シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
歴史A1 | 2024 | 春学期 | 火5 | 法学部 | 沖川 伸夫 | オキカワ ノブオ | 1・2年次配当 | 2 |
科目ナンバー
JU-HT1-001L
履修条件・関連科目等
日本の歴史の流れを1つのつながりとして理解するためにも、この講義と合わせて、歴史A2を履修することを望みます。また、日米開戦から占領前期までの歴史は、政治学特講1「1940年代の日本政治をふりかえる」で採り上げますので、こちらも今後履修されることを奨めます。
過去の歴史を知らずに、将来のビジョンを考えることは、地図を持たずに冒険へ出るような行為であり、どの分野に進むにしても、歴史的思考は不可欠です。教員試験・公務員試験・大学院進学・ジャーナリストを目指す学生にかぎらず、少しでも関心のある学生の履修を歓迎します。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
この講義では、日本史を扱います。具体的には、まず歴史学の方法論を踏まえたうえで、原始・古代から近代までの日本史の流れをつかんでいきます。その際、政治を軸にすえつつも、外交・経済・思想・地域・民衆といった複眼的な視角も採り入れ、相互の関連を踏まえながら、因果関係の連鎖をひも解いていきます。
果たして、歴史を学ぶ意義はどこにあるのであろうか?現在をどのように生き、これからをどう生き抜いていくか?いま一度、こうした根本的な問いに立ちかえって、歴史本来の効用を見い出すことが、新型コロナの流行を機に、社会が大きく転換していく現状にあって求められています。そのため、この授業では、「暗記科目としての歴史」という固定観念から脱却し、諸資料に基づきながら、歴史的事実が起きた因果関係や背景を知ることで、歴史的思考を養うことを重視します。まずは、現実を直視し、未来への指針を求めて、これまでの歩みに眼を向けていきましょう。
科目目的
歴史Aは、総合教育科目に位置つけられていることから、法学部の専門科目に取り組む際に求められる日本史の基礎知識を習得することが、この科目の目的といえます。とりわけ、受講生のみなさんがこれから学ぶ法学部の専門科目は、日本史のなかでも日本近現代史と深い係わりがあります。それゆえ、歴史Aで習得した日本近代史の基礎知識は将来、法律学や政治学といった社会科学を学ぶ際に、大いに助けとなり、きっと理解を深める役割を果すと確信します。
到達目標
断片的な知識にとらわれず、まず歴史の流れをつかみ、そのうえで、今日とのつながりや、これから学ぶ法学部の諸学問の成り立ちにも視野を広げ、歴史の流れと重ねあわせて論じられる歴史的思考を養うことが、到達目標です。この講義を通じて、法学部の専門科目を学ぶ際に求められる日本史の基礎知識を習得するとともに、一人ひとりの受講生が歴史に関心をもつきっかけをつかみ、自ら問題を見つけ、解いていく習慣を身につけることで、これからの自分の人生に活かせる歴史との向き合い方、醍醐味を知ってほしい。
授業計画と内容
1.ガイダンス
2.文化の黎明と古代国家の形成
3.律令国家と摂関政治
4.中世社会の成立
5.武家社会の形成と東アジア
6.幕藩体制の成立
7.幕藩体制の展開
8.開国と幕末の動乱
9.明治新政府の諸改革
10.岩倉使節団と「征韓」論争
11.自由民権運動の発展
12.明治十四年の政変と松方財政
13.立憲体制の確立
14.まとめ(原始・古代から近代の流れをふりかえる)
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
予習・復習の際、参考文献を手がかりに、因果関係のつながりを意識して、理解を深めていってください。また、授業後はレジュメや関連資料を再度読み解き、自分自身ちゃんと理解しているか、身についているか、その都度、復習することを心がけましょう。
また、少しでも理解できない部分があった場合は、必ず質問してください。もし、分からないまま放置すると、次の展開が雪だるま式に分からなくなります。結局、因果関係の連鎖が見えなくなり、歴史の流れをつかむことが出来なくなりますので、遠慮せずに聞いてください。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
---|---|---|
期末試験(到達度確認) | 70 | この講義の内容を理解し、さまざまな要因を踏まえたうえで、因果関係のつながりが適確に記述されているかどうかを基準に評価します。 |
平常点 | 30 | 随時、リアクション・ペーパーの提出を求め、その内容から、受講生が歴史的思考力を身につけているのか、優劣をチェックします。 |
成績評価の方法・基準(備考)
上記の期末試験とリアクション・ペーパーの内容を総合的に判断し、履修者の一人ひとりの成績を最終的に判定します。特に、期末試験では、個々の歴史的事実を年表式に羅列してしながら説明するのではなく、日本史の流れや因果関係のつながりをしっかり踏まえて論述できることを、受講生のみなさんに求めます。
評価の前提条件:期末試験を受けていない者や、リアクション・ペーパーを全ての回で未提出の者は、単位を取得できません。
課題や試験のフィードバック方法
その他
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
授業内で特段フィードバックの時間を設けないが、リアクション・ペーパーを確認しながら、授業内容の理解が進むよう工夫する。また、期末試験については、試験講評を後日発表する。
アクティブ・ラーニングの実施内容
PBL(課題解決型学習)
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
必要に応じ、受講生の自主学習支援として、授業内容と重なる過去の授業動画をアップし、配信します。また、関連映像の視聴が授業時間内で終わらなかった場合、授業後に映像をmanabaにアップし、コースニュースを通して配信することもあります。
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
〔テキスト〕
特定のテキストは、使用しない。毎回の講義で、レジュメと関連資料を配布し、それらをもとに進めます。ただし、前近代の講義では、関連資料として、下記の『山川 詳説日本史図録(第10版)』を使用します。
〔参考文献〕
1.佐藤信ほか編『詳説日本史研究』山川出版社、2017年
2.詳説日本史図録編集委員会編『山川 詳説日本史図録(第10版)』山川出版社、2023年
3.田中彰『日本の歴史7 明治維新』岩波書店、2000年
4.鳥海靖『もういちど読む山川日本近代史』山川出版社、2013年
5.宮地正人監修、大日方純夫・山田朗・山田敬男・吉田裕『増補改訂版 日本近現代史を読む』
新日本出版社、2019年
このほか、詳しくは最初の講義のときに説明します。
その他特記事項
■授業の工夫■ この科目は講義中心なので、授業時間内に随時リアクション・ペーパーへの記入を受講生に求めます。このリアクション・ペーパーの内容をチェックしながら、日ごろの受講生の反応や理解度を確認します。そこで得られた傾向を1つの参考にしながら、授業の改善を図っていきたいと考えています。 また、可能なかぎり、歴史的映像を視聴する機会を設け、講義の理解をさらに深める工夫に努めます。
講義は1つの出会いであり、その後の人生を変えるターニング・ポイントになるかもしれません。積極的に学ぶ意欲を失うことなく、分からない点・知りたいことが浮かんだら、担当者に遠慮なく聞いてください。