シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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基礎演習1 | 2024 | 春学期 | 金2 | 法学部 | 川久保 文紀 | カワクボ フミノリ | 2年次のみ | 2 |
科目ナンバー
JU-BS2-001S
履修条件・関連科目等
政治学関連科目(政治学、国際学、平和学、国際政治学、地域研究など)を積極的に履修してください。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
近年、「地政学」と題した書物が巷にあふれている。かつて地政学は「戦争の道具」ともいわれ、戦後日本におけるアカデミズムでは忌避される傾向が強かった。なぜいま地政学なのだろうか。人間が暮らす世界としての地理と政治を考察する「新しい」地政学は、複雑化する空間と政治の結びつきを読み解く,ローカルからグローバルまでのスケールを横断しながら考察する学問領域へと変貌しつつある。それは、「国家」のみならず、われわれをとりまく現代社会について、「空間」から、「人々」から、「境界」から、「私達は何におびえ、どう乗り越えるのか」を問う学問である(『現代地政学事典』「まえがき」)。こうした視点にたてば、われわれが、「古い」地政学の基盤にあった国家中心主義を乗り越え、貧困、難民、環境、ジェンダーなどの地球的問題群をマルチスケールかつ多様なアクターの視座から分析する「新しい」地政学を学ぶ意義は大きい。
科目目的
2年次の基礎演習は、1年次の導入科目と3年次への専門科目を架橋する重要な位置づけをもっています。大学生としての基本的な素養である「読む・書く・議論する・発表する」というアカデミック・リテラシーを体得して欲しいと思います。
到達目標
・地球社会で生起する諸問題をを主体的に学ぶ姿勢を身につける。
・他者との共生や異文化理解に役立つ能力を習得する。
・異なる空間や時間で生起する諸問題が、根底の部分ではリンクしていることを認識できる能力を身につける。
授業計画と内容
1.イントロダクションー自己紹介と本演習の目的・内容
2.地政学とは何か―起源と展開
3.地政学とは何か―始祖たち
4.いまなぜ地政学かー欧米
5.いまなぜ地政学かーアジア
6.いまなぜ地政学かー日本
7.政治地理学の展開ー政治と空間
8.政治地理学の展開ー場所とスケール
9.批判地政学とは何かー歴史
10.批判地政学とな何かー理論
11.境界地政学の展開
12.環境地政学の展開
13.ジェンダーの地政学
14.総括
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
・新聞・ニュース等の国際関係に関する動向について、積極的な関心をもっておくこと。
・演習前にテキストの該当箇所について、報告者以外もノートやレジュメ等を作成し、十分に予習をしておくこと。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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平常点 | 100 | 提出物を含めた平常点で評価する。出席が8割に満たない場合は単位を付与しない。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/グループワーク/プレゼンテーション
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
指示するまで購入しないでください。
【テキスト】
・川久保文紀『国境産業複合体ーアメリカと「国境の壁」をめぐるボーダースタディーズ』青土社、2023年
・クラウス・ドッズ(町田敦夫訳)『新しい国境 新しい地政学』東洋経済新報社、2021年
・アレクサンダー・C.ディーナー , ジョシュア・ヘーガン , (川久保 文紀訳)『境界から世界を見る―ボーダースタディーズ入門』岩波書店、2015年。
【参考文献】
・現代地政学事典編集集員会編(高木彰彦、山崎孝史、岩下明裕、古川浩司、香川雄一、川久保文紀、北川眞也)『現代地政学事典』丸善出版、2020年。
・庄司純一郎・石津朋之編『地政学原論』日本経済新聞出版、2020年。
・岩下明裕『入門 国境学―領土、主権、イデオロギー』中公新書、2016年。
・NPO法人国境地域研究センター「ブックレットシリーズ」
・月刊『地理』特集:地政学を織る 2018年3月号。
・『現代思想』特集:いまなぜ地政学か 2017年9月号。
その他特記事項
■授業の工夫■
・ゼミの冒頭において、「今週の国際関係の動き」と題して、割り当てを決めて、国際関係の時事問題に関する簡単な報告を行ってもらいます。