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シラバスデータベース|2025年度版

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ホーム > 講義詳細:環境社会学/環境

シラバス

授業科目名 年度 学期 開講曜日・時限 学部・研究科など 担当教員 教員カナ氏名 配当年次 単位数
環境社会学/環境 2025 前期 火2 文学部 浜本 篤史 ハマモト アツシ 2~4年次配当 2

科目ナンバー

LE-SC2-K306

履修条件・関連科目等

授業で使用する言語

日本語

授業で使用する言語(その他の言語)

授業の概要

日本において環境社会学という学問分野は、1980年代後半から1990年代前半にかけて、社会学の個別専門領域の一つとして誕生した。本授業では、この環境社会学について、もっとも基本的かつ重要な内容を取り上げる。海外の研究動向やグローバルな環境問題も部分的には触れるが、中心的に取り上げるのは日本社会の実例であり、それをもとに展開された日本のおける社会学の議論である。

具体的には以下のような内容で、授業は構成される。
まず第1回で、この学問領域が生成することになった学問的・社会的背景、他の学問領域と異なる特徴、守備範囲としている研究テーマ、そして生活環境主義の基本的視座について確認する。

次に第2回~第3回で、労災・薬害・(食品)公害問題を対象に生まれた「加害-被害構造論」を掘り下げて解説する。また第4回~第5回では、大型インフラ建設計画の社会的影響と、それをめぐる社会紛争を念頭において考案された「受益圏・受苦圏」を検討した上で、授業第6~7回で地域住民にとってダム建設を受け入れるというのはどういう経験なのか、という点に焦点をあてる。ここまでに学ぶ「加害-被害構造論」および「受益圏・受苦圏」という二つの概念を深く理解することが、本授業の土台であり中核となる。

その上で、第8回~12回では、2034年以降に開業予定となっているリニア中央新幹線の建設計画をケース・スタディとして扱う。神奈川県相模原市のリニア橋本駅設置にともなうトンネル工事や駅前道路計画、静岡県大井川の流量減少、岐阜県御嵩町の残土処分、同瑞浪市の地盤沈下など、沿線予定地区における自然環境および地域問題を探求していく。これらは主に受講生によるグループ活動としておこなう(日程的・地理的に可能な学生には現地視察も推奨する)。

授業終盤の第13回では、それまでに学んだ環境社会学の特徴や強みをもとにして、どう実践していくのかを検討していく。ここでは行政、企業、事業者等との連携可能性、合意形成についても考察する。

授業の展開は、講師の説明、ドキュメンタリーやニュースなどの映像視聴、受講生同士の議論、講師のフィードバックといった要素を組み合わておこなう。

本授業は全体として、環境問題の実例を単に知識として学ぶことを主眼としていない。自分で調べた具体的実例を対象に、環境社会学の考え方や概念をアタマを働かせて使ってみる、議論するという場面が多く含まれる授業構成をとっている。

科目目的

本科目は、社会学専攻における専攻科目群の選択科目の一つである。社会学全般の基礎を土台として、社会学の考え方や概念・理論を応用的に用いて、環境領域の社会現象や社会問題を捉えていくことを目的とする。

日本の環境社会学は、国境を超える現象に目を向けつつ、現場主義にもとづき地域社会や地域住民の目線からのアプローチを重視する。さらにそこから、問題をどう改善できるのかという解決志向性が(社会学の中では)高い。ここには、社会学専攻が目指している「グローバルに思考する知」、「微細に観察する知」そして「時代を読み解く知」という3つの要素が詰まっており、本授業を通じて、受講者それぞれが、社会学を学ぶことで得られる可能性をみつけてもらいたい。

なお、2018年度~2020年度入学生は「環境」、2021年度以降入学生にとっては「環境社会学」という科目名となっている。

到達目標

本授業は、受講生が、以下の目標に到達できるように目指していく。

1.社会学の学問体系における環境社会学の起源と展開について理解する。
2.環境社会学における主要概念の意義と課題を把握する。
3.具体的な公害・環境・開発問題についての問題構図と変容過程を捉える視点を獲得する。
4.環境社会学の考え方を通じて、問題解決へ向けたアイデアやヒントを着想する。

