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シラバスデータベース|2025年度版

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ホーム > 講義詳細:異文化交流演習(1)

シラバス

授業科目名 年度 学期 開講曜日・時限 学部・研究科など 担当教員 教員カナ氏名 配当年次 単位数
異文化交流演習(1) 2025 前期 金5 文学部 辻 朋季 ツジ トモキ 2~4年次配当 2

科目ナンバー

LE-DT2-C851

履修条件・関連科目等

授業で使用する言語

日本語

授業で使用する言語(その他の言語)

授業の概要

本演習では、日本とドイツの文化交流や学術交流の歴史を多角的な視点から捉えていきます。日独交流の個々の事象を雑学的に学ぶのでも、日独友好の言説を安易に受容するのでもなく、近代国民国家論やポストコロニアリズム(植民地主義に対する批判的な考察姿勢)の研究成果を取り入れて、文化交流の多様な相に迫るとともに、異文化間交流のあり方について、よりダイナミックかつ批判的に捉える視座を獲得していきます。
日-独という限られた文脈では、植民地主義の影響を考える必要性は小さいように見えます。しかし、例えば1861年に結ばれた日本とプロイセンの通商条約も、東アジアに植民地を求めるプロイセンの拡張政策と無関係ではありませんでした。またドイツをモデルに近代化を成し遂げた明治政府も、アジア各地への植民地拡張政策を展開し、時にはドイツと対立する状況すら生み出しています。このように、日独双方で見られた植民地主義的な思想や態度は、両国の関係史にも大きな影響を与えています。より広い視野に立てば、西欧と非西欧との関係においては、前者の強大な軍事力・経済力を背景にした支配-被支配の関係性のもとで、歪んだ他者像が形成されたり不均衡な異文化間交流が生じたりしており、その影響は現代にも及んで他者理解を妨げています。
演習ではまず、上記の問題意識を共有するために、国民国家論やポストコロニアリズムに関する文献(ドイツ語文献を含む)を講読し、異文化間交流について学ぶ上での助けとなる主要な理論を習得します。その後で、中独・韓独などのアジア諸国とドイツとの交流史も適宜参照しつつ、日独交流史を捉えていきます。また各受講者には、自らの興味に基づいてテーマに関する発表を授業内してもらいます。発表後は、内容に関する議論も行って、文化交流史をより多角的に捉えていきます。

科目目的

(1)異文化間交流のあり方についての批判的な視座を獲得する。
(2)ポストコロニアリズムや近代国民国家論についての知識や理論を習得し、文化事象に関する多様な解釈のできるような思考力を身につける。
(3)文化研究に関するドイツ語文献の読解力を身に付ける。

到達目標

(1)日独交流史が、植民地主義の影響のもとでどう展開されてきたのか、全体像を把握する。
(2)ポストコロニアリズムや近代国民国家論についての理論を習得し、文化交流事象の分析枠組みを獲得する。
(3)ドイツ語の学術的な文献を読解できるようになる。
(4)授業と課題を通じて得られた知識を整理し、自分の視点を表現できるようになる。

授業計画と内容

第1回 導入(本演習の目的と概要の説明、履修に当たっての注意など)
第2回 ブレインストーミング(日独交流史について受講者が抱くイメージなど) 
第3回 なぜ今、植民地主義か?-ポストコロニアリズムについての文献講読、解説。
第4回 「植民地帝国」ドイツ?-ドイツの植民地史についての解説
第5回 「ドイツ的(日本的)」なものの自明性を疑う-国民国家論に関する文献講読、解説。 
第6回 身近な所にある「異文化」を考える
第7回 日独交流史概観 
第8回 中独・韓独の交流史について
第9回 発表とディスカッション(1)。
第10回 発表とディスカッション(2)。
第11回 発表とディスカッション(3)。
第12回 発表とディスカッション(4)。
第13回 発表とディスカッション(5)。
第14回 今学期のまとめ

授業時間外の学修の内容

指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出

授業時間外の学修の内容(その他の内容等)

授業時間外の学修に必要な時間数/週

・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。

成績評価の方法・基準

種別 割合(%) 評価基準
レポート 40 発表内容をもとに、出典の引用なども示して文章化したもの
平常点 30 積極的な授業参加
その他 30 授業内での発表

成績評価の方法・基準(備考)

欠席が3回を超える者は、履修意志のないものと判断します。

課題や試験のフィードバック方法

授業時間内で講評・解説の時間を設ける

課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)

アクティブ・ラーニングの実施内容

ディスカッション、ディベート/グループワーク/プレゼンテーション

アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)

授業におけるICTの活用方法

実施しない

授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)

実務経験のある教員による授業

いいえ

【実務経験有の場合】実務経験の内容

【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容

テキスト・参考文献等

参考文献:
本橋哲也『ポストコロニアリズム』、岩波新書、2005年。
エドワード・W. サイード 『オリエンタリズム』上下巻、平凡社ライブラリー、1993年。
姜在彦『西洋と朝鮮 異文化の出会いと格闘の歴史』、朝日選書、 2008年。
浜田寿美男 『障害と子どもたちの生きるかたち』、岩波現代文庫、2009年。 
足立信彦『<悪しき>文化について-ヨーロッパとその他者』、東京大学出版会、2006年。
Sebastion Conrad: Deutsche Kolonialgeschichte, C.H.Beck, München, 2008

その他特記事項

【進度や内容について】
各回の授業テーマは、学生の関心・知識・語学力の程度に応じて適宜変更することもありうる。

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