シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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課題演習Ⅱ | 2025 | 秋学期 | 月5 | 商学部 | 大沼 宏 | オオヌマ ヒロシ | 2年次配当 | 2 |
科目ナンバー
CM-BS2-12XS
履修条件・関連科目等
体系的に学修していく上で、財務会計論、管理会計論、連結会計論、中級簿記論などの会計科目履修が望ましいと考えます。また、学習内容をより深く理解したい方にはファイナンス論、金融システム論の並行履修も望ましいと考えています。
授業で使用する言語
日本語/英語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
課題演習(大沼)はベーシック演習で養成された基礎的な会計・ファイナンスのリテラシー能力を、具体的なテーマに沿って応用・発展させることを目的として設置されます。
本演習では,上記の趣旨の基、企業分析の基礎として学んだ財務分析手法を発展させて,企業価値評価にまで高めることをテーマとします。
授業の進め方は、ファイナンス論の基本を身に付けた上で、特に関心の高い企業を選択してその企業の財務分析から企業価値評価を行います。ただ、企業価値評価は単に財務データを加工したら出来るというものではなく、その企業の経営戦略や事業戦略、経済環境、国際情勢などへの理解は欠かせません。
大沼と一緒に企業価値評価の深遠な世界を学びましょう。
科目目的
この科目は、ベーシック演習Ⅰ・Ⅱで養成された基礎的な能力を、具体的なテーマに沿って応用・発展させることで、適応力・判断力・実践力を身につけ、他者と協働する能力を養うことを目的としています。
本演習では,概要を踏まえまして、企業分析の基礎として学んだ財務分析手法を発展させて,企業価値評価にまで高めることを目的とします。
教科書を読んでその分析手法を学ぶだけでは理解することにはなりません。基本的には財務情報として公開される損益計算書・貸借対照表・キャッシュ・フロー計算書という「財務諸表」の数値から導出される財務比率を通じて企業間の比較を行い、企業実態の解明を進めるというのが経営分析になります。教科書を通じて学んだ財務分析手法を、実際の企業データについてExcelを活用することでより深く理解できるようになります。
更に財務分析手法を極めることで、その手法を企業価値評価に繋げていくことが出来るようになります。実際企業価値評価を必要とする機会は近年ますます増えてきて、株式投資を行う場合には必須行動となっています。この演習においても、実際の企業を対象に企業価値評価を行い、これによって得られた理想値と実際の株価との乖離について、Excelを活用して調査し、何が原因か、そしてどうすれば理想値に近づけられるかを経営戦略の側面から分析を行います。
企業情報の入手法と財務分析については、前述の通りグループをベースとした輪読で学習を進め、企業価値評価もグループワークで学習します。企業価値評価を基にした経営戦略の分析もグループワークを実施し、最後に報告して貰います。重要なことは企業をイメージではなく実態を理解するということです。企業調査を進めることで、企業の財政状態や経営成績、キャッシュ・フローの状況、経営上の問題や切迫した状況などについて理解し、企業価値創造について考えていくことを目的とします。その中で、経営戦略を単なる指針ではなく、実際に組織を動かすための羅針盤であることを講義を通じて理解して欲しいと思います。
なお、課題演習で用いる教材はテキスト以外はネットから落として利用します。講義はPCかタブレットが必須となります。ただスマホでも読めるのであれば問題ありません。
到達目標
春学期)
企業情報の入手法について習熟し、その上で財務分析の基本から詳細が理解できるようになり、企業価値評価の基礎を習得できるようになります。
(秋学期)
財務分析手法を基礎として、企業価値評価の手法が理解できるようになります。この企業価値評価によって得られた企業価値の理想値と実際の企業価値との乖離の調査から、その現象から様々な示唆を得た上でどうすれば理想値に近づけられるかを経営戦略の側面から分析が出来るようになります。
授業計画と内容
講義内容を教員からの講義スタイルで伝達する形にしてしまうと、受け身になってしまい、講義に前向きに取り組むことが難しくなるといわれます。通常の講義科目ならそれでも結構ですが、課題演習という科目である以上学生各自がむしろ教授するという姿勢で取り組む方が、講義内容の理解度も増すと認識されています。そこで基本的なコンテンツは各グループから報告して貰うことにします。
したがって講義は、教科書のグループによる輪読と財務分析・企業価値評価のグループワークの両者から構成されます。講義全体の流れとして、最初に有価証券報告書や決算短信、IR情報を始めとする企業情報の入手法を学習します。次いで企業情報を分析するさまざまな財務分析手法を学習します。その上で財務分析手法を利用して企業価値評価へと進めていきます。
授業計画は次の通りです。
授業計画と内容
(春学期)
