シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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総合講座Ⅰ | 2024 | 後期複数 | 火4,火5 | 経済学部 | 福住 多一 | フクズミ マサカズ | 1年次配当 | 4 |
科目ナンバー
EC-OM1-011X
履修条件・関連科目等
特にありませんが、社会現象や人間関係の仕組みへの好奇心が大事です。は個人どうしの相互依存関係から成り立っています。この相互依存関係を扱う科学的な理論体系がゲーム理論です。したがって経済学だけでなく、人間行動を科学的に考える必要のある、心理学・経営学・社会学・政治学・法学など、様々な学問分野で、ゲーム理論は用いられています。最近は、相互依存関係が大事な生物学や、ネットワーク科学・コンピュータサイエンスなどにも応用されています。これらの人間行動・社会・集団に関連する様々な学問的知識の基礎的教養科目すべてが関連しています。
授業で使用する言語
日本語/英語
授業で使用する言語(その他の言語)
非常にゆっくりしたスピードの英語で授業をします。黒板の解説や配布資料もやさしい英語です。科学理論の分野なので、使用される英語は、簡単でわかりやすいものほど望まれるためです。専門用語や、やや日本の学生には難しいと思われるものには、適宜、日本語訳も黒板に書きます。
最初は少し慣れない方も多いかもしれません。しかし次第に慣れます。また、リスニングやライティングも慣れてきますが。また、リスニングが得意ではなくても、配布資料と黒板をみながら、論理的に考えればほぼ理解できるようにもしています。
日本の人口が減っていく中、英語によるコミュニケーション力はますます大事になってきます。また、理論的な学問は、その論理的厳密さを表現するには、英語の方が向いている場合も多いです。この授業を利用して、英語によって理解するという方法に慣れて下さい。
授業の概要
<学位授与方針と当該授業科目の関連>
この科目は、現実把握力(経済学の専門知識及び社会・人文・自然科学の知識教養に裏付けられた広い視野に立った柔軟な知性に基づき、現実の経済現象を的確に把握することができる)の修得に関わる科目です。
<概要>
この授業ではゲーム理論を紹介します。経済学だけでなく、心理学・経営学・社会学・政治学・法学さらに生物学やネットワーク分析への応用例も紹介していきます。
講義資料はすべてmanabaにアップロードされます.各自、その講義の前にダウンロードして持参するとよいでしょう。時々、宿題が出ます。試験問題は、これらの講義資料と宿題から出題されます。
論理的な分野ですが、中学生~高校1年生の数学の知識で、講義内容は十分に理解できます。さらに、日本語よりも英語によるほうが、論理的な内容を理解しやすいケースが多いです。ただし日本人学生の理解を助けるために、適宜、日本語訳で話をする予定です。また英語はとても遅いスピードで話します。講義スライドはすべて英語です。試験もすべて英語で解答しますが、文法の間違いは評価対象ではありません。ゲーム理論の内容の理解を評価します。
ゲーム理論は社会科学のみならず多くの分野で用いられている基礎的な科学言語です。その理論の基礎を理解するために、高度な数学は必要ありません。論理的に考えることが最も大事です。計算力も要求されません。
現在、ゲーム理論は、社会現象・人間の相互依存関係を分析するための科学的な共通言語となっています。文系・理系を越えた現代科学の共通言語の1つであるゲーム理論の基本や応用先を知って、現代科学知識へのリテラシーを身につけましょう。
科目目的
経済学を含めた社会科学の難しさは、研究者や各人の社会と人間関係に対する見方やそれぞれの立場の違いがある点にある。これは、社会というものが、個々の人間の相互依存関係によって成立しているからである。物理学を始めとする伝統的な自然科学は、人間が自然を一方的に眺めることで成立している。しかし、社会科学は、観察している自分も、他人から観察されている。
したがって、社会科学は、自然科学に比べて必然的に複雑で難しくなる。これは、明らかに非常に難しい問題である。したがって、これまでは、科学的な分析を半ばあきらめ、自然(日常)言語によって表現される文系学問、数学によって表現される理系学問、という分断が生じていた。しかし、現代社会は文系・理系という線引きが通用しないほどに発展してきている。人間自身、人間集団が形作る社会というものに対する明快な知識が必要とされているののは言うまでもない。
この問題を乗り越えていく科学的言語・表現方法として発展してきたのがゲーム理論である。この理論は、人間どうしの相互依存関係を正面から捉え、その本質を考えるための理論である。そして、この考え方が、人間どうしの相互依存関係の分析を越え、生物同士の駆け引き・生存競争、コンピュータサイエンスななど、爆発的な応用先の広がりをみせている。
これからの時代を生きていく学生のみなさんにとって、経済学の多様な分野だけでなく、多様な科学分野に取り入れられてきた相互依存関係の科学の一端を、みなさんに理解して欲しい。そして経済学に限っても様々な見方・考え方が存在するが、それぞれの見方の何が異なって何が同じなのかを、統一的な視点から眺める知恵を身につけ、思い込みではないバランスの取れた知識を身につけていくのが、この科目の目的である。
到達目標
経済学を始めとする人間の相互依存関係が形作るもの(社会・人間関係・組織)への現代的な統一的表現・分析方法であるゲーム理論の基本と、様々な応用先を知る。さらに、その知識に基づいて、文系と理系という偏りを待たない、現代人に必須の科学リテラシーを身につける。
具体的には、自らの関心のある人間関係(いじめ、上下関係)、経済、政治、などのについて、シンプルなゲーム理論による表現力を身につけ、そこでの問題の解決策を自ら見出す基礎力をつける。
授業計画と内容
第1週: ゲーム理論とは何か?選好と効用関数
第2週: 戦略形ゲーム
第3週: 支配戦略とナッシュ均衡
第4週: 経済学における戦略形ゲームの応用
第5週: 政治学における戦略形ゲームの応用
第6週: 期待効用
第7週: 混合戦略
第8週: まとめ
第9週: 混合戦略の応用
第10週: 完全情報の展開形ゲーム
第11週: 部分ゲーム完全均衡
第12週: 展開形ゲームの応用(モラルハザード)
第13週: 展開形ゲームの応用(言語コミュニケーション)
第14週: まとめ
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
各回の授業の後、そこで学んだ理論が現実の人間関係でどのように応用できるかを考える。
それについて、時々、宿題を出します。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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期末試験(到達度確認) | 70 | 講義で学んだ内容の基礎的事項に関する試験。 |
平常点 | 30 | 授業中に、基礎的な復習用の宿題を出す。翌週、もしくは翌々週に提出すること。 |
成績評価の方法・基準(備考)
試験は、資料に載せる基本的な練習問題から出題します。
宿題は、楽しく解くことで知的好奇心が湧く問題を出します。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
反転授業(教室の中で行う授業学習と課題などの授業外学習を入れ替えた学習形式)/グループワーク
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業中に、他の学生と協力して問題を解く時間を設けます。
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
講義資料はmanabaにアップロードされるので、各自、講義前にダウンロードしてください。
日本語による入門レベルのゲーム理論のテキストも紹介します。