シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
専門演習A2 | 2024 | 秋学期 | 水3 | 法学部 | 原田 剛 | ハラダ ツヨシ | 3年次配当 | 2 |
科目ナンバー
JU-OL3-016S
履修条件・関連科目等
民法総則、物権、債権総論、債権各論を履修したか、または履修していることが望ま
しいです。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
前期に引き続き、財産法の重要判例と事例分析を中心とし、法解釈と事例分析の理解を踏まえ、答案の作成能力がさらに進化することを目的とします。
後期(第15 回から28 回)は、物権総論と債権各論の分野に関する重要判例を採り上げるとともに、事例分析では、予備試験問題および論文試験問題を題材とします。
科目目的
民法は体系的に財産法と家族法に分けられますが、本演習では、財産法を中心とし、物権総論および債権各論のなかから基本的な問題や論点、それに関連した判例を取り上げ、財産法の基本構造を確認し、法解釈の創造の一端について理解を深めます。それと同時に、要件およびその解釈によって得られた規範をよりどころとし、信頼のできる機関によって作成された事例問題を題材として事例分析の訓練も行ないます。
以上によって判例法理と事例を分析検討することを通して、判例の理解を深めると同時に、論理力、分析力を養いつつ、最終的に文章表現に結実することを目的とします。
また、前期と同様、2020 年4月1日施行の民法(債権法)改正の内容を重視し、その内容の理解を深められるようにします。
到達目標
履修生の皆さんが、判例分析を通じて判例法理を理解できるようになります。
履修生の皆さんが、事例分析を通じて、判例や学説を踏まえた答案作成、レポート作成ができるようになります。
履修生の皆さんが、ゼミ生同士が相互に担当者の報告を分析し理解が深めることができるようになります。
授業計画と内容
第15 回 契約(売買)による物権変動、所有権の移転時期
第16 回 相続による物権変動ーー共同相続、相続放棄、遺産分割
第17回 時効による物権変動
第18回 177条の第三者ーー悪意の第三者、背信的悪意者の具体例(判例分析)など
第19回 動産の即時取得ーー公信の原則
事例分析ーー平成27年度論文式試験問題(民事系第1問)
第20回 事例分析ーー令和3年度論文式試験問題(民事系科目第1問)
第21回 契約締結交渉の破棄、契約締結過程における説明義務ーー判例分析を中心として
第22 回 債務不履行による契約解除、対価危険(危険負担)
第23 回 事例分析--平成30年度論文式試験問題(民事系科目第1問)
第24回 他人の権利の売買、売買契約の目的物の契約不適合
第25 回 賃借権の物権化、無断転貸・無断譲渡と信頼関係理論(541条による解除論の理解)
第26回 事例分析ーー平成29年度論文式試験(民事系科目第1問)
第27回 売買と請負における契約不適合責任
第28回 事例分析--令和4年度予備試験問題(参考として平成26年度予備試験問題)
最初に、上記計画にもとづき、各テーマについて、受講生の希望を聞き、これにもとづいて
担当者を決めて報告を受け、理解を深めます。原則として1名ないし2名での担当を予定し
ています。事例問題については、答案例を作成します。
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
ゼミでの報告担当者の方は、授業日前日までに、参考答案、判例開設などのレジュメをmanabaにあげて、報告者以外のゼミ生の事前の予習の用に供せられるようにします。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
---|---|---|
レポート | 40 | 担当した課題の提出(20%)、その内容と報告(20%)で評価します。 |
平常点 | 60 | ゼミへの出席、ゼミでの議論への参加度、により評価します。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/グループワーク/プレゼンテーション
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
テキストは使用せず、検討する判例および事例分析に用いる予備試験および司法試験の論文式試験問題については、授業時に配布します。
参考文献として、以下のものを挙げておきます。
(1)潮見佳男ほか編『民法判例百選Ⅰ(総則・物権)第9版』2023年、有斐閣
(2)窪田充見ほか編『民法判例百選Ⅱ(債権)第」9版』2023年、有斐閣
(3)松本恒雄ほか編『判例プラクティス民法Ⅰ(総則・物権)第2版』2022年、信山社
(4)松本恒雄ほか編『判例プラクティス民法Ⅱ(債権)第2版』2024年、信山社