シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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政治学特講1(A) | 2025 | 前期 | 木3 | 法学研究科博士課程前期課程 | 中島 康予 | ナカジマ ヤスヨ | 1年次配当 | 2 |
科目ナンバー
JG-PS5-701L
履修条件・関連科目等
履修条件は特に定めません。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
国民国家の変容について、比較歴史社会学的アプローチからせまる文献を講読した上で、フランスの国籍政策の変容を、排除と包摂のポリティクスという視座から考察する文献を講読します。
科目目的
国籍と国籍政策について理論的、比較政治学的ないし比較歴史社会学から考察することを通して、政治学の暗黙の前提となっている国民国家という枠組みを再考することを目的とします。あわせて、フランスとドイツの国籍政策を比較することに着手します。
到達目標
受講生が、政治学の暗黙の前提になっている国民国家という枠組みの課題を考察し、今日の排除と包摂のポリティクスの諸相・実相を比較検討することができるようになることをめざします。
授業計画と内容
概ね以下のような日程で授業を進めます。
第1回 課題の整理と共有
ロジャース・ブルーベイカー『フランスとドイツの国籍とネーション:国籍形成の比較歴史社会学』
第2回 序 論 フランスとドイツにおけるネーションの伝統
第3回 第一部 シティズンシップ(国籍)の制度
第一章 社会的閉鎖としてのシティズンシップ(国籍)
第4回 第二章 フランス革命と国民的シティズンシップ(国籍)の発明
第5回 第三章 ドイツにおける国家、国家間システムおよび国籍
第6回 第二部 国民の定義――帰属の範囲
第四章 フランスとドイツにおける国籍と帰化
第7回 第五章 移民から国民へ――一九世紀末のフランスにおける出生地主義の結晶化
第8回 第六章 血統共同体としての国民――ヴィルヘルム期ドイツにおける国籍の民族化
第9回 第七章 「フランス人になるには、それにふさわしくあらねばならない」
――一九八〇年代フランスにおける移民と国籍をめぐる政治
第10回 第八章 ドイツにおける国籍をめぐる政治の継続性
付 著者による補論・二〇〇二年六月(二〇〇四年一二月改定)
結 論
パトリック・ヴェイユ『 フランス人とは何か――国籍をめぐる包摂と排除のポリティクス』
第11回 1 アンシアン・レジームから民法典へ――フランス人の二つの革命
第12回 2 生地主義はいかにして導入されたか(一八〇三-一八八九年)
第13回 3 国民への援軍としての帰化(一八八九-一九四〇年)
第14回 4 ヴィシー―国籍政策におけるレイシズム
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
・毎回授業の前にテキストを予め講読し、その概要を理解した上で、授業中に議論すべき論題を必ず準備してください。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 40 | 書評に基づき評価します。 |
平常点 | 60 | 内訳は、授業への参加(30%)、授業の準備や授業中の議論への参与(30%) |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
・授業時間外に指導を受けたり、質問をしたい場合は、授業時間中に申し出るか、その旨記したメールを、公開しているメールアドレス宛、送信してください。日程を調整した上で対応します。
アクティブ・ラーニングの実施内容
プレゼンテーション
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
以下のテキストを講読します。
ロジャース・ブルーベイカー(佐藤成基・佐々木 てる【監訳】)『フランスとドイツの国籍とネーション:国籍形成の比較歴史社会学』明石書店,2005年.
パトリック・ヴェイユ(宮島喬ほか訳)『 フランス人とは何か――国籍をめぐる包摂と排除のポリティクス』明石書店,2019年.