シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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基礎演習1 | 2024 | 春学期 | 水5 | 法学部 | 山田 博雄 | ヤマダ ヒロオ | 2年次のみ | 2 |
科目ナンバー
JU-BS2-001S
履修条件・関連科目等
特にありません。ただ歴史Ⅰ・政治史Ⅰなどを学修しているほうがいいとはいえるでしょう。哲学や思想、文学や歴史など、人間が知っていること(科学)、信じてきたこと(宗教)、感じてきたこと(文学)、要するに人間の知的活動について、大学での勉学の機会を得たのだから大いに勉強しようという人、知的好奇心に富む人の受講を期待しています。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
戦後日本の出発点が何であったか、どんな代償を払って何を手に入れたのか、手に入れたものの価値は普遍的なのか、私たちにとってどういう意味をもつのかなど、今現在に直接かかわる欠かせない考え方を学びます。
学ぶ軸として、春学期は日本国憲法について書かれた一冊の書物を読み、受講生諸氏とさまざまな角度から話し合っていくことにします。ただし、憲法にかんする専門の学術書でなく、作家の文章を読みます。とりつき易くて内容の充実した平易な語り口の本です。
科目目的
21世紀をいかに生き延びるか。それを考えていくのが目的です。いま、たとえば「気候変動」という世界共通の問題があり、他方で「少子高齢化」という、ことに日本で甚だしい問題があります。いかに解決すべきか、解決できるのか、を迫られる課題が目に見える形で現れてきています。
そのことと、上記概要で述べた、戦後日本の出発点にあった価値観とをつないで、私たちは一体何を望み、何でありたいのか。それを一緒に考えていくことにします。そして自分なりにある程度、世界に対する展望を見出せるようになるのが、到達目標です。
到達目標
日本人の考え方、行動の仕方について書かれた書物を、ある程度正確に読めるようになり、世界の国々との若干の比較を通して、日本文化を相対化できるようになること。書物との対話を通して現在のわたしたちの置かれている状況を客観的に分析できるようになること、そして自ら考え行動できるようになること。
授業計画と内容
・第1回 ガイダンスと若干の予備的学習
・第2回 憲法を生きて/読物としての新憲法/私家版憲法読本
・第3回 これからだ 日本国憲法を読もう/エッセイの題材
・第4回 いちばん偉いのはどれか/憲法の三原理
・第5回 軍隊は国民を守ってくれない/世界の真実と中村哲さんのこと
・第6回 あんな時代に戻りたいのか/絶対平和とはなにか
・第7回 自分にとって大切な友を、けっして裏切ってはならない
・第8回 憲法の誕生
・第9回 大日本帝国憲法ができるまで
・第10回 戦争から敗戦まで
・第11回 日本国憲法ができるまで
・第12回 中野好夫『私の憲法勉強』を読む
・第13回 『「戦争と知識人」を読む』を読む
・第14回 総括・まとめ:戦後文化の創造性について
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
演習は「思考のレッスン」の場です。当然、試行錯誤の連続になるでしょう。間違いを恐れずにのびのびと学ぶ機会にできればいいと思います。一方で、注意深い観察、経験からいかに思考を導き出すか、――つまりそれが「思想」というものです――を楽しく考えていきましょう。もちろんある程度の知識は必要です。予習の段階で、テキストの下読みと疑問点の提出、そしてできれば関連書にあたってみることを望みたいと思います。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 50 | 毎回の授業で学んだこと、および課題図書を読み、理解した内容の正確な理解、またそれを文章によってできるかぎり正確に客観的に表現できるか確認します。 |
平常点 | 50 | 演習ですから、もちろん、まずは出席することが必須です。そこで受講生や教師と、あれこれ話しあうことを重視します。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
テキスト
『井上ひさしの憲法指南』岩波現代文庫、2021年
その他特記事項
「思想」などというと、ひどく難しいものと思っている人がいるかもしれません。ですが、ここでは、ごく大ざっぱにいえば、日常生活の当たり前の暮らしのなかで考える行為が哲学であり、思想であるという立場をとります。
それならば誰にでもあるはずでしょう(?)。自分の生きている現場で考える、意識化する、そして注意深くものごとを見られるようになることを期待しています。もう一つ大事なのは、「問い」です。自らの発する問いが、学問の出発点ですから。