シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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英米法概論1-1(英米法)/英米法概論 | 2024 | 秋学期 | 月3 | 法学部 | 阿部 純子 | アベ ジュンコ | 2・3年次配当 | 2 |
科目ナンバー
JU-AA2-001L
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
英米法(common law)とは、中世イギリスの裁判所の営為において次第に形成され、受け継がれてきた判例法を中核とする法体系を指します。英米法に対する法体系としては、大陸法(civil law)があります。他のヨーロッパ諸国においては、中世ローマ法学者の研究成果が法典の形で近代に受け継がれました。ローマ法の継受という共通点に着目し、この法体系を総称してcivil law(ローマ市民法の意)と称されるものです。この分類において、主な対照点として、英米法が判例法を重視するのに対し、大陸法が制定法を重視する点などがあります。
上記の分類において、日本法は、ドイツ法を経由してローマ法を継受しているため大陸法に属すると一般的に整理されます。今日では、英米社会を支配する法である「英米法」に触れる機会が増えていると思います。日本の法学教育において「大陸法」的思考に馴染んだ場合、英米法の法現象が奇異なものに映るかもしれませんが、これは、その母体であるイギリス法とローマ法の違いから説明できるものが多くあります。
この授業の目的は、「英米法」と総称される法体系の基本的な特徴を学ぶことです。上記のとおり、英米法の理解において、大陸法との比較的観点を取り入れることは有意味と考えられます。
そこでこの授業の前半で、大陸法体系の「制定法主義」と好対照をなす英米法の「判例法主義」について学びます。後半では、イギリス法の形成過程をたどりながら、英米法に特有の「コモンローとエクイティ」という二元的法体系を中心に、陪審裁判制度、法の支配などについて学びます。
科目目的
英米法の特徴について学ぶこと(特に、判例法主義と先例拘束性の原理、コモンローとエクイティという二元的判例法体系)。
到達目標
英米法の特徴について理解すること。
授業計画と内容
1.導入(西洋法の継受など)
2.法族論:ヨーロッパ大陸法
3.判例法主義(前半)
4.判例法主義(後半)
5.先例拘束性の原理(前半)
6.先例拘束性の原理(後半)
7.イギリスの封建制度
8.司法権の中央集権化
9.コモンロー裁判所間の管轄権争い
10.エクイティの誕生
11.エクイティの発展
12.陪審裁判制度
13.アメリカ合衆国の連邦制度
14.まとめ(英米法を学ぶ意義とは)
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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期末試験(到達度確認) | 100 | 判例法主義や先例拘束性の原理など、英米法の特徴(制度を含む)を中心に出題します。これらの特徴について適切に理解し、記述できていること等を評価します。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
その他
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
メールにて行う。
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
【テキスト】戒能通弘・竹村和也『イギリス法入門―歴史、社会、法思想から見る』(法律文化社、2018年)、樋口範雄『はじめてのアメリカ法(補訂版)』(有斐閣、2013年)
【参考文献】田中英夫『英米法総論(上・下)』(東京大学出版会、1980年)など