シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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専門演習A2/専門演習B2 | 2024 | 秋学期 | 火2 | 法学部 | 松井 英樹 | マツイ ヒデキ | 3・4年次配当 | 2 |
科目ナンバー
JU-OL3-016S
履修条件・関連科目等
演習テーマについての理解を深めるためには、民法の財産法分野の諸科目・企業法
概論・企業取引法等の商法系の諸科目を同時に履修するか、すでに履修済みであるこ
とが望ましいです。また、開講前に会社法の入門書について一読しておいて下さい。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
企業の生活関係を規律する法として会社法、商取引法、有価証券法、および金融商品取引法に関する重要論点についての検討および最近の重要な判例についての研究を行います。平成26 年および令和元年の会社法改正により、コーポレートガバナンスをはじめとして、株式会社に関する法制度の在り方が様々に議論されています。また最近では、株式会社企業の組織再編が盛んに実践されており、企業の利害関係者間においてどのような利益調整をすべきかについての社会的な関心も高まっています。企業取引の世界でも、最近行われた債権法および運送法の改正もあり、情報技術の急激な進展により、新たな取引およびその決済手段が登場している現状において、取引の合理性・効率性を測りながら、かつ取引関係者間における実質的な衡平を確保するための法制度の構築及び法運用を検討する必要があります。
そこで、本演習では、会社法および企業取引法の基礎的な考え方を修得するとともに、現在のわが国をはじめとする世界の社会・経済構造の変革を広く視野に入れた上で、新時代の企業組織法・取引法のあるべき姿について探求することができる素養を身につけることを目的としたいと考えています。
春学期は、会社法・商法・有価証券法・金融商品取引法の基本的な制度・論点を具体的な事例を基にしながら検討する予定です。秋学期には、株式会社の機関構造およびコーポレートガバナンス(企業統治)についての検討、企業の資金調達・企業組織の再編に関する判例研究を行う予定です。経済・社会構造の変革が議論される現代社会のなかで、企業取引や組織およびその在り方について強い問題意識を有している熱心な学生の受講を希望します。
科目目的
企業活動に関わる法的諸問題の解決において、多種多様な利害関係者間における公正で適切な利益調整についての価値判断および基本的な法解釈の能力を育成することを科目目的とします。
到達目標
企業法の基本的な思考方法を身につけ、それを基にしながら、それぞれの実務の現場において応用しながら、具体的な問題・紛争を解決処理することができる能力を獲得することを到達目標とします。
授業計画と内容
第15回:取締役の報酬規制
第16回:株式会社役員の対第三者責任制度
第17回:株主代表訴訟制度
第18回:株式会社の資金調達方法の比較検討
第19回:募集株式発行規制
第20回:各種の企業買収手段とその法規制
第21回:敵対的買収からの企業防衛手段とその法規制
第22回:会社の組織再編行為に関する法規制
第23回:企業取引法としての商法の特色・商行為法規整
第24回:有価証券法制の検討
第25回:消費者契約法・特定商取引法上の規制
第26回:金融商品取引法における情報開示規制
第27回:金融商品取引法上の不公正取引規制
第28回:企業統治に関する法規制の在り方に関する総括
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
報告担当者グループ内での議論・検討を踏まえて、共同で報告レジュメを作成すること、プレゼンテーションで想定される質問に備えて、十分な説明ができるように事前に準備することが求められます。
また、報告者以外の参加者も、事前に配信された報告レジュメを熟読し、報告テーマについて一定の理解を得ておくことが学修として要求されます。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 70 | 担当テーマに関する報告レジュメの作成、プレゼンテーション、質問への回答・解説等が適切に実施されているかを評価します。 |
平常点 | 30 | 毎回の授業において必要とされる予習を踏まえ、議論に積極的に参加しているか、適宜、疑問点を提示する等の対応をしているかを評価します。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
PBL(課題解決型学習)/ディスカッション、ディベート/グループワーク/プレゼンテーション
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
manabaのスレッドを利用して、随時、質問を受け付けるとともに、報告レジュメ作成についてのサポート、ゼミの時間内で十分な議論ができなかった点についての補足や情報提供等を行います。
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
テキストとして、各自が講義科目で使用している会社法・商法の教科書を持参・参照
してください。参考書として、伊藤靖史他著『リーガルクエスト会社法第5版』(有斐
閣)、神作裕之他編『会社法判例百選(第4版)』(有斐閣)を指定します。
その他特記事項
企業法の制度には、高度に専門的な領域が数多く含まれています。毎回の授業に臨む
に当たって、受講者はテキストの該当ページを繰り返して読んでおくとともに、そこ
で出てきた専門用語等を理解できるように予め調べておいてください。また、企業組
織や活動に関するニュース、トピックスに日常的に接することで、問題への関心を高
めるといった姿勢で臨むようにしてください。