シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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哲学 | 2025 | 春学期複数 | 月2,木4 | 商学部 | 金 慧 | キム ヘイ | 1~4年次配当 | 4 |
科目ナンバー
CM-PE1-51XL
履修条件・関連科目等
Web登録科目です。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
哲学は、私たちが自明であると思っているものの意味、またその存在のあり方をあらためて問い返す営みである。その対象は、心や他者といった身近な存在から世界といった大きなものまで、ありとあらゆるものに及ぶ。この授業では、そうしたなかでも人間の自由や行為を考察対象とする実践哲学を取り上げる。実践哲学は、人間と物とのあいだで成立する認識哲学とは異なり、人間と人間とのあいだ、あるいは人間と制度とのあいだで成立する行為や規範に注目する哲学である。授業の前半では、実践哲学の主要な概念である自由、平等、道徳の概念をそれぞれ複数回に分けて解説する。これらの概念をめぐってときに相互に対立する複数の解釈をなるべく平易な言葉で紹介する。
授業の後半では、公共性の概念に焦点を当てる。公共事業や公教育などの語に見られるように、公共性は国家の活動にそなわる性格という意味を持っている。しかし他方で、そうした活動の正当性をめぐる市民による意見交換を指して公共性という語が用いられることもある。つまり、共通の関心事をめぐって私たちが議論することそのものが公共的な性格を帯びているのである。したがって、公共性の哲学は、特定の思想家の学説を指すだけでなく、公衆としての私たちに開かれた知のあり方を指し示している。公共性の哲学を扱う後半では、まず公共性の多面的な性格を示すために、古代から現代にいたる複数の思想家にそくしてこの語やそれに類する概念がどのような意味で用いられてきたのかを検討する。その後に現代社会における制度や事象を公共性という観点から解説する。
科目目的
この科目は商学部カリキュラム上のリベラルアーツ科目人文社会学系に位置づけられており、この科目を通じて、哲学上の諸問題を検討することを目的とする。
到達目標
哲学史上の学説や論争を学ぶことをつうじて、哲学の基本的な論点を知る。多義的かつ複雑な概念の意味を学ぶことをつうじて、抽象的な思考の流れや文章を理解できるようになる。過去の哲学者の様々な知見に触れることによって、自分自身の発想や視点を相対化することができる。この授業で学んだ概念や発想を用いて、現代社会における様々な制度や現象が公共性をそなえているのかという問題について自分自身の見解を形成することができる。
授業計画と内容
※昨年度の実施例です。変更の可能性があります。
第1回 イントロダクション
第2回 自由――消極的自由と積極的自由
第3回 自由と古典的リベラリズム
第4回 自由と現代リベラリズム①ーー正義論の前提
第5回 自由と現代リベラリズム②ーー正義の二原理
第6回 平等――何の平等か
第7回 平等と差別
第8回 平等と分配
第9回 機会の平等
第10回 道徳――事実と当為
第11回 功利主義
第12回 義務論
第13回 道徳上の正と不正
第14回 前半のまとめーー概念と構想の区別
第15回 公共性の哲学とは何か
第16回 ポリスとオイコス―古代ギリシア
第17回 法と権威―ホッブズ
第18回 理性の公的使用―カント
第19回 市民社会と国家―ヘーゲル
第20回 世論と公共性―シュミット
第21回 現われの空間としての公共性―アーレント①全体主義の起源
第22回 現われの空間としての公共性―アーレント②人間の条件
第23回 公共性の構造転換―ハーバーマス
第24回 公共的理性の観念―ロールズ
第25回 表現の自由と公共性
第26回 社会保障と公共性
第27回 親密圏と公共圏
第28回 後半のまとめーー公共性の二つの系譜
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 80 | 指定された主題について論じているか、指示された書式に従っているか、内容が論理的かつオリジナリティのある展開になっているか、などを評価します。 |
平常点 | 20 | 授業への出席を評価します。 |
成績評価の方法・基準(備考)
中間レポートと期末レポートの二つのレポートと出席状況によって評価します。レポートの書式や主題に関しては授業内で指示します。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
〔テキスト〕
テキストはありません。授業時に配布するプリントに沿って授業を進めます。
〔参考書〕
初回の授業時に参考文献表を配布します。
その他特記事項
ソフトウェアの利用なし