シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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哲学基礎演習(2) | 2024 | 通年 | 水5 | 文学部 | 米田 達也 | ヨネダ タツヤ | 1年次配当 | 4 |
科目ナンバー
LE-PE1-J020
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
東アジア仏教は、漢訳された仏典(パーリ語やサンスクリット語を漢語に翻訳した経典・論書)
と漢字で叙述された多様な仏典を基盤に形成されました。したがって、中国や朝鮮、日本の仏教
(その影響を受けた思想なども含む)を何らかの機会に学ぼうとする場合、漢文の知識と読解力は
必須の要件となります。
授業では、平安初期の仏教文献を原書で読んでいきます。テキストは、空海の『秘蔵宝鑰』
(『定本 弘法大師全集』第三巻 密教文化研究所 1994年)。
基本的には、原書の漢文を、そのテキストに付記された返り点と送り仮名に従い、訓読文(読み下し文)を作成したのち、その現代語訳を施していくという手順で進めます。なお、発表担当者は、さらに主な語句に補足的な語注を加えて、訳文の根拠を丁寧に説明することになります。
科目目的
漢文で書かれた仏教テキストを、文脈に沿って正確に読み解く力を習得すると共に、併せて、仏教の思想に対する基本的な理解と認識を深めること。
到達目標
➀ 仏教漢文を、返り点や送り仮名に従って、正確に現代語訳できること。
➁ テキストを読解する際に、丁寧な語注を施すだけでなく、説明のための充実した注釈を作成することで、文献学的にも妥当な解釈を行えるようにすること。
➂ テキストを読んで、仏教の基本的な思考様式を理解し、それに対する自分なりの視点を見定めること。
授業計画と内容
(前期)
第1回 ガイダンスと空海『秘蔵宝鑰』の紹介
第2回 『秘蔵宝鑰』巻上 序 「空華」「亀毛」
第3回 『秘蔵宝鑰』巻上 序 「三綱五常」「普賢微咲」
第4回 『秘蔵宝鑰』巻上 序 「曼荼荘厳」「適悦法楽」
第5回 『秘蔵宝鑰』巻上 序 「不知自宝」「金剛一宮」
第6回 『秘蔵宝鑰』巻中 唯蘊無我心 「名実相濫」「羊車」
第7回 『秘蔵宝鑰』巻中 唯蘊無我心 「生空三昧」「五蘊泡露」
第8回 『秘蔵宝鑰』巻中 唯蘊無我心 「聖帝賢臣」「羅漢得道」
第9回 『秘蔵宝鑰』巻中 唯蘊無我心 「摩尼金剛」「求道之徒」
第10回 『秘蔵宝鑰』巻中 唯蘊無我心 「持戒智慧」「黄輿震裂」
第11回 『秘蔵宝鑰』巻中 唯蘊無我心 「五濁悪世」
第12回 『秘蔵宝鑰』巻中 唯蘊無我心 「和光同塵」
第13回 『秘蔵宝鑰』巻中 唯蘊無我心 「古聖亦難」
第14回 総括・まとめ
(後期)
第15回 前期のおさらい
第16回 『秘蔵宝鑰』巻中 唯蘊無我心 「道俗損益」
第17回 『秘蔵宝鑰』巻中 唯蘊無我心 「観念坐禅」
第18回 『秘蔵宝鑰』巻中 唯蘊無我心 「一仏名号」
第19回 『秘蔵宝鑰』巻中 唯蘊無我心 「如来経法」
第20回 『秘蔵宝鑰』巻中 唯蘊無我心 「大聖不妄語」
第21回 『秘蔵宝鑰』巻中 唯蘊無我心 「人法一体」
第22回 『秘蔵宝鑰』巻中 唯蘊無我心 「自受法楽」
第23回 『秘蔵宝鑰』巻中 唯蘊無我心 「法帝禁戒」
第24回 『秘蔵宝鑰』巻中 唯蘊無我心 「非法僧尼」
第25回 『秘蔵宝鑰』巻中 唯蘊無我心 「抜苦与楽」
第26回 『秘蔵宝鑰』巻中 唯蘊無我心 「五戒十善」
第27回 『秘蔵宝鑰』巻中 唯蘊無我心 「人空無漏」
第28回 総括・まとめ
※ 上記の内容は、進度や理解度に応じて変更する場合があります。
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
担当発表の場合、テキストに書かれた関連内容の研究書や論文を自分なりに検索して、できるだけ、それを発表に反映させること。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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平常点 | 60 | 前期と後期に、各2回、到達度の確認テストを行います。 評価のポイントは、指定されたテキスト箇所の訓読文(読み下し文)と現代語訳が、正確に作成されているかです。 |
その他 | 40 | 自分が担当したテキスト箇所を発表したもの。 評価のポイントは、丁寧に語注が施されているか、また訳文の根拠をきちんと説明することができるかなどです。 |
成績評価の方法・基準(備考)
➀ 公欠以外の欠席が、前期と後期、それぞれ5回以上あった場合には、単位を不認定とします。
➁ 自分の担当回に発表(もしくはレジュメ提出)を、自己都合で行わなかった場合も、単位を不認定とします。
➂ 遅延証明等のない大幅な遅刻(おおよそ授業開始から20分以上経過の入室)は平常点の大幅な減点(10点換算で3点減点)を行い、出席確認の時点で不在の者は、欠席と同じ扱いとします。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/プレゼンテーション
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
本学で契約しているジャパンナレッジ等の電子事典を使って、その場で調査します。
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
テキストは、授業で扱う範囲を、manaba 等でそのつど配布します。
参考文献は、開講時に指示します。
その他特記事項
発表担当者以外にも、受講生にコメントを求めますので、必ず予習をした上で、緊張感と主体性を持ちながら、授業に臨んでください。
また、シラバスに記載されている以外の成績評価は一切行いません。発表準備が出来なかった、間に合わなかった等の言い訳は、発表が出来ないことの理由になりません。計画的に余裕をもって発表の準備を進めて下さい。欠席については、公欠およびそれに準ずる事由(応相談)のみを考慮します。