シラバス
| 授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 記録史料学A | 2026 | 前期 | 月4 | 文学部 | 下重 直樹 | シモジュウ ナオキ | 3・4年次配当 | 2 |
科目ナンバー
LE-PL3-F415
履修条件・関連科目等
必須ではないが、後期に「記録史料学B」をあわせて履修することが望ましい。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
本講義では、アーカイブズに関する二つのテーマに焦点を当てます。第一はアーカイブズという存在それ自体について。アーカイブズというものがどのようにして現代までに形作られ、かつ社会のなかで位置づけられてきたのかを、理論や方法、これを支える専門職員(アーキビスト)をめぐる経時的変化から考えます。第二はアーカイブズが担う機能について。代表的なアーカイブズである公文書館でおこなわれている各種の業務(記録の評価選別・収集、編成と記述、保存、利用等)を具体的な事例や演習をまじえて考察し、その意義と課題について明らかにします。
科目目的
歴史補助科学を知的基盤の一つとして発展してきた記録史料学は、現在ではアーカイブズ学(Archival Science)とも呼ばれています。アーカイブズという言葉は、学問的には将来にわたって保存すべき記録のことを指し、かつそうした記録を適切に管理・公開する公文書館に代表される施設を指す言葉として定義されています。したがって、記録史料学とは過去から現代にいたる記録について、あるいはアーカイブズ機関やその機能について研究する学問です。とはいえ、記録の何について研究するのかこの定義だけでは分からないし、公文書館といわれても日本においてはいまだ認知度が高くないこの施設についてどのような研究が成り立つのかと、疑問に思う人もいるかもしれません。
この講義では、こうした疑問に答えることを出発点として、記録史料学の基礎を学ぶことで、その専門的学識を身に付けることを目的とします。事前の知識はさほど必要としませんが、広範なテーマを取り扱います。したがって、講義では必要に応じて映像や演習等をまじえつつ、記録史料学の現状や課題について履修者とともに考えていきます。
また、日本史学はもとより歴史学を専攻する学生にとって、卒業論文の執筆に向けた自身の研究のなかでは、記録(史料)に基づく事実の解明や分析・解釈が求められます。その際、記録に書かれた内容(コンテンツ)に注目することはもちろんのことですが、それだけではなく、記録が作成・管理されてきた背景や文脈(コンテクスト)を探ることも大切なことです。あるいは、記録の調査研究のためにアーカイブズ機関を訪問することもあるでしょう。このような点で、歴史学と記録史料学は密接な関係を有するものですから、この講義を通して、履修者それぞれの研究に資する情報や素材を提供していきたいと思っています。
到達目標
本講義で学んだ記録史料やアーカイブズ機関に関する知識を、卒業論文をはじめとする自身の歴史研究につなげて考察することができるようになることを目標とします。
授業計画と内容
<序説>
第1回 ガイダンス―記録・アーカイブズと人間
第2回 アーカイブズとアーキビストの歴史
第3回 アーカイブズ学の基本概念―出所と原秩序
<認識とその手法>
第4回 記録・アーカイブズを認識する―組織とその機能を知る
第5回 記録・アーカイブズを認識する―記録の発生から保存・廃棄まで
<取得までのプロセス>
第6回 調査と評価選別―なぜ必要なのか?
第7回 調査と評価選別―その具体的アプローチ
<整理と保存>
第8回 アーカイブズを保存する―編成と目録の記述
第9回 アーカイブズを保存する―劣化要因と保存の方法
<利用者へのアプローチ>
第10回 利用者とアクセス―利用者へのアプローチ
第11回 利用者とアクセス―ポリシーとサービスの改善
<アーカイブズを支える人々>
第12回 アーキビストの「リアル」 ―キャリアデザインと生活
第13回 アーキビストには何ができるのか?
第14回 総括・まとめ・到達度確認
授業時間外の学修の内容
その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
予習は不要ですが、各回の講義で学んだ内容について、参考文献にあたるなどして復習することは必要です。その作業を通して、記録史料学やアーカイブズへの理解をさらに深めてください。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
| 種別 | 割合(%) | 評価基準 |
|---|---|---|
| 期末試験(到達度確認) | 70 | 講義の内容を十分に理解し、それをふまえた論述ができているかどうかを基準とします。 |
| 平常点 | 30 | リアクションペーパーの記載内容を基準とします。講義の内容をうけて自分の意見や考えがきちんと明示されているかを特に重視します。 |
成績評価の方法・基準(備考)
評価の前提条件:出席(リアクションペーパーの提出)が全開講回数の半数に満たない者は不可とします。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
国立公文書館や内閣府(公文書管理法令所管部門)に勤務(2009年4月~2017年3月)、制度の構築や運用、アーカイブズ資料の保存とアクセスの実務に携わった経験を有しています。
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
アーカイブズ学の理論や方法が、公文書館の現場においてどのように受容され、また実践されているかを、これまでの経験をふまえつつ講述したいと思います。
テキスト・参考文献等
テキストとして下重直樹・湯上良編『アーキビストとしてはたらく―記録が人と社会をつなぐ―』(山川出版社、2022年、ISBN978-4-634-59125-7)を使用します。
このほか、毎回資料を配付してそれをもとに講義を進めます。
参考文献についてはそのつど紹介します。