シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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外国法概論1A-1 | 2024 | 秋学期 | 火4 | 法学部 | 川又 伸彦 | カワマタ ノブヒコ | 2・3年次配当 | 2 |
科目ナンバー
JU-NF2-006L
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語/ドイツ語
授業で使用する言語(その他の言語)
講義は日本語で行う。ただ、基本的な概念を指すドイツ語などは紹介するため、ドイツ語も使用言語として挙げてある。
授業の概要
ドイツ公法について、日本語で講義する。明治以降、たとえば大日本帝国憲法がドイツ・プロイセン憲法をモデルに制定されたように、ドイツ法理論は、日本に影響を与えてきている。
このことを踏まえて、この講義では、おもに憲法に焦点を当て、歴史的な形成から、今日の理論までを概説する。近年、ドイツの人権論、とくにいわゆる三段階審査論などは知られるようになっているので、これについても、「本家の理論」を解説する。また、ドイツの統治機構についても基本を概説する。さらに、今日のドイツ法は、EU法との関係も重要になっているので、これについても取り上げる。
なお、理解を深めるため、折に触れて、ドイツ法の背景にあるドイツ文化についても触れられればと思っている。
科目目的
日本の公法学に、ドイツ公法学は、明治以降今日まで、影響を及ぼしているといえる。そこで、日本の理論を理解するための一つの補助として、ドイツ法の理解が貢献しうるようにすることが、一つの目的である。逆に、ドイツ法を通して日本法をみることで、より俯瞰的なものの見方を身につけることも目的である。
さらに、ドイツ法は、いうまでもなくドイツ社会の法であるから、ドイツ法を学ぶことで、ドイツ社会の理解にも貢献すれば幸いである。これは、受講生が、将来、ドイツ留学や駐在するときに、役に立つ知識になりうることを期待している。
到達目標
ドイツ公法の基本を、一般常識の範囲で理解すること。若干のドイツ語のキーワードについては、訳語のみならず、日本語でその内容を簡単に説明できるようになること。
授業計画と内容
各界の授業内容は、およそ次のとおり。
第1回 オリエンテーション 総論
第2回 ドイツ憲法史(1) 神聖ローマ帝国からフランクフルト憲法(1848年)
第3回 ドイツ憲法史(2) ビスマルク憲法からドイツ統一、EU統一とドイツ
第4回 ドイツ基本法の特徴 人間の尊厳、民主主義、社会国家、連邦国家、法治国家、EUにおけるドイツ
第5回 議会と立法 選挙、議会の構成と活動、立法
第6回 政府と執行 議院内閣制、執行の概念、連邦首相、連邦大統領
第7回 裁判所と司法 裁判所、裁判権
第8回 憲法裁判所と憲法裁判権(1) 連邦憲法裁判所の地位、構成、一般の裁判権と憲法裁判権
第9回 憲法裁判所と憲法裁判権(2) 連邦憲法裁判所の権限、EU裁判権との関係
第10回 基本権総論 概念、主体、第三者効力論、三段階審査論
第11回 包括的基本権(1) 人間の尊厳、一般的人格権、一般的行為自由、EUの人権保障と基本権保障
第12回 精神的自由 意見表明の自由、信教の自由
第13回 経済的自由 職業の自由
第14回 全体のまとめ、到達度確認
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
レジュメには、適宜参考文献を紹介するので、これについても事前・事後に読み込むこと。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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期末試験(到達度確認) | 70 | ドイツ公法の基本を、一般常識の範囲で理解できていること。若干のドイツ語のキーワードについて、日本語でその内容を簡単に説明できること。 |
平常点 | 30 | 講義の終わりに、講義内容についての簡単なペーパーを提出してもらうことで、講義内容の理解度を測る。講義の概要を把握できていること。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
各回のレジュメを用意し、manabaにアップする。
参考文献として、さしあたり次のものを紹介しておく。
・村上、守矢、マルチュケ共著『ドイツ法入門 改訂第9版』有斐閣
・君塚正臣編著『比較憲法』ミネルヴァ書房
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