シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
演習1 | 2024 | 通年 | 金5 | 経済学部 | 鳴子 博子 | ナルコ ヒロコ | 2年次のみ | 4 |
科目ナンバー
EC-OM2-01XS
履修条件・関連科目等
①3年次の学内プレゼンテーション大会に参加すること。
②4年次に卒業論文(演習論文)を完成させること。
③やむを得ず欠席する場合は必ず連絡すること。
④社会思想史あるいは経済学史を並行して履修することが望ましい。政治学、歴史学、哲学などの関連科目のいくつかを履修することも推奨する。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
<学位授与方針と当該授業科目の関連>
この科目は、協調性及び自己管理力(専門知識を活かせるだけでなく、チームワークの経験から学んで、他人と協調し、自己を管理することができる)の修得に関わる科目です。また、創造的思考力(総合的な学習体験に基づいて、ものごとを創造的に思考することができる)の修得に関わる科目です。
<概要>
テーマ:社会思想史から近現代社会の諸問題を考える
①共通のテキストを輪読し、正確に読む読解力を身につけてゆきます。毎回、司会者、報告者を立て、意見交換、討論をしてゆきます。
②3年間の大まかな流れは次のようになります。社会科学の基礎を学ぶ中で、個人で学びたいテーマとともにグループで追究したい問題を考えてもらい、個人研究と共同研究を車の両輪のように進めます。個人研究は、演習1と演習2の学年末にゼミ論集を作成し、演習3で4年の1月に卒業論文(演習論文)を提出し、完結させます。共同研究は、演習1の後期に共同研究のテーマ探し、グループづくりを開始し、演習2の後期まで共同研究を進め、3年秋の学内プレゼンテーション大会での発表に臨みます。
③個人研究では、社会思想の古典研究あるいは社会思想の学びを踏まえた社会課題の探究を行います。
④共同研究では、経済発展と格差の問題、環境問題やジェンダー格差など現代社会のさまざまな課題の探究を行います。
科目目的
さまざな社会現象、経済現象には根本的な原因があります。事物の根源に遡って問題の本質を考える力を獲得し、誰か・何かの受け売りの意見ではなく、自身の意見を自身の言葉で表現(話すこと・書くこと)できるようになることが最終目的となります。そのためには、ゼミ内外で建設的な相互批判の場に立つことが必要です。ゼミ論作成、プレゼンテーション大会参加、卒論執筆を通して一人一人が力をつけてゆきます。
到達目標
上記の科目目的を達成するための具体的な到達目標は以下の通りです。
①演習1では、輪読を通してテキストの精読ができ、テキストの論点について意見交換、討論ができるようになること。また、後期から共同研究のテーマ探し、グループづくりを開始し、学年末に提出する個人論文を書くことで、共同研究・個人研究ともに次年度以降につながる基礎力を身に付けること。
②演習2では、輪読を通して、さらにテキストの内容の深い理解が得られるようになること。共同研究の準備、発表を通して、論理的に論を組み立てる思考力を養い、聴衆に「伝わる」報告ができるようになること。学年末に提出する二回目の個人論文を書くことで、卒業論文(演習論文)につながる思考力・分析力を身に付けること。
③演習3では、卒業論文(演習論文)の作成を通して思考力を鍛え、読者に「伝わる」論文をまとめられること。ゼミ内で繰り返される卒論準備報告を通して、ゼミ生相互の批判的能力を身に付けること。
授業計画と内容
【演習1】(2年次)
<前期>
・輪読
第1回 ゼミの進め方の説明と他己紹介
第2回 輪読テキスト『ルソーの政治経済学』について
第3回『ルソーの政治経済学』労働
第4回『ルソーの政治経済学』一般意志
第5回 『ルソーの政治経済学』経済的自由と生存権
第6回 『ルソーの政治経済学』討論と投票
第7回 『ルソーの政治経済学』既存宗教と市民宗教
第8回 『ルソーの政治経済学』市民の自己立法
第9回 輪読テキスト『ジェンダー・暴力・権力』について
第10回『ジェンダー・暴力・権力』戦時期の女性労務動員
第11回 『ジェンダー・暴力・権力』権力関係の起源としての世代
第12回 『ジェンダー・暴力・権力』「食」の問題とジェンダー
第13回 『ジェンダー・暴力・権力』フェミニズムと自己所有
第14回 これまでのまとめと夏休みの課題
<夏休み>
・夏合宿(2年、3年中心)(学内プレゼンテーション大会準備報告会)
<後期>
・輪読
・共同研究準備
・個人論文準備
第15回 夏休みの課題発表
第16回 『人間不平等起原論』2種類の不平等
第17回 『人間不平等起原論』自由と自己完成能力
第18回 『人間不平等起原論』純粋な自然状態
第19回 『人間不平等起原論』人類の青年期
第20回 『人間不平等起原論』大きな革命
第21回 『人間不平等起原論』戦争状態
第22回 『人間不平等起原論』富者のつくった国家
第23回 『人間不平等起原論』富者と貧者
