本語としての明晰さ、エビデンスを豊富に提示できているか、先行研究を適切に踏まえた問題・仮説設定ができているか、等で評価します。 |
平常点 | 65 | 授業後のリアクション・ペーパーおよび論述課題の内容、授業時間内での発言などの貢献度によって評価します。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
PBL(課題解決型学習)/ディスカッション、ディベート/グループワーク
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
授業内でレジュメや資料を提示・配布します。
参考文献は以下のとおりです。
Jens O. Zinn, Social Theories of Risk and Uncertainty, Malden, MA : Blackwell Pub., 2008(9781405153362)
ウルリッヒ・ベック、東廉・伊藤美登里訳、『危険社会――新しい近代への道』、法政大学出版会、1997年(9784588006098)
ニクラス・ルーマン、小松丈晃訳『リスクの社会学』、新泉社、2014年(9784787714077)
井口暁、『ポスト3・11のリスク社会学――原発事故と放射線リスクはどのように語られたのか』、ナカニシヤ出版、2018年(9784779513930)