シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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外国法概論1B-1 | 2024 | 春学期 | 火3 | 法学部 | 小林 真紀 | コバヤシ マキ | 2・3年次配当 | 2 |
科目ナンバー
JU-NF2-006L
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
フランスの現行の第五共和制は、執行権が強化された共和制、合理化された議会制、専門化した裁判所からなる二元的裁判制度といった点で際立った特徴を有する。これらの特徴を的確に把握するためには、日本法との比較が極めて有効である。本講義では、フランス第五共和制の統治機構について、日本法との比較を通じてその特徴を解明することを目指す。
科目目的
この科目は法学部カリキュラム上の基本科目として位置づけられていることから、この科目での学習を通じて、学生がフランス公法(おもに憲法)に関する基礎的な知識を習得し、外国の法体系や法概念に対する理解を深められることを目的としている
到達目標
この科目の到達目標は以下の通りである;
・フランス第五共和制の統治機構に顕著な特徴を客観的に把握できる。
・大統領制や二元的裁判制度など、日本には無いが諸外国ではしばしば採用されている制度について正確な知識をもつ。
・執行府・立法府の機能など、日本法と共通する点についても正しく理解できる。
・フランス法との比較を通じて日本法を客観的に捉えることができる。
授業計画と内容
第1回 受講案内、フランス法を学ぶ意義
第2回 第五共和制の概要(前半)
第3回 第五共和制の概要(後半)
第4回 執行府:大統領(前半)
第5回 執行府:大統領(後半)
第6回 執行府:政府(前半)
第7回 執行府:政府(後半)
第8回 立法府:立法過程(前半)
第9回 立法府:立法過程(後半)
第10回 立法府:政府と国会の関係(前半)
第11回 立法府:政府と国会の関係(後半)
第12回 裁判組織①:憲法院
第13回 裁判組織②:司法裁判所
第14回 裁判組織③:行政裁判所 、権限裁判所
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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期末試験(到達度確認) | 70 | 期末試験については、フランス第五共和制の統治機構に顕著な特徴を客観的に理解できているか、執行府・立法府の機能など、日本法と共通する点についても、比較を通じて適切に理解できているかが判断基準である。 |
平常点 | 30 | 平常点は、授業の途中で提出を求める課題(複数回実施予定)で評価する。とくに、授業内容が正確に理解できているかという点が基準となる。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
【テキスト】小林真紀・蛯原健介・菅原真(編著)『フランス憲法と社会』(法律文化社、2023年)
※平常点として提出を求めらる課題に取り組むためには、上記テキストの参照が必須です。2回目の授業までに必ずテキストを入手してください。
【参考文献】滝沢正『フランス法 第5版』(三省堂、2018年)
植野妙実子(編著)『フランス憲法と統治構造』(中央大学出版部、2011年)
その他特記事項
外国法の勉強というと、一見したところ「遠い国の話」といったような印象をもつかもしれないが、実際は比較法的な視点から日本法を客観的に見直すことのできる絶好の機会である。本講義では、普段見落としがちな日本法の特徴を、フランス法と比較することで再発見する作業を通じて、最終的には受講者ひとりひとりが諸外国の“法を比較する”ことの面白さを実感できることを目指す。なお、本講義では、フランス第五共和制憲法の特徴を、日本国憲法との比較を通じて把握するというアプローチをとる。したがって、憲法・統治機構の授業で学んだ知識を十分に復習してから、授業に臨んで欲しい。