シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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総合講座1 核におおわれた世界1 | 2024 | 春学期 | 火5 | 法学部 | 市田 真理、高橋 智子、高部 優子 | イチダ マリ、タカハシ トモコ、タカベ ユウコ | 1~4年次配当 | 2 |
科目ナンバー
JU-IF1-003L
履修条件・関連科目等
受講にさいして必要な知識は、一般常識程度で、特別な知識は求めていません。春学期、秋学期を通しての受講が望ましいですが必須ではありません。関連科目としては、政治学、国際学、平和学、国際法、現代技術と社会、歴史等があげられます。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
核兵器問題や原子力問題は、今日の世界における重要な課題として、ひろく人びとの考察の対象となってきました。とりわけわが国は、広島・長崎への原爆投下、水爆実験による第五福竜丸の被災、さらには東京電力福島原子力発電所事故などの核被害に見舞われるという稀有な経験をもっています。
春学期は、2度の世界大戦を経験した世界はどのような世界であったのか、核問題の原点である原子爆弾が、アメリカにおいて、どのような歴史背景のもとで開発されたか、日本への原爆投下に込められた意図は何であったか、原爆の「威力」と広島・長崎の被害の実態、また、過去になぜ被害が隠されたか、そしてその被害はいかに伝えられたか、という歴史的事実の学習に力点をおき、原爆問題を考えます。
科目目的
20世紀前半の原爆が登場するまでの科学・技術の歴史をたどることで、現代の核・原子力問題の原点を理解すること。その上で、原爆による被害、被爆者の証言、被爆者の運動を学ぶことで、被爆の経験をどう未来につなげていくのかを検討すること。これらのことを通じて、21世紀に活躍する市民としての素養を養うことが目的です。
到達目標
核開発をめぐる歴史、核兵器・被爆者の問題、国際社会の受けとめなど、授業で学んだことをもとに、現在の「核におおわれた世界」をどう考えるのか、自らの言葉で語ることができる。
授業計画と内容
4/9 第1回 ガイダンス(教員の自己紹介、授業の構成と進め方、評価方法など)
(高橋担当)
4/16 第2回 科学者たちはなぜ原爆開発を行ったのか
4/23 第3回 日本への原爆投下と科学者
(高部担当)
5/7 第4回 日本の平和教育における原爆被害の継承
5/14 第5回 包括的平和教育における被爆経験の意味
5/21 第6回 被爆者の運動における平和創造
5/28 第7回 被爆者の証言を聞く(山田玲子さん)
(市田担当)
6/4 第8回 原爆被害の実相
6/11 第9回 原爆被害の記録
6/18 第10回 表現される原爆 A
6/25 第11回 表現される原爆 B
(高橋担当)
7/2 第12回 日本の科学者と原爆
7/9 第13回 被ばくの実相と科学者
7/16 第14回 まとめとふりかえり(学生スピーチ、教員コメント)
授業時間外の学修の内容
授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
核兵器や原子力発電に関連する問題は、様々なメディアで日々報じられています。是非、これらを積極的に読み、画像や映像を視聴し、また、表現にふれて、核・原子力のあり方を、国内的にだけでなく世界的な歴史の中で考えてください。とくに、日本だけでなく、世界にひろがる核被害者の方々の現状を正確に知るための努力をしてください。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 80 | 「核におおわれた世界」をどう考えるのか。論理的な立論ができる。 |
平常点 | 20 | 授業後にリアクションペーパーを提出 |
成績評価の方法・基準(備考)
①授業をうけたらリアクションペーパーをmanabaのレポート欄に提出してください。
②授業で学んだ内容についてさらに深めたいテーマを設定し、文献を読んでレポートを作成してください。③レポート課題とリアクションペーパーによって総合的に評価し成績とします。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
グループワーク
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
市田真理:都立第五福竜丸展示館・学芸員 事務局長として展示館の運営を支えている。また学芸員として展示内容について情報収集をはじめ、特に原爆を扱った書籍、写真、証言集、詩、映像、演劇などを幅広く「表現された核」として研究を重ねている。
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
市田は、都立第五福竜丸展示館の学芸員として被爆者の問題の研究、展示、社会教育に長く携わり、特に表象という視点から被爆者の問題にアプローチしてきた。その経験を活かして。
テキスト・参考文献等
特にテキストは定めない。各講義担当者より参考文献は適宜指示される。
その他特記事項
■授業の工夫■
1)できるだけ映像資料やデータを活用し、理解の一助とする。
2)実務家の講師陣を中心に、ゲストスピーカーも招き、被爆者の方がたの視点に立つ、アクチュアルで共感的な理解をめざす。
3)毎回リアクションペーパーの記入、提出を求めることにより、学生と教員間の双方向のコミュニケーションを図る。
4)最終回では、履修者の中から数名に授業にたいするスピーチを依頼し、履修者どうし、さらに、履修者と教員の間のフィードバックの機会とする。