シラバス
| 授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| FLP演習C(国際協力) | 2026 | 通年 | 金5 | 学部間共通科目 | 中川 康弘 | ナカガワ ヤスヒロ | 4年次配当 | 4 |
科目ナンバー
UW-IF4-F03S
履修条件・関連科目等
演習ABで培った学問的誠実さを軸に、自分自身の不遜さ、傲慢さ、弱さを見つめつつ、異なる他者とのかかわりを歓待し、共生の可能性を考えることを厭わないこと。その一点を履修条件とします。
授業で使用する言語
日本語/英語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
テーマ:社会構成主義の視点から考える言語・共生・国際協力
多様性の尊重、多文化共生の実現、他者への配慮は難しいです。私もいつも失敗ばかり。そんな私ですが、自分の弱さに向き合いつつ、日々考え、行動する中で、欲求は収まりません。ゼミを通じた皆さんとのやりとりで、少しでもその最適解を探れたらと思っています。
前期は、2冊の指定文献を中心に輪読、ディスカッションを行います。今年度は例年以上に、何気なく使っている「ことば」に着目します。具体的には、私たちのコミュニティ内での「伝統」としてとらえる社会構成主義という概念の助けを借りながら、言語哲学から意味や価値を、会話分析の知見から日常の言語運用を考え、私たちにまとわりついている「尾ひれ」のついた国際協力、共生にかかる「ことば遣い」を省察します。自己を見つめる知的作業を通じて、 潜在する固定観念を激しく揺さぶり、各自の興味を徹底的に掘り起こしていきます。またライフストーリーインタビューの基礎についても学び、各自の研究課題を設定していきます。
後期はアジアの大学で日本語を学ぶ現地学生との共同調査等を行い、国際協力としての言語文化・日本語教育の役割を考えていきます。 そして年度末に成果報告を経て、学問的課題に応える論文にまとめます。 授業は履修者が用意したレジュメや調査結果についてディスカッションしながら進める双方向型で行います。
科目目的
文献講読とディスカッション、見学調査、そして海外実態調査と、教室内外におけるアクチュアルな学びを通じて、言語文化、障害、ジェンダー等の観点から、文化的多様性を理解することにつとめます。そのうえで、各自が、分断と排外主義、リオタールのいう「島宇宙」が懸念されて久しい現在、無謬主義に陥ることなく、実利主義や単一の価値観、ステレオタイプを誘導する社会を複眼的にみる目を養い、他者とともに在るという国際協力の本質を、原体験として身につけることを本演習の目的とします。
到達目標
演習Cでは各自がこれまで行ってきた調査テーマを深化させることを目標としつつ、日常の言語運用を言語哲学やコミュニケーションの観点からみつめます。学問上の到達目標として、当事者の立場から多文化共生社会をめぐる諸課題を探求、表現し、論文にまとめる過程を経て、独自の論点を学術的なレベルにまで高め、序論的研究として提示できるようになることを目標とします。一昨年、昨年とは別の国に赴き、東南アジアの生活世界に触れ、ことば、食、臭い、暑さ、喧噪等も含めて感じ、相手と対話することで単一の価値観、ステレオタイプを複眼的にみる目を徹底的に鍛えます。そして、これからの共生社会や国際協力のフィールドを生きるうえで必須となる、人とのつながりを重視し、自分と異なる他者を受け入れるマインドの育成と、それを修了論文という媒体を通じて表現する言葉の力の醸成を、FLP演習Cの学びの意義として位置付けます。
授業計画と内容
第1回 オリエンテーション、文献講読の分担決め
第2回 『現実はいつも対話から生まれる』1章ディスカッションと事例発表
第3回 『現実はいつも対話から生まれる』2章ディスカッションと事例発表
第4回 『現実はいつも対話から生まれる』3章ディスカッションと事例発表
第5回 『現実はいつも対話から生まれる』4章ディスカッションと事例発表
第6回 『現実はいつも対話から生まれる』5章ディスカッションと事例発表
第7回 『会話を哲学する』1章コミュニケーションとマニピュレーション
第8回 『会話を哲学する』2章わかり切ったことをそれでも言う
第9回 『会話を哲学する』3章間違っているとわかっていても
第10回 『会話を哲学する』4章伝わらないからこそ言えること
第11回 『会話を哲学する』5章すれ違うコミュニケーション
第12回 『会話を哲学する』6章本心を潜ませる
第13回 『会話を哲学する』7章操るための言葉
第14回 海外実態調査に向けてのオリエンテーション
第15回 海外実態調査振り返り
第16回 各自テーマの構想案と意見交換①
第17回 各自テーマの構想案と意見交換②
第18回 各自テーマの構想案と意見交換③
第19回 実態調査のデータをもとにしたテーマ絞り込み
第20回 東京都主催 ダイバーシティ東京 大学プレゼンコンテスト準備①(予定)
第21回 東京都主催 ダイバーシティ東京 大学プレゼンコンテスト準備②(予定)
第22回 成果報告会に向けてのブレインストーミング
第23回 成果報告会に向けての中間報告 、要旨の検討
第24回 成果報告会準備、ディスカッション
第25回 報告会振り返り
第26回 各自のテーマの課題整理と今後に向けての検討
第27回 論文作成のためのディスカッション
第28回 年間を通しての振り返り、ディスカッションとまとめ
進度に応じてゲスト講義、見学調査等を予定しています。
海外実態調査は9月中旬にタイを予定しています。現時点では、タマサート大学言語学部日本語学科、国際交流基金バンコク日本文化センター、在タイ日本国大使館等を予定しています。いずれも事前に周知し、相談のうえ決定します。
また授業計画は、学修進度や訪問先の受入れ状況等により変更する場合があります。
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
・授業では、学生同士での活発なディスカッションを行うこと
・定期的に授業外で調査を課すので、自律的に学修を進めること
【実態調査】日本語学科のある海外の大学、日本の援助機関等にて調査を行う
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
| 種別 | 割合(%) | 評価基準 |
|---|---|---|
| レポート | 80 | 授業課題、提出論文の完成度により評価 |
| 平常点 | 20 | 授業への貢献度、活動への積極性により評価 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/グループワーク/プレゼンテーション/実習、フィールドワーク
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
指定文献:
1『現実はいつも対話から生まれる 社会構成主義入門』K.J.ガーゲン&M.ガーゲン著
ディスカヴァー・トゥエンティワン
2『会話を哲学する コミュニケーションとマニピュレーション』三木那由他著 光文社新書
参考図書:
1『海を越えて 人の移動をめぐる物語』松村圭一郎著 講談社
2『教育問題はつくられる 構造主義的な読み方 解き方』北澤毅著 時事通信出版局
3『あなたへの社会構成主義』K.J.ガーゲン&M.ガーゲン著 ナカニシヤ出版
その他特記事項
・今年は全学年合同の開講です。
・今年度は言語哲学についても触れ、日常の何気ない言葉のやりとりへの洞察力を深めます。遠慮することはありません。どんどん発言してください。各自の問題意識に繊細に反応し、柔軟かつ丁寧に対応します。そして、ゼミ生一人ひとりの興味をミクロマクロ両面で大切に育てます。
・ゼミ生同士、積極的にコミュニケーションをとって、お互いに学びを深めてください。
・授業計画は、学修進度や訪問先の受入れ状況等により変更する場合があります。