シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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課題演習Ⅱ | 2024 | 秋学期 | 火5 | 商学部 | 辻野 幸子 | ツジノ サチコ | 2年次配当 | 2 |
科目ナンバー
CM-BS2-12XS
履修条件・関連科目等
IFRS会計基準及び日本基準の基礎的な内容を理解していることが必要です。
IFRS会計基準については、2年次配当の「英文会計論」を並行して履修することにより、議論に必要な基礎知識の習得が可能です。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
テーマ:会計基準の考え方
この課題演習では、会計基準や様々な会計処理の根底にある「考え方」について扱います。
実務において皆さんが対応することとなる論点や事象の中には、テキストの設例よりもずっと複雑な事象や取引、基準書のガイダンスにはない論点等が多く含まれます。そのような実務に財務会計の知識を適切に適用していくためには、各基準書が求めている事項について「十分に理解」していることが必要です。この「十分な理解」とは、単に基準書の内容を覚えることだけを指すのではないと考えられます。例えば、複数の意見がある中でなぜ特定の処理が定められたのか、その処理の意義は何か、といった会計基準の根底にある考え方や趣旨を理解していることも非常に有用であると思われます。
この課題演習では、1年を通じて会計基準の考え方に焦点を当てたテキストを輪読し、毎回1つのテーマに沿って考察していきます(一部、テキストにないテーマも扱います。)。メインテーマは会計基準の考え方ですが、議論の土台として、必然的にIFRS会計基準や日本基準の基礎的な内容についての理解も深まると考えられます。この課題演習を通じて、今後皆さんが実務を行ううえでの基礎的な力をつけていっていただければと思います。
科目目的
この科目は、ベーシック演習Ⅰ・Ⅱで養成された基礎的な能力を、具体的なテーマに沿って応用・発展させることで、適応力・判断力・実践力を身につけ、他者と協働する能力を養うことを目的としています。
この課題演習では、IFRS会計基準及び日本基準の個々の基準書の背景にある考え方及び特定の会計処理を行うことの意義について深く理解し、財務会計の研究や実務への適用のための基礎的な力を養うことを目的としています。また、各テーマの考察の過程で、そのテーマが扱っているIFRS会計基準または日本基準の概要について確認するとともに、会計基準が開発された際の経緯や考え方の変遷等について理解を深めることも目的としています。
到達目標
・各テーマに関する現在の基準書等の概要を理解している。
・それらの規定がどのような考え方や議論に基づいているかについての基礎的な理解を有している。
授業計画と内容
注:授業内容は、シラバス作成時点のものです。受講者数や進み具合により変更の可能性があります。
課題演習I
第1回 オリエンテーション
第2回 資産負債アプローチ
第3回 公正価値測定 vs. 取得原価測定
第4回 純利益 vs. 包括利益
第5回 純利益 vs. キャッシュフロー
第6回 概念フレームワーク
第7回 収益認識
第8回 減価償却
第9回 減損会計
第10回 のれん
第11回 無形資産
第12回 リース
第13回 金融商品と公正価値
第14回 課題演習Iの振返り・総まとめ
課題演習II
第15回 金融負債の測定と金融資産の減損
第16回 金融商品の認識の中止
第17回 ヘッジ会計
第18回 外貨換算会計
第19回 投資不動産
第20回 税効果会計
第21回 引当金
第22回 退職給付債務
第23回 ストックオプション会計
第24回 負債と資本
第25回 連結概念
第26回 連結と持分法
第27回 サステナビリティと会計
第28回 課題演習IIの振返り・総まとめ
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
発表担当回については、レジュメの作成や発表準備が必要です。それ以外の回については、授業への積極的な参加のため、テキストの指定範囲や他者作成のレジュメを読み込み、疑問点の有無を確認し、論点に関する考察を行ってくることが求められます。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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平常点 | 60 | 授業中における質疑応答、議論への参加により評価します。 |
その他 | 40 | 担当回の発表内容及び提出物に基づき評価します。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/グループワーク/プレゼンテーション
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
タブレット端末
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
公認会計士。有限責任あずさ監査法人 パートナー(現職)。
1994年10月から現在に至るまで、同監査法人にて、会計監査や会計アドバイザリ-業務、サステナビリティ本部業務等に従事したほか、長年にわたり法人の品質管理業務に従事し、会計基準等の情報収集・提供業務、研修・セミナー講師、執筆活動などを行っている。また、公認会計士として、公認会計士試験試験委員(財務会計論、2017年12月-2021年1月)、企業会計基準委員会(ASBJ)の収益認識専門委員会専門委員、日本公認会計士協会(JICPA)が設置する各種委員会の委員などに従事。
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
公認会計士としての実務経験やASBJ及びJICPAの委員会における経験等を踏まえ、会計基準そのものの理解に加え、会計基準の背景にある考え方や実務上の論点、サステナビリティ関連情報との関連性等、実務を行ううえで役立つ内容を盛り込む予定です。
テキスト・参考文献等
[テキスト]
・「会計基準の考え方 学生と語る23日 三訂版」西川郁生著(2023年、税務経理協会)
[参考資料・書籍]
いずれもシラバス作成時点の情報で記載しています。最新版が出ている場合は、それを使用してください。
・「The IFRS® Accounting Standards」IASB
・「IFRS会計基準(注釈付き)IFRS財団公認日本語版」(中央経済社)
・「すらすら図解 新IFRSのしくみ」あずさ監査法人 IFRSアドバイザリー室編(2016年、中央経済社)
・「論点で学ぶ国際財務報告基準(IFRS)」山田辰己・あずさ監査法人著(2019年、新世社)
・「企業会計入門-考えて学ぶ(補訂版)」斎藤静樹著(2016年、有斐閣)
・「論点で学ぶ財務会計」川村義則著(2019年、新世社)
その他特記事項
[注意事項]
・この授業は、皆さんの主体的な学習を前提としています。毎回十分に準備し積極的に議論に参加することを期待します。
[ソフトウェアの利用]
Word、PPT、エクセル以外のソフトウェアの利用なし