シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
経済政策論 | 2024 | 後期複数 | 火4,金2 | 経済学部 | 瀧澤 弘和 | タキザワ ヒロカズ | 2年次配当 | 4 |
科目ナンバー
EC-PO2-01XX
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
<学位授与方針と当該授業科目の関連>
この科目は、現実把握力(経済学の専門知識及び社会・人文・自然科学の知識教養に裏付けられた広い視野に立った柔軟な知性に基づき、現実の経済現象を的確に把握することができる)の修得に関わる科目です。
<概要>
現代経済の具体的な政策的諸課題-エネルギー・環境問題,社会保障問題等-に焦点を当てるのが本講義の内容である.これには,経済学の分析ツールの理解と,現代の経済的諸問題の理解という二つの面の理解が必須となる.したがって,かなり難しい挑戦ではあるが,その両面を講義の中で説明していきたい.
すなわち,本講義は以下の2つの側面からなる.
第1に,多様に進化しつつあり,方法と内容を拡張しつつある現代経済学の概要を説明する.こちらはテキストとして瀧澤(2018)を用いる.
第2に,経済政策論を現代の日本と世界が直面する具体的な諸課題に沿って,それらをどのように分析,考察したらよいのかという視点を提供することにしたい. こちらはテキストとして瀧澤他(2016)を用いる.
科目目的
本講義を履修することで,学生が以下のような到達点に達することを目的としている.
到達目標
・ ゲーム理論,行動経済学,実験経済学など,現代経済学の多様な進化の概要を理解し,それらが現代の経済政策にどのような関連を持っているのかを説明できるようになる.
・ 現代日本が直面する諸課題をあげ,それぞれの問題が持つ経済学的な構造を説明することができるようになる.
・ 現代民主制のもとで政府が行っているさまざまな政策の意味を説明することができるようになる.
授業計画と内容
以下は基本的にテキストに沿ったものである。
これらの項目のいくつかについては、上述したように理論的背景の解説が加わるため、複数回にわたる可能性が高い。
第1回:経済政策論への導入
第2回:経済学の現在(1):経済学の全体像,ミクロ経済学
第3回:経済学の現在(2): ゲーム理論
第4回:経済学の現在(3):行動経済学,実験経済学
第5回:経済学の現在(4):開発経済学,経済史
第6回:現代日本経済の直面する諸課題(1):環境エネルギー,2つの老い
第7回:現代日本経済の直面する諸課題(2):グローバル化のなかの日本
第8回:今年のノーベル賞の解説
第9回:マクロ経済学の復習(1)ー国民経済計算の体系,45度線モデル、 IS-LMモデル
第10回:マクロ経済学の復習(3)ーAD-ASモデル,ケインジアンと古典派のモデル,経済成長の理論
第11回:財政政策の諸問題
第12回:金融政策をめぐる諸問題
第13回:労働市場改革(1):労働問題を考えるための諸概念の理解
第14回:労働市場改革(2) :現代日本の労働市場の諸課題
第15回:社会保障政策をめぐる諸問題(1) :社会保障の体系の理解
第16回:社会保障政策をめぐる諸問題(2) :現代日本の社会保障制度が抱える問題
第17回:エネルギー問題と政策(1) :エネルギー問題を考えるための諸概念の理解
第18回:エネルギー問題と政策(2) :今日のエネルギー問題の概要と政策対応
第19回:環境問題と政策(1):環境問題を理解するための諸概念
第20回:環境問題と政策(2):現代の環境問題の概要と政策対応
第21回:産業に関する政策(1) :産業政策に関する基礎概念
第22回:産業に関する政策(2) :産業政策は有効なのか
第23回:農業政策(1) :農業がどうして特別な問題となりうるのかの理解
第24回:農業政策(2) :現代日本農業の抱える諸問題
第25回:戦後日本の経済システムの理論的把握:全体像
第26回:戦後日本の経済システムの理論的把握:労働市場,金融市場,サプライヤー関係
第27回:日本の経済システムはどこに向うのか
第28回:望ましい政策の実現が難しいのはなぜか
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
・ 授業の進行に応じて、テキストの関連箇所を読んで授業に望み,予め質問を用意しておくこと。
・ manabaで,講義レジュメをダウンロードし,授業時間に印刷して持参すること(必ず印刷でなくてもよいが,授業中にメモを取れるような準備をしておくこと)
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
---|---|---|
中間試験 | 50 | manaba上の小テストを100点に換算します. |
期末試験(到達度確認) | 50 | 小テストと50%ずつで平均し,平均60点以上をとれば合格とします. |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
・ manabaを通じて提出された意見について,授業中に紹介したうえでリプライします.
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
・ 授業のなかで,参加者から,さまざまな政策問題についての見解を求めます.
授業におけるICTの活用方法
その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
・ googleフォームを用いてゲームの実験を行います.
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
・ 経済産業研究所において,研究所のマネージメントを経験(2002年~2007年)
・ 経営者を対象とした民間の塾(不識塾)において,企業人を指導してきた経験(2007年~)
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
・ 経済産業研究所に勤めた経験をもとに(2002年~2007年),官庁における意思決定などについて,エピソードをちりばめて話します.
・ 不識塾において,企業人を指導してきた経験(2007年~)をもとに,さまざまな企業の意思決定についてもお話しする予定です.
テキスト・参考文献等
授業の中で使用するテキスト
1) 経済学全体の展望について
瀧澤弘和 『現代経済学 ゲーム理論・行動経済学・制度論』 中公新書.(ISBN-10: 9784121025012)
2) 経済政策各論の内容について
瀧澤弘和・小澤太郎・塚原康博・中川雅之・前田章・山下一仁 (2016) 『経済政策論:日本と世界が直面する諸課題』 慶應義塾大学出版会.(ISBN-10: 4766422627)
授業で頻繁に言及する参考書
ジョン・マクミラン (2021),『市場を創る』,瀧澤弘和・木村友二訳,慶應義塾大学出版会.(ISBN-10: 4766427831)
その他特記事項
・ manabaからのリマインダーを受けとれるように,emailアドレスを登録しておいてください.