シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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マルクス経済学 | 2024 | 前期複数 | 月4,木2 | 経済学部 | 鳥居 伸好 | トリイ ノブヨシ | 2年次配当 | 4 |
科目ナンバー
EC-TE2-05XX
履修条件・関連科目等
履修条件・関連科目等の制限はありません。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
<学位授与方針と当該授業科目の関連>
この科目は、現実把握力(経済学の専門知識及び社会・人文・自然科学の知識教養に裏付けられた広い視野に立った柔軟な知性に基づき、現実の経済現象を的確に把握することができる)の修得に関わる科目です。
<概要>
現代資本主義の経済的運動法則を明らかにするうえで、商品・貨幣・資本についての基本的な考察は不可欠なものといえますので、授業では、商品・貨幣・資本の考察を中心に、資本主義の基本構造と基本的な運動法則を検討します。現代資本主義における諸問題を取り上げながら、基礎理論と現状分析の結びつきを検討します。
科目目的
マルクス経済学の一つの大きな課題は、現代資本主義における経済的運動法則を明らかにすることにあります。本科目の目的は、その課題を念頭に置いて、資本主義の基本構造と基本的な運動法則を明らかにすることになります。
到達目標
マルクス経済学の基礎知識を習得することが到達目標であり、基礎知識を習得するとともに、マルクス経済学の見方・考え方を活かして、現代資本主義の諸問題を解決する力を身につけてもらうことを期待します。
授業計画と内容
マルクス経済学の基礎理論を、全28回の講義全体を通して体系的に説明します。体系的な理論展開にそって、それぞれの項目の説明を試みますが、各回の講義は、それぞれ個別のテーマを設けて、なるべく内容を一話完結にまとめて説明する予定です。
各回の授業内容は、以下のとおりです。
1.講義の進め方と授業概要の説明
2.歴史科学としてのマルクス経済学
3.マルクス経済学と弁証法的方法
4.現代資本主義における経済諸問題とマルクス経済学
5.商品とは何か、なぜ商品の考察が必要なのか
6.商品の価値と労働、労働の二重性について
7.商品の価値と価格
8.商品の物神性、人の物化と物の人化
9.貨幣の諸機能(1)…価値尺度、流通手段
10.貨幣の諸機能(2)…蓄蔵貨幣、支払手段
11.インフレーションの基本的メカニズム
12.貨幣の諸機能(3)…世界貨幣
13.資本とは何か
14.資本主義的生産と労働の役割、労働力商品の使用価値について
15.剰余価値とは何か、「もうけ」の本質を探る
16.絶対的剰余価値の生産、なぜ長時間労働が強いられるのか
17.相対的剰余価値の生産、機械化は何のためか
18.労働力商品の価値と賃金、公正な賃金とは何か
19.資本蓄積の一般的法則
20.資本の再生産と経済成長
21.剰余価値と利潤、その必然的な転化
22.諸資本の競争、部門内競争と部門内競争
23.一般的利潤率の傾向的低下の法則
24.商業資本とその役割
25.利子生み資本とは何か、利子生み資本の運動と銀行の役割
26.擬制資本とは何か、「バブル」の形成と擬制資本
27.現代資本主義の経済的諸問題とマルクス経済学
28.総括
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
各講義項目の検討課題を事前に示しておきますので、あらかじめ予備知識を得ておいてください。また、配布したレジュメを参考にして復習をし、疑問点などをオフィスアワーを利用して質問するようにしてください。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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期末試験(到達度確認) | 80 | 授業内容とテキストの理解度をみる設問で、100点満点中60点を到達度の基準とします。 |
レポート | 10 | レポートまたは小テストを2回ほど実施します。 |
平常点 | 10 | Responでの参加状況および内容を平常点とします。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
PBL(課題解決型学習)
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
テキストの「なるほど」チェックシートを使い、適宜「なるほど度」を双方向で確認しながら、
授業に関する情報交換を行います。
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
テキストは、鳥居伸好著『なるほどマル経-時を読む経済学-』桜井書店、2020年初版または2023年第2刷(どちらでも可)を使用します。
講義項目ごとに、レジュメを配布し、テキストとレジュメを使って授業を行います。
参考文献は、必要に応じて適宜授業時間中に示しますが、講義全体を通して参考にしていただけるものとして、以下の文献をあげておきます。
カール・マルクス『資本論』(どの訳本でも可)
鶴田満彦編『入門経済学―常識から科学へ 』有斐閣(新書)1990年
大谷禎之介『社会経済学』桜井書店2001年
一井昭著『ポリティカル・エコノミー《資本論》から現代へ』桜井書店2009年
デヴィッド・ハーヴェイ著森田・大屋・中村・新井田訳『資本の<謎>』作品社2012年
その他特記事項
授業中の私語は、他の受講生の迷惑になりますので、厳しく注意します。