シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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有機金属化学特論第一 | 2025 | 後期 | 金2 | 理工学研究科博士課程前期課程 | 石井 洋一 | イシイ ヨウイチ | 1年次配当 | 2 |
科目ナンバー
SG-AC5-6C12
履修条件・関連科目等
学部での有機化学および無機化学の内容を前提知識とする。
授業で使用する言語
英語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
有機金属化合物を利用することにより、通常の有機反応では行ない得ないようなさまざまな反応を進行させることができる。本講義では有機金属化合物の反応性の概説したあと、不均一系金属触媒と分子性有機金属錯体触媒をつなぐ物質と見なせる、多核錯体およびクラスター錯体について解説する。また、有機金属化合物は均一系触媒として広く利用されている。本講義では、有機金属化合物の触媒作用がどのような素反応の組み合わせにより進行しているか、またその結果どのような特徴をもつ有機合成反応が実現できるのかを解説する。授業は原則として英語で行うが、内容の理解を進めるため、テーマごとの解説と演習を組み合わせて実施する。
科目目的
有機金属化合物の構造と反応性の基礎を理解し、それに基づいて、有機金属化合物を用いた代表的な触媒的有機合成反応の反応機構と特徴を理解することを目的とする。併せて、有機金属化合物の基礎的な理論を多核錯体、クラスター錯体へ拡張できることを学ぶ。それにより、ディプロマポリシーに示されている知識獲得力・創造力・専門性を涵養する。
到達目標
・有機金属化合物に関する基礎的概念に基づいて、有機金属化合物を用いた均一系触媒反応(水素化、ヒドロホルミル化、Monsanto/Cativa法、クロスカップリング、Mizoroki-Heck反応、アルケンメタセシスなど)の反応機構を説明できる。
・有機金属化合物を用いた均一系触媒反応の特徴と合成反応への応用を理解できる。
・均一系錯体触媒と不均一系金属触媒を結ぶ位置にある多核錯体・クラスター錯体について、基本的な性質を理解できる。
授業計画と内容
第1回 有機金属化合物の構造の基礎:18電子則
第2回 有機金属化合物の基本的反応:配位子の置換、酸化的付加
第3回 有機金属化合物の基本的反応:挿入と逆挿入、β水素脱離
第4回 多核錯体、クラスター錯体の構造
第5回 多核錯体、クラスター錯体の合理的合成と反応性
第6回 有機金属錯体の動的挙動
第7回 遷移金属錯体の触媒反応:水素化と関連する諸反応
第8回 遷移金属錯体の触媒反応:ヒドロシリル化、水素移動反応
第9回 遷移金属錯体の触媒反応:ヒドロホルミル化とMonsanto法・Cativa法
第10回 遷移金属錯体の触媒反応:クロスカップリングとHeck反応
第11回 遷移金属錯体の触媒反応:アルケンの2量化、オリゴメリ化、重合
第12回 遷移金属錯体の触媒反応:アリル化とWacker反応
第13回 遷移金属錯体の触媒反応:カルベンおよびビニリデン錯体を経由する反応、アルケンメタセシス
第14回 理解度確認と全体のまとめ
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
各回のハンドアウトを復習し、演習問題ならびに小テストの内容について論理の展開が説明できるようにしておくこと。また、次回の講義内容に相当する参考文献の章に目を通しておくこと。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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期末試験(到達度確認) | 40 | 第14回に行なう理解度確認の結果を40%の割合で考慮する。多核錯体、クラスター錯体を含む有機金属錯体の構造と動的挙動、性質、反応性の説明と、有機金属錯体を利用した触媒反応の機構についての基本的理解が要求される。 |
平常点 | 60 | 講義中に行なう課題を60%の割合で考慮する。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う/その他
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
課題は添削の上、次回講義で返却します。
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
manabaの個別指導コレクションにより質問対応、学習支援を行う。
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
参考文献:J.F.Hartwig著、小宮三四郎ほか監訳 "ハートウィグ 有機遷移金属化学 上・下" 東京化学同人 2014年.
R. H. Crabtree, "The Organometallic Chemistry of the Transition Metals (Sixth Edition)" Wiley, 2014.
その他特記事項
参考URL
ホームページ https://ishii-lab.r.chuo-u.ac.jp/
e-メール yo-ishii@kc.chuo-u.ac.jp