シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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English Seminar(3) | 2025 | 前期 | 水4 | 文学部 | 渡邉 真理子 | ワタナベ マリコ | 3年次配当 | 2 |
科目ナンバー
LE-EX3-B109
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
Tim O'Brienの連作短篇The Things They Carried (1990)の前半を読みます。
ティム・オブライエン(1946年- )はミネソタ州オースティン生まれ。今も執筆を続けている現代アメリカ文学を代表する小説家です。大学を卒業してまもない1968年に徴兵され、1969年から1970年にかけてヴェトナム戦争に歩兵として参戦しました。冷戦下、この代理戦争において、アメリカは南ヴェトナム軍を支援するために介入しました。一方、北ヴェトナムを支援していたのが当時存在したソ連です。戦争の泥沼化に伴い、アメリカではごく普通の大学生も兵士として送り込まれました。
ただし、この小説は独特な書かれ方をしています。一見するとリアリズム風なのですが、ウソなのではないかな、という書き方。つまり、語り手が信頼ならないのです。また、語り手がヴェトナムに行った1960年代の終わりはカウンターカルチャーが席巻した時代です。そのような時代思潮において若者はヴェトナム戦争に対してどのような思いを抱いていたのかーーこのあたりも読みどころです。
現在、連日メディアでは戦況に関する報道が行われています。文学部に在籍する皆さんにとっては、文学作品を通じて改めてこの問題について考える時かもしれません。
授業では、現代アメリカの歴史や文化に関する背景知識やを学びながら、作品を自分で読み解いていく力を養います。 具体的には受講生による発表とディスカッションに中心に行います。発表担当者はあらかじめ指定された範囲について発表(分析・考察)を行い、担当者以外の受講者もその範囲に関する事前課題の提出が求められます。ディスカッションへの積極的な参加が全員に求められます。
科目目的
文学テクストを正確に読み、分析する能力、およびそれを他人に伝えることができる言葉の力を養うことを目的とします。作品の背景となっているアメリカ社会・文化・戦争の歴史について調査する力と知識を身に着けることも目的とします。
到達目標
文学テクストを正確に読んで自分なりの観点から分析し、それを説得力を持って論理的に表現できるようになることを目指します。
授業計画と内容
①イントロダクションおよび戦争小説の読み方~"The Things They Carried"出だし
②"The Things They Carried"前半
③"The Things They Carried"中間部
④ "The Things They Carried"後半/”Love"
⑤ "Spin"
⑥ "On the Rainy River"前半
⑦ ”On the Rainy River"中間部
⑧ ”On the Rainy River"後半
⑨ ”Enemies"/"Friends"/ "How to Tell a True War Story" 冒頭部
⑨ "How to Tell a True War Story" 中間部
⑩ ”How to Tell a True War Story"後半/"Dentist"
⑪ “Sweetheart of the Song Tra Bong”前半
⑫ ”Sweetheart of the Song Tra Bong"中間部
⑬ ”Sweetheart of the Song Tra Bong"後半
⑭ 前期のまとめ
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出/その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
・テキストの予習(事前課題をmanabaを使って提出)
・口頭発表の準備
・期末レポートの作成
*分からない単語は辞書で調べて、指定範囲を精読してから授業に臨んでください。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 50 | 「レポート」内訳と評価基準は次のとおりです。 事前課題・発表資料ファイル 30%(予習範囲の理解および課題に対する考察が適切であるか、英語を丁寧に読み解いているか) 学期末レポート20%(正しい形式で作成されているか・自分自身の視点で作品テクストを考察できているか) |
平常点 | 50 | 平常点の内訳と評価の基準は、次のとおりです。 口頭発表25%(口頭発表内容が説得的であるか) ディスカッション25%(質疑応答において自らの説得力ある考えを示すことができているか) |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
授業内でフィードバックを行います。
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/グループワーク
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
事前課題をもとに、グループおよびクラスでのディスカッションを行います。アイディアや疑問点を共有することで、テクストに対する理解を深めるとともに、他者の考えとすり合わせながら自分の考えを発展させる練習およびその考えを他者に伝える練習をします。
授業におけるICTの活用方法
その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
Manabaを通して、毎回事前課題を提出してもらいます。
また、新型コロナウィルス感染状況の変化によりオンライン授業になった場合には、双方向型授業(Zoomのリアルタイム型授業)を行い、ICTをメインに授業を行います。
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
【テキスト】
著者:Tim O'Brien
書名:The Things They Carried
出版社:Mariner Books
ISBN-10 : 0618706410
ISBN-13 : 978-0618706419
【参考文献】
ティム・オブライエン(村上春樹訳)『本当の戦争の話をしよう』(文藝春秋)
ISBN-13 : 978-4167309794
諏訪部浩一編『アメリカ文学入門 新版』(三修社)
ISBN-13 : 978-4384060324