シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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家族法 | 2024 | 秋学期複数 | 火4,木1 | 法学部 | 冷水 登紀代 | シミズ トキヨ | 2年次配当 | 4 |
科目ナンバー
JU-CI2-007L
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
民法は、第1編から第5編からなる法律である。この講義は、「第4編親族」と「第5編相続」の分野、すなわち「家族」に関わる法領域(親族法・相続法)について扱う。近年では、社会的にも注目される裁判例が出たり、法改正が続いている分野である。この講義では、制度の基本的な考え方、判例・学説の展開をもとに解説をするが、当該制度の背景にある家族をとりまく社会的状況や価値観の変化、さらに社会制度の展開にも注目しながら、現代社会における家族と法の問題を検討する。
なお、月・木の講義となるため、親族法と相続法の分野をそれぞれの曜日に平行して進行する予定である。講義の進め方については、初回の講義で説明します。
科目目的
親族法・相続法に関する知識の伝授と、その知識を用いて具体的な問題に取り組み、妥当な解決策を導き出す能力を涵養し、法政策的課題を発見し、解決策を模索する力を涵養することを目的とする。
到達目標
親族法・相続法に関する知識の伝授と、その知識を用いて具体的な問題に取り組み、妥当な解決策を導き出す能力を養うとともに、法政策的課題を発見し、解決策を模索する力をつけることを目標とする。
授業計画と内容
〔授業計画と内容〕
〔親族法〕
① ガイダンス・親族法とは。「家族」とは/「親族」とは。家庭裁判所と家事事件手続
② 婚姻の成立(婚姻意思・届出、婚姻障害、婚姻の取消し/無効)
③ 婚姻の効果①(氏、同居・協力・扶助義務、貞操義務)
④ 婚姻の効果②(夫婦間の契約取消権、夫婦財産制)、別居
⑤ 離婚の成立(協議離婚、裁判離婚・有責配偶者からの離婚請求)
⑥ 離婚の効果(財産分与/離婚給付)
⑦ 多様なカップル(内縁/事実婚/同性パートナーシップ)
⑧ 実親子(嫡出推定、推定を受けない嫡出子、嫡出否認、親子関係不存在確認の訴え)
⑨ 実親子(認知、認知の無効と取消し)
⑩ 養子(普通養子・特別養子)、生殖補助医療と子の法的地位
⑪ 親権①(身上監護・親権制限、児童虐待への法的対応)/離婚・未婚親と子の関係
⑫ 親権②(財産管理)
⑬ 後見・保佐・補助/扶養・養育費
⑭ 親族法の総まとめ
〔相続法〕
① ガイダンス・相続法とは。法定相続と遺言・遺留分、「死」とは/相続の開始。
② 相続人(法定相続人、相続欠格・廃除)
③ 相続による承継①/相続の承認と放棄/相続人の不存在
④ 相続による承継②(承継する財産としない財産)
⑤ 複数の相続人による相続(法定相続分と指定相続分)、遺産共有①
⑥ 遺産共有②/債権・債務の相続
⑦ 遺産分割① 遺産分割の方法と対象財産、具体的相続分、特別受益と寄与分、特別の寄与
⑧ 遺産分割②(特定財産承継遺言)
⑨ 配偶者の相続法上の地位(特別受益の持戻しの免除、配偶者居住権・配偶者短期居住権)
⑩ 相続回復請求権/相続と登記など財産法との複合問題
⑪ 遺言① 遺言総論、遺言の方式、遺言の効力と撤回、遺贈
⑫ 遺言② 遺言執行/ 遺留分① 遺留分権者/遺留分の割合
⑬ 遺留分② 遺留分の算定基礎財産、遺留分侵害額請求
⑭ 相続法の総まとめ
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
講義で学んだ内容を復習するとともに、関連する事例問題や択一問題/正誤問題などを解いて知識の定着を図ってください。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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期末試験(到達度確認) | 100 | 科目の到達目標に照らし、基本的な概念・制度に関する正確な知識を修得しているか、それをもとに具体的な事例の処理ができるかを確認する。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
クリッカー
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
初回の講義で、テキストまたは参考文献を紹介する。
講義の際には、小型のものでいいので、六法を持参してください。
その他特記事項
親族・相続に関する分野は、これまでの経験や知識から他の民法分野と比べて取っつきやすい分野ですが、その分バイアスがかかりやすい分野でもあります。まず、法律がどのような趣旨から規定されているのか、判例・学説はどういうことをいっているのかを客観的に学びながら、自分なりに問題点を発見し、学習を深めてください。