シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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法情報調査 | 2024 | 春学期 | 火5 | 法学部 | 岩隈 道洋 | イワクマ ミチヒロ | 2・3年次配当 | 2 |
科目ナンバー
JU-NF2-001P
履修条件・関連科目等
①法に関する情報や文書を「使いこなしたい」という意欲
②キーボードとマウスによるPC操作のスキル(但し、この授業で身につけたいという希望がある場合、開講時に申告して頂ければ歓迎する)
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
法情報調査と聞いて、「この科目は何だろう?」と思った人もいるかと思います。既に各種の実定法科目の授業で六法や判例百選を使っている人にとっては「今更調査の科目なんて興味ないよ」という人もいるかもしれません。しかし、六法や判例集が我々に提供しているメッセージを十分に活用している学生さんは、実は非常に少ないというのが私の実感です。この法情報調査の授業では、六法や判例集などの本格的な使い方から始まって、法情報専門のデータベースや全国の図書館の人的ネットワークの活用法など、法に関する情報の幅広い、効率的な収集方法を身に附けてもらおうと思っています。また、調査の結果を実務的なメモランダムや報告書、あるいはゼミで使用する報告書や評釈として、自力で纏め上げる方法も習得してもらいたいと考えています。方法論(スキルの伝達)の授業となりますので、参加(出席)していただけないと困るのですが、実際にデータベースを検索したり、図書館を歩いたりと、授業内でも手や足を動かすことが多く、今までの受講生も楽しんで参加していたようです。今年度も積極的な受講生を待っています。
科目目的
①法情報の体系(「法学」等で学習した法源論)の再確認と深化
②法情報を入手するための資料やツールの利用法の習得
③法学部生に相応しい図書館の利用法
④収集した資料を法学的に読解・分析するセンス
到達目標
1、法令の検索をアナログ資料(主に六法)およびデジタル資料(総務省法令データ提供システム、国会図書館日本法令索引、商用データベースなど)で的確に行えるようになる。
2、判例の検索をアナログ資料(民刑集、判時、判タなど)およびデジタル資料(裁判所WEB、商用データベースなど)で的確に行えるようにする。
3、法学文献(二次資料)の検索を書誌・DBで的確に行えるようにする。
4、[1、2、3]を実践するために必要な実定法および法源論の知識を獲得させる。
授業計画と内容
1.この授業で扱う法情報とは何か? (概説・ガイダンス)
2.法源論とリーガル・リサーチ (理論)
3.法令のリサーチ(1)六法を再点検 (課題解決型の学習)
4.法令のリサーチ(2)六法のでき方 (課題解決型の学習)
5.法令のリサーチ(3)六法でこんなこともできる(課題解決型の学習)
6.立法資料のリサーチ(1)官報・議会関係資料 (課題解決型の学習)
7.立法資料のリサーチ(2)法案所管官庁の資料・e-gov法令検索 (課題解決型の学習)
8.判例のリサーチ(1)判例集の使い方 (課題解決型の学習)
9.判例のリサーチ(2)判例データベースを使う (課題解決型の学習)
10.判例のリサーチ(3)判決原文を読んでみる (課題解決型の学習)
11.判例のリサーチ(4)判例評釈を読んでみる (課題解決型の学習)
12.二次資料のリサーチ(1)「判例百選」は「判例」じゃない!? (課題解決型の学習)
13.二次資料のリサーチ(2)書誌データベース・レファレンスサービスを使う (課題解決型の学習)
14.判例評釈の書き方 (課題解決型の学習)
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
■準備学習について■
日頃の法解釈科目の受講の際に、六法や判例集、DBなど、法の一次情報源を面倒くさがらず参照する習慣をつけると、本調査科目で提供されるスキルを効果的に吸収することができます。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 60 | 判例評釈を作成するが、下記の各項目に20%ずつ配点する。 ・授業で示したスキルが明瞭に用いられていること。 ・「公正な引用慣行」に即した文献の引用が付されていること。 ・論評の立場が明確であること。 |
平常点 | 40 | 各回ごとの課題の達成度の合計が、全体の40%となるように配点する。項目は下記の通り。 ・対象法情報の性質がわかり、正確に調査できる。 ・調査した法情報を的確に読み解くことができる。 ・法情報に基づいた推論ができる。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
PBL(課題解決型学習)/実習、フィールドワーク
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
PCを前提としたデータベースの検索実習のウェイトが高い。
タブレット端末やスマートフォンでの実習も不可能ではないが、PCの利用が望ましい。
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
LexisNexis JapanおよびWestlaw Japan において、法情報データベースの営業・講習業務や、搭載データ(判例・法令)に関する調査・キーワード抽出等の作業に従事した。また、法律事務所や大学(法学部・法科大学院)図書館への法情報データベース利用に関するニーズ調査なども行っていた。
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
法情報調査のツール中、有料データベースの活用に係る部分につき、当該データベースのインターフェイスやデータ構造のみならず、データの生成過程や、サービスに対する法律家顧客ニーズに関する知見も活かしつつ、単なるデータベース検索実習だけでなく、法情報サービスのマーケットや、初歩利用者のつまずきやすいところも意識しつつ授業を総合的に展開できる。
テキスト・参考文献等
<テキスト>
ローライブラリアン研究会編『法情報の調べ方入門(第2版)』日本図書館協会(2022)
<準テキスト>
いしかわ・村井・藤井『リーガル・リサーチ(第5版)』日本評論社
吉田利宏『法律を読む技術・学ぶ技術(改訂第3版)』ダイヤモンド社
<参考文献>
いしかわ・吉田『法令読解心得帖』日本評論社
吉田利宏『ビジネスマンのための法令体質改善ブック』第一法規
リーガルリサーチ研究会『実践判例検索』第一法規
指宿信『法情報学の世界』第一法規
ヴォロック(指宿訳)『リーガル・ライティング』日本評論社
<参考DVD>
法律図書館連絡会編『わかりやすい法情報の調べ方』商事法務
その他特記事項
図書館(大学・学外とも)を活用してもらう課題を出すことがあります。