シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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語学文学文化専門演習(1)(2) | 2025 | 通年 | 月4 | 文学部 | 学谷 亮 | ガクタニ リョウ | 3年次配当 | 4 |
科目ナンバー
LE-FS3-D101,LE-FS4-D102
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
このゼミで研究対象とするのは、詩を中心とするフランス近現代文学と、日仏交流史・日仏比較文学に関するフランス語テクストです。隔年で、韻文作品と散文作品を交互に取り上げます。2025年度は散文を扱い、ポール・クローデル『朝日の中の黒鳥』(1927)を読書会形式で講読します。これはクローデルが日本滞在中(1921-1927)に体験・見聞したことを素材とする文章を集めた著作で、日本文化を題材としていますので、我々にとっては一見とっつきやすく見えるかもしれません。しかし、クローデルの日本文化理解は独特です。そこに描かれているのは、あくまでも第三共和制期のフランス人の目に映った日本であるという事実を忘れてはならず、彼が前提としていた様々な「知」(例えば、キリスト教カトリック、西洋哲学・思想、フランス象徴主義など)のフィルターを考慮して読まねばなりません。とはいえ、そうした点の解説は教師である私の仕事であり、皆さんには何よりもまずフランス語の原文を虚心に読むことを求めます。一言一句にこだわって、徹底的に「精読」しなければ見えてこない世界があるはずです。幸い、日本語訳もありますから、それらを批判的に検討しながら読み進めていくことになるでしょう。なお「読書会形式」とは、担当者が決められた範囲について訳文を準備して内容を解説し、それを全員で検討して自由に意見を出しながら読んでいく方式です。語学的にも内容的にも、簡単に読めるテクストではありませんから、「正解」を述べることにこだわる必要はありません。参加者全員が、毎回最低1回は何らかの発言をし、読解に貢献することが求められます。
また、前期授業の約3分の2を使って、フランス文学・文化研究に不可欠な技術(特に学術論文の執筆法)の手ほどきを行います。これは、卒業論文を執筆される方はもちろん、卒業課題研究を選ばれる方にも必ず役立つはずです。教科書として、佐々木健一『論文ゼミナール』(東京大学出版会、2014年)を使用します。この教科書を全員で輪読して内容を理解すると同時に、そこで紹介されている技術・技法を習得するための練習も取り入れていきます。4年生には、本格的な卒論・卒研の執筆に先立って中間報告をしていただく予定です。4年生は卒業論文・卒業課題研究を完成させることが、3年生はそのための基礎力を涵養することがゴールとなります。
ゼミ形式の授業ですから、受講者の皆さん一人一人が主体となって活動していく必要があります。自ら資料を集め、読み込み、考えることと同時に、他の受講者と協力して課題を進めていくことが必須です。
科目目的
フランス文学・文化研究の方法論を学び、受講者各人の関心に基づいた研究論文・研究発表ができるようになること。
到達目標
近現代フランス文学と日仏交流史・日仏比較文学について基礎知識を身につけ、先行研究や注釈書、日本語訳を参考にしながら作品の分析ができるようになる。
フランス文学・文化研究に必要なアカデミック・スキル(クリティカル・リーディング、アカデミック・ライティング、プレゼンテーション、文献探索など)を身につけ、受講者各人の関心に基づいてそれらを運用できるようになる。
フランス文学・文化研究の領域で、学術的な内容・形式をもった文章が書けるようになる。
受講者各人の研究・調査の成果を、他の受講生や教員が理解できるように口頭で説明できるようになる。
授業計画と内容
【前期】
第1回 ガイダンス・前期の詳細な授業計画の説明
第2回 自己紹介・グループ分け
第3回 『論文ゼミナール』輪読(1)なぜ論文を書くのか
第4回 『論文ゼミナール』輪読(2)論文とは何か
第5回 『論文ゼミナール』輪読(3)ノートと要約
第6回 『論文ゼミナール』輪読(4)主題の設定
第7回 『論文ゼミナール』輪読(5)論文の設計図
第8回 『論文ゼミナール』輪読(6)論文のモラル
第9回 『論文ゼミナール』輪読(7)文章法・推敲・書式
第10回 『朝日の中の黒鳥』読書会(1)「炎の街を横切って」
第11回 『朝日の中の黒鳥』読書会(2)「炎の街を横切って」
第12回 『朝日の中の黒鳥』読書会(3)「炎の街を横切って」
第13回 『朝日の中の黒鳥』読書会(4)「炎の街を横切って」
第14回 理解度確認・まとめ
【後期】
第1回 後期の詳細な授業計画の説明
第2回 卒業課題研究中間発表
第3回 卒業論文中間発表(1)
第4回 卒業論文中間発表(2)
第5回 『朝日の中の黒鳥』読書会(5)「日本人の魂へのまなざし」
第6回 『朝日の中の黒鳥』読書会(6)「日本人の魂へのまなざし」
第7回 『朝日の中の黒鳥』読書会(7)「日本人の魂へのまなざし」
第8回 『朝日の中の黒鳥』読書会(8)「日本人の魂へのまなざし」
第9回 『朝日の中の黒鳥』読書会(9)「日本人の魂へのまなざし」
第10回 『朝日の中の黒鳥』読書会(10)「日本人の魂へのまなざし」
第11回 『朝日の中の黒鳥』読書会(11)「日本の詩」
第12回 『朝日の中の黒鳥』読書会(12)「日本の詩」
第13回 『朝日の中の黒鳥』読書会(13)「日本の詩」
第14回 総括・まとめ
※受講生の人数や関心の在処に応じて、授業計画を変更することもありえます
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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期末試験(到達度確認) | 20 | 『論文ゼミナール』の理解度を問う試験を行います(前期末のみ) |
レポート | 30 | 前期末課題レポート 20% 後期末課題レポート 10% |
平常点 | 50 | 授業への参加度、発表の内容など |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/グループワーク/プレゼンテーション
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
<テキスト>佐々木健一『論文ゼミナール』東京大学出版会、2014年 ISBN978-4-13-003208-7
※必ず購入して毎回持参してください。
その他に授業で使用する資料はmanabaで配布します。
<参考文献>授業のなかで随時紹介していきます。
その他特記事項
・ゼミですので、出席し、授業に積極的に参加することを重視します。欠席が半期につき5回を超えた場合、原則として成績評価の対象となりません。就職活動等、個別の事情がある場合は事前に相談してください。
・グループワークでは、無断欠席等で他のゼミ生に迷惑をかけないよう注意して下さい。