第24回 『人間不平等起原論』強者と弱者
第25回 『人間不平等起原論』主人と奴隷
第26回 『人間不平等起原論』不平等の到達点
第27回 『人間不平等起原論』不平等論の結論
第28回 これまでのまとめ
<春休み>
・春合宿(2年、4年中心)(学内プレゼンテーション大会のテーマ検討、卒業論文発表会)
【演習2】(3年次)
<前期>
・輪読
・共同研究(プレゼンテーション大会)準備
・サブゼミは班ごとに自主開催
第1回 『社会契約論』自由と鉄鎖
第2回 『社会契約論』最強者の権利
第3回 『社会契約論』社会契約
第4回 『社会契約論』土地所有権
第5回 『社会契約論』主権
第6回 『社会契約論』一般意志
第7回 『社会契約論』法と立法者
第8回 『社会契約論』人民
第9回 『社会契約論』立法の体系
第10回 『社会契約論』 法の分類
第11回 『社会契約論』政府
第12回 『社会契約論』民主政・貴族政・君主政
第13回 『社会契約論』政治体の死
第14回 各班の共同研究進捗報告
<夏休み>
・夏合宿(2年、3年中心)(学内プレゼンテーション大会準備報告会)
<後期>
・共同研究発表
・個人論文準備
・サブゼミは班ごとに自主開催
第15回 『社会契約論』主権の維持
第16回 『社会契約論』代議士または代表者
第17回 『社会契約論』一般意志は破壊できない
第18回 『社会契約論』投票
第19回 『社会契約論』選挙
第20回 『社会契約論』ローマの民会
第21回 『社会契約論』護民府
第22回 共同研究班のリハーサル
第23回 学内プレゼンテーション大会の振り返り
第24回 個人論文(ゼミ論)のテーマ発表
第25回 『社会契約論』独裁
第26回 『社会契約論』監察
第27回 『社会契約論』市民宗教
第28回 ゼミ論集作成の打ち合わせ
<春休み>
・春合宿(2年、4年中心)(学内プレゼンテーション大会のテーマ検討、卒業論文発表会)
【演習3】(4年次)
<前期>
・夏休みまでに2回程度の連絡会
<夏休み>
・夏合宿(2年、3年中心)(学内プレゼンテーション大会準備報告会)
<後期>
・演習論文の執筆
第1回 演習論文の書き方の確認と今後の進め方 の説明
第2回 演習論文のテーマの設定・確認
第3回 演習論文の研究方法の検討・確認
第4回 演習論文の仮説の検討
第5回 演習論文の論文構成の検討
第6回 演習論文の先行研究の調査
第7回 演習論文の第1回発表(レジュメ)
第8回 演習論文の第1回発表に対する意見交換
第9回 演習論文の草稿準備
第10回 演習論文の第2回発表(草稿)
第11回 演習論文の第2回発表に対する意見交換
第12回 演習論文の第3回発表(完成原稿)
第13回 演習論文の第3回発表に対する意見交換
第14回 卒業論文集作成の打ち合わせ
<春休み>
・春合宿(2年、4年中心)(学内プレゼンテーション大会のテーマ検討、卒業論文発表会)
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
①夏・春の合宿。
②班ごとのサブゼミ。
③学内プレゼンテーション大会への参加。
④ゼミ論、演習論文の執筆。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
---|---|---|
レポート | 30 | テーマを自身で選び、分量は短くともゼミ論文を完成させ、論文執筆の基礎力を身につけることができたか。 |
平常点 | 70 | レジュメの作成、報告、司会、討論への積極的な参加を通して、論理的に自身の考えをまとめ、伝えることができるようになったか。 |
成績評価の方法・基準(備考)
各演習で身につけてもらう力(主な項目)は、以下の通りです。
【演習1】
・レジュメ、報告、司会、討論
・個人論文
【演習2】
・レジュメ、報告、司会、討論
・共同研究
・個人論文
【演習3】
・演習論文
・討論
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/グループワーク/プレゼンテーション
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
【テキスト】
・ルソー著、本田喜代治・平岡昇訳『人間不平等起原論』岩波文庫、1972年改訳、ISBN4-00-336232-2
・ルソー著、桑原武夫・前川貞次郎訳『社会契約論』岩波文庫、1954年、ISBN4-00-336233-0
・鳴子博子著『ルソーの政治経済学』晃洋書房、2023年、ISBN978-4-7710-3751-9
・鳴子博子編著『ジェンダー・暴力・権力』晃洋書房、2020年、ISBN978-4-7710-3288-0
それ以外のテキストについては適宜、説明します。
その他特記事項
・個人研究と共同研究に積極的に取組むことを求めます。
・学内外の研究会・講演会などへの参加を促しますので、積極的に参加してください。
・無断欠席をしないでください。
参考URL
hnaruko001x@g.chuo-u.ac.jp