シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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技術史2 | 2024 | 秋学期 | 月3 | 法学部 | 高橋 智子 | タカハシ トモコ | 1・2年次配当 | 2 |
科目ナンバー
JU-OS1-006L
履修条件・関連科目等
春学期・秋学期は独立した内容になっている。技術そのものについては、一般常識程度の知識を前提にしている。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
ここでは日本における近代科学・技術の歴史を辿る。西欧とは異なり近代科学・技術の導入によって近代化を果たしてきた日本社会における技術のあり方を検討する。具体的には、江戸時代後期の蘭学の時代から、明治政府の下での富国強兵・殖産興業政策下での技術導入、さらに日清・日露戦争のなかでの日本的産業革命の進行、第1次世界大戦以降の日本人の手になる「発明品」の数々、国内で基礎研究からはじめて国際的なレベルの技術開発を目指した理化学研究所の設立など、日本の技術開発の過程を検討する。
科目目的
日本の近代化の過程と技術導入との関係を理解すること。明治時代から第二次世界大戦に至るまでの日本は、帝国主義国家として技術を育成してきたことを確認すること。
到達目標
技術と社会の関係を見通し、これからの技術について、自分なりの評価をするための視座を獲得すること。
授業計画と内容
1 ガイダンス 授業計画、評価方法、授業目的ーモノとしての技術を見る眼
第一部 近代科学・技術の出発
2 蘭学塾に集った人々
3 江戸幕府による情報独占と軍事利用
第二部 富国強兵・殖産興業政策下の技術
4 岩倉米欧使節団が見た西欧世界
5 工部省の人材養成
6 発明の奨励
第三部 日本の「近代化遺産」
7 軍需工業として出発した機械工場群
8 たたら製鉄から近代製鉄技術へ
9 稼ぎ頭だった製糸業と紡績業
10 エネルギー資源の開発とエネルギー技術
第四部 技術と社会
11 技術と環境―足尾鉱毒事件
12 技術と戦争ー日本軍事技術史
13 技術と平和ー都市計画とインフラ整備技術
14 まとめ
授業時間外の学修の内容
授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
生産の現場に触れる機会は少ないですが、科学技術に関する博物館や資料館に足を運んだり、日本近代化遺産を訪ねるなど、直に技術に触れてください。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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期末試験(到達度確認) | 70 | 授業内容の確認。 |
平常点 | 30 | 授業毎にリアクションペーパーを提出。小テストによる確認。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
テキストは指定しない。授業中に参考文献、映像資料を適宜紹介する。
その他特記事項
授業の工夫 「これからの技術の在り方を考えるためにこれまでの技術の在り方を検討する」という視点から、manabaを使って情報提供を行います。物質体系としての技術は、文字情報からは理解が難しいので、できる限り図版や映像情報を用いる予定です。また受講生間の意見交流ができるようにします。現代は「歴史の転換点」にあると指摘されることがあります。現代の科学技術は、ヒロシマ原爆をはるかに超える破壊力をもつ兵器を登場させ、さらに専門家の頭脳労働までも機械に置き換え、DNAを編集することで生命情報さえコントロールできる可能性をもっています。21世紀を生きる皆さんは、どんな科学技術が欲しいですか。