第1回 ガイダンス /受講生の自己紹介
第2回 企業情報の入手法について1
第3回 企業情報の入手法について2
第4回 貸借対照表についての分析1
第5回 貸借対照表についての分析2
第6回 損益計算書についての分析1
第7回 損益計算書についての分析2
第8回 キャッシュ・フロー計算書についての分析1
第9回 キャッシュ・フロー計算書についての分析2
第10回 収益性についての分析
第11回 効率性についての分析
第12回 安全性についての分析
第13回 成長性についての分析
第14回 これまでの総まとめ
ここまでに学習した内容の確認のために、期末到達度評価テストを実施したいと思います(でも、履修者の達成度によっては実施しないかもしれません)。
(秋学期)
第15回 ガイダンス
第16回 企業価値評価の考え方
第17回 マーケットアプローチによる評価
第18回 インカムアプローチによる評価
第19回 割引率の計算
第20回 事業分析/経営戦略分析
第21回 会計戦略分析
第22回 グループワークによる企業価値評価と株価との比較1
第23回 グループワークによる企業価値評価と株価との比較2
第24回 グループワークによる企業価値評価と株価との比較3
第25回 グループワークによる企業価値評価と経営戦略分析1
第26回 グループワークによる企業価値評価と経営戦略分析2
第27回 グループワークによる企業価値評価と経営戦略分析3
第28回 これまでの総まとめ
ここまでに学習した内容の確認のために、期末到達度評価テストを実施したいと思います(でも、履修者の達成度によっては実施しないかもしれません)。
※講義進行状況によっては内容が変わる可能性があることを前もってお伝えしておきます。
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
講義内容を教員からの講義スタイルで伝達する形にしてしまうと、受け身になって前向きに取り組むことが一般的には難しくなります。通常の講義科目ならそれでも結構ですが、課題演習という科目である以上学生各自がむしろ教授するという姿勢で取り組む方が、講義内容の理解度も増すと一般に理解されています。そこで基本的なコンテンツは各グループから報告して貰うことにします。
・よってその準備のために、各グループでテキストを事前に読み込んでその内容を理解して頂く必要があります。資料の下調べ、内容を豊富にするために色々な資料を収集したり、学生間でディスカッションをして来て貰います。講義内においてコンテンツを分かりやすく伝達して貰うために、プレゼンテーション内容を各班で事前に確認してください。こうした事前準備の作業もすべて含めて、講義中の発言点数として評価します。
・一方で、講義中/講義後の課題に関して、発表はグループワークで実行するので、授業時間外に集まってのグループディスカッションも重要です。授業時間外でのディスカッションの成果も含めて評価したいと思います。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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期末試験(到達度確認) | 30 | 学修した内容の確認のために、期末到達度評価テストを予定します(到達度によっては実施しないかもしれません) |
レポート | 60 | 毎回の授業での発表がレポートに相当します。 |
平常点 | 10 | 授業中での発言も評価対象とします。積極的な発言を期待しています。 |
成績評価の方法・基準(備考)
この講義は履修学生の皆さんの積極的な関与によって成り立ちます。講義中の発言も評価の対象とします。毎回の授業での発表が評価の中心になります。ですが、内容がやや難解な場合、講義終了後に簡単な課題を指示するかもしれません。また到達度によっては、期末到達度確認試験も課すかもしれません。
それ故、評価は①講義中の発言 10% ②講義中の課題 60% ③期末到達度確認テスト 30%
によって決定されます。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
PBL(課題解決型学習)/ディスカッション、ディベート/グループワーク/プレゼンテーション
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
履修者の皆さんとの情報共有にmanabaやLINEなども活用します。
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
財務分析と企業評価については田中 慎一 , 保田 隆明 『コーポレートファイナンス 戦略と実践 』( 2019/4/4
ダイヤモンド社、ISBN 978-4478105412)を使用します。
(参考文献)
企業公表情報は基本的にWEBから入手します。
その他特記事項
当課題演習ではExcelを使用します。それ以外で使用するソフトウェアは、主としてMicrosoft office になります。
〔募集方法〕
志望動機(エントリー時にC plusで入力)
〔国外実態調査〕
なし