シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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法曹演習 | 2024 | 秋学期 | 金6 | 法学部 | 堀之内 和英 | ホリノウチ カズヒデ | 1年次のみ | 2 |
科目ナンバー
JU-LA1-003S
履修条件・関連科目等
1年次に配置された学部の主要な講義を積極的に受講していることが望ましいです。
演習終講時までに、憲法・民法・刑法の基本的な教科書を読了する意欲があると、なお望ましいです。
ロースクール進学希望者や法曹志望者に限らず、基礎学力の確立と実践的な法解釈力の習得を目指す学生の履修を予定しています。
本演習で取扱う課題の背景をより深く理解する上で、憲法については政治学や社会学、民法については要件事実論や民事訴訟法、刑法については刑事訴訟法や刑事政策及び犯罪学といった関連科目にも興味を持って学習を広げていくことが有用だと考えています。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
本演習では、法律学習の基礎となる憲法・民法・刑法の基本3法を集中して学習することで、2年次以降に配置された、より専門的な学習にも十分耐え得る基礎学力と応用能力を身につけて欲しいと考えています。
そのため、本演習では、難解な問題や専門的知識が必要な問題を扱うことは避け、これまでの学部授業の復習と基本事項の確認に重点を置いています。
法曹実務家はもちろん、将来、ゼミ員の皆さんが様々な分野で活躍する上で、法律を「使いこなす」能力と技術は必要不可欠です。本演習では、講師の実務経験を参考にして、法律を、単なる「座学」の対象から「実学」のツールとして捉えることができるようになって欲しいと考えています。
科目目的
憲法・民法・刑法の基本的な思考過程、条文・体系構造をマスターすることを通じて、具体的な事案について解決の糸口を探ることができる能力の習得を目的とします。
到達目標
学部講義や教科書から身につけた知識を「使いこなす」能力と技術の習得が到達目標と考えています。
授業計画と内容
憲法(4回)
1)人権①(憲法的発想を使って現代的な社会問題を考える;基本編)
2)人権②(憲法的発想を使って現代的な社会問題を考える;応用編)
3)統治①(三権分立に関する基本事項を立体的に考える)
4)統治②(比較法的視点から日本の統治システムを考える)
民法(5回)
1)導入編①(民法を通じて人と人との関わり合いを見直してみよう)
2)導入編②(基本問題を通じて法的三段論法や要件事実論をマスターしよう)
3)契約①(身近な事例を通じて契約を考える;基本編)
4)契約②(身近な事例を通じて契約を考える;応用編)
5)総合(民事訴訟法を通じて民法が実現されるプロセスを体験しよう)
刑法(4回)
1)総論①(実際の事件を通じて総論的思考を学ぶ;実行行為〜故意編)
2)総論②(実際の事件を通じて総論的思考を学ぶ;違法性〜共犯編)
3)各論①(実際の事件を通じて各論の諸問題を学ぶ)
4)各論②(実際の事件を通じて刑事裁判や少年審判の流れを学ぶ)
総合(1回)
ディベートまたはプレゼンテーション
身につけた法的発想(リーガルマインド)を使って各自の思いを発信しよう
実際の演習の進行は、原則として、1週毎に憲法・民法・刑法の順で実施します。
また、学事暦等との関係で、上記のスケジュールを修正して進行することもあります。
授業時間外の学修の内容
その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
各自が文献を調査するなどして課題を事前に検討し、演習の2日前までにレポート(A4版2〜4枚程度 書式自由)を「manaba」(全学授業支援システム)を利用して講師に提出してもらいます。
演習当日は、ゼミ員同士が自由に議論をしながら、各自のレポートをもとに講師がアドバイスを行います。
演習終了時、レジュメ(A4版2枚程度)を「manaba」経由で配布するほか、講師が「manaba」の掲示板を通じてフォローアップを行いますので、演習での議論を踏まえて、各自がさらに問題意識を深めることを期待します。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 40 | 演習実施2日前までにレポートを提出してもらいます。レポート作成は予習のため(問題意識の発見)ですので、レポートの評価では、クオリティよりも期限までに提出したかを重視します。 |
平常点 | 50 | 演習に積極的に参加したかを重視します。自分の考えたことや疑問について、遠慮なく発言してください。 |
その他 | 10 | 演習後の「manaba」を通じたフォロー等を利用して、予習時に各自が発見した問題意識や演習により生じた疑問点につき、積極的に解決を図ったかを考慮します。 |
成績評価の方法・基準(備考)
病欠や課外活動等の正当な理由なく、レポート提出率・出席率のいずれかが60%に満たないときはE判定となります。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
PBL(課題解決型学習)/ディスカッション、ディベート/プレゼンテーション/実習、フィールドワーク
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
タブレット端末
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
略歴
平成3年3月 中央大学法学部法律学科卒業
平成16年11月 司法試験合格
平成18年10月 弁護士登録(神奈川県弁護士会)
平成21年1月 勤務弁護士を経て独立(現在に至る)
自己紹介
一般民事事件(不動産関連・商事事件等)、家事事件(相続・離婚・後見等)のほか、刑事・少年事件も積極的に取り扱っています。また、弁護士会では被害者支援委員会に所属し、犯罪の被害に遭われた方のサポートにも力を入れております。
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
本演習で扱う課題は、各科目の基本事項に関するもので、民法及び刑法については、訴訟などで講師が実際に担当した事案、憲法については、マスコミで報道されたトピックな事案を、それぞれ素材にした事例問題が中心です。
講師が担当する裁判(主に刑事事件)を傍聴してもらい、その様子についてディスカッションすることも予定しています(講師の職務上の守秘義務に配慮して行います)。
テキスト・参考文献等
テキスト 特に指定しません。六法全書は必携です。
参考文献 各自が使用している教科書・判例集
その他特記事項
本演習で取り扱うテーマは、教科書事例とは異なり正解や模範解答があるわけではありません。毎回、自分の頭で考え悩みつつも楽しみながら課題を検討し、問題意識を持って演習に参加してください。
本演習では、少人数制のメリットを活かし、ゼミ員の自主性を尊重します。そのため、各ゼミ員が積極的に議論に参加する姿勢が望まれます。人前で発言することは勇気のいることだと思いますが、自分の考えをまとめ、論理的に話す練習をすることは法律科目の学習においてはとても重要なことです。また、他のゼミ員の意見に触れることで、新しい視点を得ることができます。
本演習では、各ゼミ員が互いに切磋琢磨しあって学習効果を高めるとともに、よきライバルや学習仲間を得る機会を提供できればよいと考えています。