シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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基礎演習1 | 2024 | 春学期 | 月5 | 法学部 | 大谷 晃 | オオタニ アキラ | 2年次のみ | 2 |
科目ナンバー
JU-BS2-001S
履修条件・関連科目等
政治学、社会学関連の各科目の履修を進めていること。都市・地域の社会学や政治学、社会調査について学ぶ意欲があれば特に履修条件はない。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
この科目では、都市・地域の政治学と社会学およびフィールドワーク調査についての理解を、演習形式の文献講読・実習と議論を通じて深めていきます。基礎演習1では、都市・地域の政治学と社会学の理論と方法を概観した後、フィールドワークの技法を学ぶことに焦点を当てて、グループごとに選択した文献の講読と議論、非関与型フィールドワークの実践、各グループの発表を中心に授業を進めていきます。
科目目的
この科目は、法学部における【演習科目】として、講義だけではなく学生主体の議論を通じて、都市・地域の政治学と社会学、実際に地域に関わるフィールドワークへの理解を深めることを目的とします。
到達目標
この科目の到達目標は以下の通りです。
①都市・地域の政治学と社会学、およびフィールドワーク調査に関する知識を深め、自らの考えを話せるようになること。
②文献の読解、ゼミの運営(他者との協業)、調査計画の立案等において、自ら進められる力を身につけること。
③調査を通じて新たな問いを立てる/自分の言葉で考える力を身につけること。
授業計画と内容
春学期は、冒頭に担当教員の紹介と概論のレクチャーを行った後、各グループに分かれてフィールドワークの実践に向けての文献講読を行ってもらう予定です。それぞれのグループでテーマを決めて理解を深め、学期末には発表を行ってもらいます。なお、学期中・夏休みには東京都立川市の大山自治会主催行事への参加、それに向けての準備として多摩キャンパスを中心として活動する有志ゼミ「立川プロジェクト」との対面やオンラインでの交流会も予定しています。
第1回 イントロダクション――都市・地域の社会学と政治学
第2回 フィールドワークの準備①――社会調査の基礎
第3回 フィールドワークの準備②――地域調査の意義と課題
第4回 フィールドワークの準備③――グループ分け、グループごとの課題文献選び
第5回 フィールドワークの準備④――『人間と社会のうごきをとらえるフィールドワーク入門』序章~2章
第6回 フィールドワークの準備⑤――『人間と社会のうごきをとらえるフィールドワーク入門』3章~6章
第7回 フィールドワークの準備⑥――『人間と社会のうごきをとらえるフィールドワーク入門』7章~終章
第8回 非関与型フィールドワークの立案と実践①――「立川・砂川」の地域概要を知る
第9回 非関与型フィールドワークの立案と実践②――歴史的資料から地域の成り立ちを知る
第10回 非関与型フィールドワークの立案と実践③――地図を用いて空間的配置・変化を知る
第11回 非関与型フィールドワークの立案と実践④――実際に歩き、観察する
第12回 非関与型フィールドワークの立案と実践⑤――収集したデータをまとめ、1つの街の物語を書く
第13回 グループごとの報告とコメント&リプライ
第14回 まとめ――都市・地域の中に入りこみ関わるフィールドワークへ
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出/その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業内で参加者の協議によって決めた文献の事前の読み込み、期末報告への準備、フィールドワークの実習に向けた準備など、適宜授業時間外の学習を行ってもらいます。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 30 | 授業内で期末の報告を行い、レポートにまとめて提出してもらいます。 |
平常点 | 70 | 毎回の授業への実質的な参加(participation/commitment)を評価します。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
授業内での報告に対するコメントを中心に、必要に応じてmanaba等での個別指導を行う。
アクティブ・ラーニングの実施内容
PBL(課題解決型学習)/反転授業(教室の中で行う授業学習と課題などの授業外学習を入れ替えた学習形式)/ディスカッション、ディベート/グループワーク/プレゼンテーション/実習、フィールドワーク
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
PC等の端末を各自が使用し、manabaの掲示板やwebexのチャット機能(オンラインの場合)などを活用する。
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
【テキスト】
新原道信ほか『人間と社会のうごきをとらえるフィールドワーク入門』(ミネルヴァ書房,2022年)。
【参考文献】
◎社会調査・フィールドワークに関わる参考文献
谷富夫・山本努編『よくわかる質的社会調査 プロセス編』(ミネルヴァ書房,2010年)。
谷富夫・山本努編『よくわかる質的社会調査 技法編』(ミネルヴァ書房,2010年)。
佐藤健二『社会調査史のリテラシー――方法を読む社会学的想像力』(新曜社,2010年)。
佐藤郁哉『フィールドワークの技法――問いを育てる、仮説を鍛える』(新曜社,2002年)。
佐藤郁哉『社会調査の考え方 上・下』(東京大学出版会,2015年)。
篠原清夫編『社会調査の基礎』(弘文堂,2010年)。
野村康『社会科学の考え方――認識論、リサーチ・デザイン、手法』(名古屋大学出版会,2017年).