授業計画と内容

第1回:環境社会学という学問領域:イントロダクションおよび学問的系譜

第2回:加害-被害構造論(1)高度成長期の労災・薬害・公害と被害拡大の仕組み

第3回:加害-被害構造論(2)政府の不作為と被害放置

第4回:受益圏・受苦圏(1)大型開発事業をめぐる社会紛争の構図

第5回:受益圏・受苦圏(2)名古屋新幹線公害問題の事例分析

第6回:インフラ建設と地域住民(1)ワークショップ形式のディスカッション

第7回:インフラ建設と地域住民(2)ダム建設予定地住民の人生時間

第8回:リニア中央新幹線計画と環境および地域問題(1)事業計画の全体像

第9回:リニア中央新幹線計画と環境および地域問題(2)地域社会のリアリティ

第10回:リニア中央新幹線計画と環境および地域問題(3)各地事例における問題経過の把握

第11回:リニア中央新幹線計画烏と環境および地域問題(4)グループ準備およびプレゼンテーション①

第12回:リニア中央新幹線計画と環境および地域問題(5)グループ準備およびプレゼンテーション②

第13回:環境社会学の政策実践:環境ガバナンスと社会的合意

第14回:総括および到達度確認

授業時間外の学修の内容

指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出

授業時間外の学修の内容(その他の内容等)

テキストは、各回の授業内容と関わりの深いページを指示するので、該当ページを事前に通読しておくこと。また受講生には、日々のニュースに注目し、授業内容と関連付けた学習を求める。

授業時間内におこなうグループ活動では、主体的な取り組みを期待する。

授業時間外の学修に必要な時間数/週

・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。

成績評価の方法・基準

種別 割合(%) 評価基準
中間試験 20 試験は主に選択式により、授業内容の理解度を測る。
期末試験(到達度確認) 50 試験は主に記述形式により、回答内容の充実度で評価する。中間試験、レポート、平常点の3要素50点満点のうち、20点未満の受講生には、期末試験の受験資格は与えられない。
レポート 20 リニア中央新幹線計画に関する年表作成 および得られた発見に関するレポート(A4サイズで3ページ程度)の提出を求める。課題の趣旨に沿った内容かどうか、その充実度も含めて評価する。
平常点 10 グループ活動への参加貢献度をスコア化して評価する。

成績評価の方法・基準(備考)

課題や試験のフィードバック方法

授業時間内で講評・解説の時間を設ける

課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)

アクティブ・ラーニングの実施内容

反転授業(教室の中で行う授業学習と課題などの授業外学習を入れ替えた学習形式)/ディスカッション、ディベート/グループワーク

アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)

授業におけるICTの活用方法

クリッカー/その他

授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)

授業のなかで適宜、responのクリッカーおよびアンケート機能などを用いる(アプリのインストールと設定作業は事前に済ませておいてください)。

実務経験のある教員による授業

いいえ

【実務経験有の場合】実務経験の内容

【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容

テキスト・参考文献等

【テキスト】鳥越皓之・帯谷博明編『よくわかる環境社会学(第二版)』(ミネルヴァ書房, 2017)

その他特記事項

本授業では、いわゆる出席点の設定はありません。よって各種実習やインターン、就職活動、部活動の対外試合・公式活動などによる欠席、交通機関の遅れによる遅刻、病気・怪我、さらには忌引きなどでの欠席の場合も、連絡や届出は不要です。やむを得ず授業参加できない回が生じた場合は、基本的に、自助努力によって補ってもらうことになりますので、あらかじめご留意ください。たとえば中間試験を何らかの理由で受験できなかった場合でも、成績評価上の考慮や代替課題等の設定は原則としてありませんので、他の課題等でよい点数をとれるようにご努力ください。

参考URL

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