シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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基礎演習1 | 2024 | 春学期 | 火2 | 法学部 | 昼神 洋史 | ヒルガミ ヒロシ | 2年次のみ | 2 |
科目ナンバー
JU-BS2-001S
履修条件・関連科目等
明治時代以降の歴史的な動向について、ナショナリズムの観点から、自分なりの"ストーリー"を描いておいてください。また、ナショナリズムを考える際にどのような視点が必要かということを常に意識しておいて下さい。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
ナショナリズムは"間欠泉"です。常日頃はどこかに姿を隠していて、探そうとしても見つからない。それでいて、何かの拍子に体の奥深くから”フツフツ”と噴き出してきます。ナショナリズムは、私たちを"陶酔感"で包んでくれます。その陶酔感が、日常生活の中では経験できない一体感を、私たちに与えてくれます。ナショナリズムは、"はしか(麻疹)"です。ひとたび流行り出すと、瞬く間に人から人へと伝染していき、なかなか治りません。ナショナリズムは"劇薬"でもあります。それを飲むと、自分たちの文化や精神の固有性についての感覚がムクムクと湧き上がり、異質なものに対する寛容さが失われます。そして、ナショナリズムは理屈や論理よりも"感情・情緒"を好む習性があります。とくに、政治の空間では、その習性が我が物顔で闊歩します。
これらのことが、「なぜ」「どのようにして」起こるのかについて、様々な観点から考察を加えてみたいと思います。
科目目的
この科目は、ナショナリズムについて幅広い観点から考察を加えることを通じて、「学位授与の方針」で示されている「自立した地球市民として必要な批判的・創造的考え方ができる」能力を修得することを目的としています。
到達目標
明治時代以降、現在に至るまでの日本のナショナリズムの特質を考察することを通じて、皆さんが国際社会における日本の役割や課題、日本の将来的な国家像を構想できるようになることを到達目標とします。
授業計画と内容
《春期》
第1回 授業のグランドデザイン
第2回 ナショナリズムの理論(1):ゲルナーの理論を中心に
第3回 ナショナリズムの理論(2):アンダーソンの理論を中心に
第4回 明治期のナショナリズム(1):明治憲法体制の特質
第5回 明治期のナショナリズム(2):明治政府による「国民」の創出
第6回 大正期のナショナリズム
第7回 昭和期のナショナリズム(1):ウルトラナショナリズムの成立
第8回 昭和期のナショナリズム(2):明治期のナショナリズムとの異同
第9回 靖国問題と歴史認識
第10回 現代日本の保守化(1):政治的対立軸の変遷
第11回 現代日本の保守化(2):国民の意識構造の変化
第12回 ナショナリズムのパラドクス(1):「国」と「国家」のちがい
第13回 ナショナリズムのパラドクス(2):愛国心の二面性
第14回 まとめ:ナショナリズムと考える視点
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
以下の諸文献に目を通しておいて下さい。
・清水幾太郎『愛国心』(ちくま学芸文庫)
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 60 | ナショナリズムを考察する際の視点や明治期以降の日本のナショナリズムの特徴について、基本的な知識を習得できたかどうかを確認します。 |
平常点 | 40 | 授業への参加、貢献度、受講態度(意見表明など)の状況を基準とします。 |
成績評価の方法・基準(備考)
★「レポート」について
学期末に1回、提出してもらいます。課題は、提出期限の1か月ほど前にアナウンスします。
★評価の前提条件について
・出席回数が10回を下回る場合は、原則として単位認定の対象とはなりません。
・レポートを提出しなかった場合は、単位認定の対象とはなりません。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/プレゼンテーション
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
★授業で使用するテキスト
・将基面貴巳『愛国の教科書』(百万年書房、2019年)
★自学用の参考文献
・佐伯啓思『日本の愛国心』(中公文庫、2015年)
・香山リカ『がちナショナリズム』(ちくま新書、、2015年)
その他特記事項
・明治以降の日本の国家像やナショナリズムについて、自分なりの見解をまとめておいてください。
・連絡の必要がある場合は、下記のアドレスにメールしてください。
beard-h@jcom.zaq.ne.jp