◎都市・地域に関わる参考文献
Dahl, Robert A., 1961, Who Governs?: Democracy and Power in an American City, New Haven, Yale University Press.(=1988,河村望・高橋和宏監訳『統治するのはだれか――アメリカの一都市における民主主義と権力』行人社.)/Hunter, Floyd, 1953, Community Power Structure: A Study of Decision Makers, Univ. of North Carolina Press.(=1998,鈴木広監訳『コミュニティの権力構造――政策決定者の研究』恒星社厚生閣.)/Whyte,William,Foote, 1993, Street Corner Society, 4ed., Chicago: The University of Chicago Press.(奥田道大・有里典三訳,2000『ストリート・コーナー・ソサイエティ』有斐閣.)/Castells, Manuel, 1983, The City and the Grassroots: A Cross-cultural Theory of Urban Social Movements, Berkeley: University of California Press.(=石川淳ほか訳,1997『都市とグラスルーツ――都市社会運動の比較文化理論』法政大学出版局.)/似田貝香門監修、町村敬志他編『地域社会学講座 第1巻 地域社会学の視座と方法』(東信堂,2006年)/古城利明監修、新原道信他編『地域社会学講座 第2巻 グローバリゼーション/ポスト・モダンと地域社会』(東信堂,2006年)/岩崎信彦・矢澤澄子監修、玉野和志他編『地域社会学講座 第3巻 地域社会の政策とガバナンス』(東信堂,2006年)/中筋直哉・五十嵐泰正編著『やわらかアカデミズム・〈わかる〉シリーズ よくわかる都市社会学』(ミネルヴァ書房,2013年)/松本康編『都市社会学・入門』(有斐閣アルマ,2014年)/C.W.ミルズ『社会学的想像力』(ちくば学芸文庫,2017年)/R.N.ベラー『心の習慣』(みすず書房,1991年)/A.メルッチ『プレイング・セルフ』(ハーベスト社,2008年)
その他特記事項
■担当教員紹介■
私自身は、都営大山団地を中心とした東京の立川・砂川地域でのプロジェクト型のフィールドワークを長期間行ってきました(一昨年度博士論文を提出したばかりです)。とりわけ、中央大学のゼミの中での他の学生との議論や協業、その後は団地自治会役員の人たちとの地域行事の構想などに1人の担い手として関わる経験をし、地域を基点とした関係を築いてきました。今でも、自治会の人たちは「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)」拡大の状況に応じて、活動を組み替えつつ継承を続けており、私もまたどのような関りが可能かを考え続けています。
この授業では、人間が住み、つくりだす社会をどのように理解していくことができるのかという観点から、都市・地域の社会学と政治学、フィールドワークの方法を学びます。特に、物理的な「フィールド」に簡単には行けなくなった現代において、地域社会を対象とする学問/フィールドワークの方法を、受講生のみなさんとも一緒に考えていければと思っております。また、授業の中ではフィールドワークの実習として、大山団地の自治会が主催する地域行事(運動会・夏まつり・ウォークラリーなど)に、私が参加している教員・学生有志のプロジェクト型フィールドワーク(「立川プロジェクト」)との交流を含めて参加してもらえればと思っています。
様々な方の授業への参加を歓迎します!
連絡先:aotani341@g.chuo-u.ac.jp
■授業の工夫■
この科目では、事前学習や授業内でのディスカッション、フィールドワーク調査の準備等を通じて、受講生の皆さんの自主的な学びをサポートしていきます。