シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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法学基礎演習A1 | 2024 | 春学期 | 火4 | 法学部 | 宮野 洋一 | ミヤノ ヒロカズ | 1年次のみ | 2 |
科目ナンバー
JU-AD1-005S
履修条件・関連科目等
「紛争の解決」というテーマに関心があり、積極的に議論に参加し、かつ最後にゼミ論文(1万字)
を書く気概のあること。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
テーマ<紛争を「解決」するとはどういうことか、を考える> 法や裁判の役割のひとつは紛争を「解決」することだといわれますが、では実際何がどうなったら紛争は解決されたといえるのでしょうか。法や裁判は本当に紛争の「解決」に役立っているのでしょうか。そこで想定されている「解決」は、どんな「質」で誰にとってどのような「満足」を与える(あるいは与えない)ものなのでしょうか。このゼミではみんなでこの根本問題をじっくり考えたいと思います。個人の葛藤から国際問題まで、できるだけ視野を広げられるように、幅広い範囲から素材を選び、また時にドキュメンタリービデオなども視聴して議論します。
科目目的
1年間のゼミの後は、具体的な紛争を前にして、どんな質の着地点をめざし、どんな考え方や手法で働きかけることがよりよい「解決」のあり方か、について、自分なりに考え始められることをめざします。
到達目標
紛争「解決」(着地点および そこに至る手法・制度・考え方)の概要についての、テキストおよびゼミでも議論を通じての基本的理解の獲得。
授業計画と内容
(春学期)
1.イントロダクション:基本的視角(紛争の「処理」と「解決」・トランセンドという着地点)の紹介と体験:オレンジをめぐる姉妹の紛争の「解決」を考えてみる
<身近な紛争の「解決」>
2.廣田尚久『和解という知恵』序 訴訟をやめて和解を、1章 和解とは何か,2章 和解のしくみ
3. = 3章 紛争解決規範(1)成文法・判例・仲裁解決例・学説
+(2)自然法・生きた法・経済合理性・ゲーム理論
4. = 4章 和解へのスタート +紛争解決規範(3同規範の使用・選択における阻害・ミクロ化
5. = 5章 和解をやりとげる方法
6. = 6章 和解の源泉、7章 和解の深さ、おわりに
+紛争解決規範(4)実態規範と手続規範・同規範の相互関係
7.図書館情報検索講習
<中間範囲の紛争の「解決」>
8.「謝罪行動」の日米比較 (えひめ丸事件とタイヤ破裂事故)
9.「隣人訴訟」裁判になじむか?
10.「水俣病」裁判による解決・政治による解決とその限界
11.吉田勇『紛争解決のあり方を考える』(隣人訴訟と水俣病訴訟の法社会学的検討)
<国際レベルの紛争の解決~暴力(武力)を伴う紛争>
12.竹中千春『世界はなぜ仲良くできないの? 暴力の連鎖を解くために』はじめに、1,2章
13. = 3章 「紛争の地図」
14. = 4章 「暴力を抑えるルール」+「正義の暴力なんてあるの?」
(夏合宿)(ディベート:上級生と合同)、夏期レポート課題
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
夏には上級生のゼミ(国際法)と一緒に合宿し上級生との混合チームで、国際的な問題を選んでディベート大会の予定。締め括りはゼミ論文の執筆と論文集の編集です。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 30 | 学期末に提出 |
平常点 | 70 | 各担当回の レジュメ作成、発表、司会、議論への参加度 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/グループワーク/プレゼンテーション
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
共通テキスト(以下は例示、参加者の関心に応じて変える場合もあります。他に適宜雑誌論文等もとりあげます。)
・井上孝代(社会心理学)『あの人と和解する』(集英社新書,2005)
・廣田尚久(民事・弁護士)『和解という智恵』(講談社現代新書,2014)
・吉田勇(法社会学)『紛争解決のあり方を考える』(モラロジー研究所,2011)
・竹中千春(国際政治学)『世界はなぜ仲良くできないの?:暴力の連鎖を解くために』(阪急コミュニケーションズ,2004)
・篠田英朗(平和構築論)『紛争解決って何だろう』(ちくまプリマー新書,2021)
参考文献:
・松元雅和『平和主義とは何か:政治哲学で考える戦争と平和』(中公新書,2013)
・ガルトゥング(平和研究)『ガルトゥング紛争解決学入門』(藤田・奥本監訳,法律文化社,2014)
・阿部利洋(社会学)『真実委員会という選択』(岩波書店,2008)
・舟橋洋一『歴史和解の旅』(朝日新聞社,2004)
・Wagatsuma & Rosett, "The Implications of Apology",Law & Society Review vol.20no.4(1986)pp.461.ff 紛争解決における「謝罪」の日米の違いを論じた英文論文。
その他特記事項
このシラバスは春学期分のみを記載しています。秋学期分はmanabaから確認してください。このシラバスは春学期分のみを記載しています。秋学期分はmanabaから確認してください。