シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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社会思想史 | 2024 | 後期複数 | 火4,金2 | 経済学部 | 八田 幸二 | ハッタ コウジ | 2年次配当 | 4 |
科目ナンバー
EC-EH2-06XX
履修条件・関連科目等
特にありません。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
<学位授与方針と当該授業科目の関連>
この科目は、現実把握力(経済学の専門知識及び社会・人文・自然科学の知識教養に裏付けられた広い視野に立った柔軟な知性に基づき、現実の経済現象を的確に把握することができる)の修得に関わる科目です。
【授業テーマ】:「社会・経済思想の形成と展開―イギリスを中心に―」
この社会思想史という授業では、市民革命と産業革命を世界でいちはやく成し遂げるとともに、他のヨーロッパ諸国に先駆けて資本主義・自由市場経済システムと議会制民主主義システムとを築き挙げたイギリスという国の社会・経済思想を主として学んでいきます。具体的には、イギリスにおける自由主義や功利主義、ケインズ主義やネオ・リベラリズムといった様々な社会・経済思想がどのようにして形づくられ、時代背景の変化にともなって、それらがどのように修正されていったのかということを学んでいきます。
イギリスの社会・経済思想を学ぶ方法としては、単に時系列的にそれらの内容をたどっていくだけではなく、各思想家たちが先行する諸思想を如何にして乗り越えて当時のイギリス社会における政治的および経済的課題を解決していこうとしたのかという点を理解できるようにしていきます。
科目目的
周知のように、経済学はイギリスで体系的に形成されていきました。この授業では、経済学を学ぶ学生としてイギリスにおける社会・経済思想がどのようにして形成され、時代の変化にともなってそれが如何に修正されていったのかということを理解することを科目目的とします。
到達目標
イギリスにおける社会・経済思想の形成と展開・修正に関して論理的に説明することができるようになることを到達目標とします。
授業計画と内容
この授業は、以下の項目にそって進められます(ただし、授業の進度などによる若干の変更はあり得ます)。
1.ガイダンス
2.近代社会の形成と自由主義
3.社会契約論の確立(T.ホッブズ)
4.王権神授説(R.フィルマー)
5.社会契約論と古典的自由主義 (J.ロック)
6.社会契約論に対する批判(D.ヒューム)
7.黙約と正義(D.ヒューム)
8.道徳感情論における同感原理 (A.スミス)
9.古典派経済学の確立 (A.スミス)
10.功利主義哲学の確立(J.ベンサム)
11.功利主義哲学の修正(J.S.ミル)
12.社会的自由の擁護(J.S.ミル)
13.自由論における議論(J.S.ミル)
14.前半の総括
15.社会進化論(H.スペンサー)
16.理想主義の哲学と国家干渉の原理(T.H.グリーン)
17.ケンブリッジ学派の創始(A.マーシャル)
18.厚生経済学の確立(A.C.ピグー)
19.厚生経済学の政策的展開(A.C.ピグー)
20.ピグーの厚生経済学に対する批判(L.ロビンズ)
21.自由放任終焉論(J.M.ケインズ)
22.修正資本主義の社会哲学(J.M.ケインズ)
23.ケインズ経済学の確立と金融・財政政策論(J.M.ケインズ)
24.ハーヴェイロードの前提批判(J.M.ブキャナン)
25.設計主義的合理主義批判(F.A.v.ハイエク)
26.自生的秩序論(F.A.v.ハイエク)
27.社会的正義批判(F.A.v.ハイエク)
28.総括
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
復習として、必ず前回の授業の内容を再確認してください。また、担当教員が授業中に参考文献や関連資料を紹介した際には、それを読んでから次の授業に参加するようにして欲しいと思います。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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期末試験(到達度確認) | 100 | 期末試験の点数を評価基準とします。 |
成績評価の方法・基準(備考)
期末試験の点数に加えて、授業への取り組み態度なども評価の対象となる場合があります。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
「理解度確認プリント」は、授業中に正答を提示してその内容について解説します。
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業のなかで、期末に行われる筆記試験の準備も兼ねて、過去に国家公務員試験や地方公務員試験などで実際に出題された問題などを利用した「理解度確認プリント」を数度配布し、受講生に自分の授業内容の理解度を確認してもらう予定ですので、授業内容の理解を深めるために活用して欲しいと思います。
その「理解度確認プリント」を各受講生にやってもらい、その後、担当教員が内容について解説します。その際、各受講生から出された「理解度確認プリント」の問題に関する質問に答えるという形で、双方向の授業を行ないたいと思います。
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
この授業では、特定のテキストを購入する必要はありません。したがって、受講生の皆さんに余計なお金を使わせるというようなことはありません。参考文献については、図書館で参照できるものを紹介します。
その他特記事項
社会・経済思想の形成と展開の過程を理解するという作業は、現在の社会・経済システムにおける諸問題を明確に自覚し、その諸問題を解決する方法を獲得するための予備的作業であると思います。
受講生の皆さんには、過去から現代に至る社会制度や経済体制に関する問題意識をもって、真摯な態度でこの授業に出席してくれることを希望します。