シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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原価計算論 | 2025 | 春学期複数 | 水5,水6 | 商学部 | 中村 博之 | ナカムラ ヒロユキ | 2年次配当 | 4 |
科目ナンバー
CM-AU2-21XL
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
原価計算は製造業における財務諸表作成のための会計制度、さらには意思決定や業績評価という経営管理のための会計として、実際に世界中の企業において広く利用され、重要な機能を果たしている会計技法である。本講義では。この原価計算について、原価計算制度と経営管理のための原価計算の両者を学習することとする。この学習においては、原価の計算の根底をなす理論と製品原価に代表される実践的な原価の計算手法の双方の理解を目指す。この原価計算の授業での学習により、ビジネスにおいて不可欠な次のようなスキルを身につけることができる。
・適切な「原価」の意味を理解できる。
・財務諸表作成のための原価計算制度を理解できる。
・資源消費のタイプごとの原価を計算できる。
・間接費とその配賦の意義と課題を理解し、配賦の計算ができる。
・様々な工程や製品に応じた原価計算ができる。
・原価管理のための原価計算ができる。
このように原価計算では、計算の論拠である理論と実際の計算技法を理解することが必要であるため、適宜、受講者に計算演習を行ってもらう。これにより、将来、組織の経営に携わる際に必要となるであろう原価とその計算に関する基礎的な能力が養成される。
科目目的
様々な会計学関連の学習するべき科目があるが、原価計算は必須な科目と位置付けられており、実際、各種試験や実務において広く取り組みが定着している。本科目では、その原価計算のエッセンスを学習することになる。この科目はカリキュラム上の商学部分野別専門科目の会計系科目として位置づけられ、この科目を学習することにより、企業の財務諸表作成のための原価計算と経営管理に関する判断資料としての原価計算の理論と計算技法の双方を理解できることになる。将来触れることになる原価計算関連の資料について深く理解することとなり、実際のビジネスの場での活躍の契機となることを目指す。
到達目標
本科目では原価計算について、原価計算制度と経営管理のための原価計算の両者を学習することとなる。この学習においては、原価計算の根底をなす理論に基づき、様々な工程や製品に応じた原価計算ができることとならなければならない。原価計算の理論から、実際の原価計算データの数値について正確に最終的な計算結果に至る能力が求められる。
授業計画と内容
1.ガイダンス、原価計算の歴史と制度
2.原価および原価計算の基礎知識
3.原価記録としての工業簿記と勘定連絡図
4.原価の費目別計算:材料費の計算(購入原価の計算)
5.原価の費目別計算:材料費の計算(消費原価の計算)
6.原価の費目別計算:労務費の計算(支払賃金の計算)
7.原価の費目別計算:労務費の計算(消費賃金の計算と労務費の記帳)
8.原価の費目別計算:経費の計算
9.製造間接費の計算(製造間接費とその配賦)
10.製造間接費の計算(製造間接費の正常配賦と変動予算)
11.製造間接費の計算(製造間接費の正常配賦と差異分析)
12.製品別原価計算:個別原価計算と総合原価計算
13.個別原価計算(原価計算表への原価集計)
14.原価の部門別計算(製造部門と補助部門への原価集計と配賦)
15.補助部門費の配賦(直接配賦法と要綱の相互配賦法)
16.補助部門費の配賦(階梯式配賦法)
17.総合原価計算の原理と平均法の計算
18.総合原価計算(先入先出法)
19.総合原価計算における減損・仕損と度外視法
20.総合原価計算における減損・仕損と非度外視法
21.工程別総合原価計算
22.組別総合原価計算
23.等級別総合原価計算と連産品
24.標準原価計算と原価管理
25.標準原価計算の差異分析(直接材料費、直接労務費)
26.標準原価計算の差異分析(製造間接費)
27.標準原価計算の勘定記入と原価差異の会計処理
28.直接原価計算
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
講義の事前に下記のテキストの該当箇所を予習すること。なお、〔例題〕については、その計算確認を行うこと。講義後には章末の〔Excercise〕を解答してみること。別途、関連資料も配布する。
高橋賢『テキスト原価会計<第3版>』中央経済社、2025年。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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中間試験 | 30 | 原価の費目別計算と製品別計算の基礎について、どの程度理解しているかにより評価します。 |
期末試験(到達度確認) | 50 | 企業の財務諸表作成のための原価計算と経営管理に関する原価計算をどの程度理解しているかより評価します。 |
平常点 | 20 | 練習問題を課し、その点数により評価します。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
実施した練習問題については、次回の授業で解説する。
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
テキスト
①高橋賢
②テキスト原価会計<第3版>
③中央経済社、2025年
④第3版
⑦978-4-502-53351-8
参考文献
①岡本清
②原価計算〔六訂版〕
③国元書房、2000年
④六訂版
⑦4-7658-1009-7
①木島淑孝
②原価計算制度論
③中央経済社、1992年
⑦978-4-502-21551-3
その他特記事項
利用するソフトウェアはなし。電卓を持参すること。