シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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政治学特講1(B) | 2025 | 前期 | 月3 | 法学研究科博士課程前期課程 | 山崎 望 | ヤマザキ ノゾム | 1年次配当 | 2 |
科目ナンバー
JG-PS5-701L
履修条件・関連科目等
この特講は、「政治学演習1(B)」(山崎担当)と一体で運用されます。
やむを得ず、特講のみの履修を希望する学生は事前に申し出てください。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
現代世界では、民族、階級、ジェンダーなどが複雑に交差して、世界規模で複雑な支配/従属関係が形成されています。こうした状況を分析すると共に、現状を乗り越える規範的な構想を打ち出す「インターセクショナリティ」概念に着目しながら、ありうべき未来の社会像について考察します。政治学を中心にしつつも隣接諸分野の先行研究の知見に目を配り、学際的な研究をすすめていきます。
科目目的
この政治学特講1(B)を通じて、現代世界における複雑な支配/従属関係について理解をすると共に、新しい社会を作り出す方法について考察することが目的です。具体的には民族、人種、ジェンダー、階級、セクシュアリティなどをめぐる支配/従属関係の交錯を学びます。
カリキュラムの観点からは、政治理論、比較政治、政治史、国際政治、政治思想史などの分野の研究を進める上で、重要な知見を得る目的があります。
到達目標
現代の民主主義の在り方を考察する上で不可欠な歴史的/思想(史)的知識を得ることを通じて、広く法学政治学の理解にとって資する研究の基礎を作ることが目標です。
授業計画と内容
第1回 イントロダクション+フェミニズムの歴史
竹村和子『フェミニズム』Ⅰ(岩波書店)
(参)清水晶子「フェミニズムの四つの波」『フェミニズムってなんですか?』(文春新書)
第2回 エスニシティと多文化主義
戴エイカ『多文化主義とディアスポラ』第1・2章(明石書店)
第3回 ディアスポラとハイブリディティ
戴エイカ『多文化主義とディアスポラ』第3章(明石書店)
第4回 資本主義とフェミニズム
ナンシー・フレイザー『資本主義はなぜ私たちを幸せにしないのか』序・1章
(ちくま新書)
第5回 階級とジェンダー
シンジア・アルッザ(他編)『99%のためのフェミニズム宣言』(人文書院)
第6回 資本主義とレイシズム
ナンシー・フレイザー『資本主義はなぜ私たちを幸せにしないのか』2章(ちくま新書)
第7回 インターセクショナリティをめぐって(1)
・中山智香子「グローバル・サウス・ユートピア?」
武内進一・中山智香子編『ブラック・ライブズ・マターから学ぶ』
(東京外国語大学出版会)
・土屋和代「『インターセクショナリティ』に何ができるのか」
土屋和代他『UP現代世界を織りなす力学 インターセクショナリティ』(東大出版会)
第8回 インターセクショナリティをめぐって(2)
・清水知子「交差性と階級概念をめぐる覚書」
・森山至貴「『今度はインターセクショナリティが流行っているんだって?』」
『現代思想』第50巻5号、2024年5月号(青土社)
第9回 インターセクショナリティをめぐって(3)
・清水晶子「安心をもたらさないインターセクショナリティへ」
・速水淑子「権力性の交差の場としての物語」
土屋和代他『UP現代世界を織りなす力学 インターセクショナリティ』(東大出版会)
第10回 資本主義とケア
ナンシー・フレイザー『資本主義はなぜ私たちを幸せにしないのか』3章(ちくま新書)
第11回 世界システムと女性のケア労働
マリア・ミース『国際分業と女性』(日本経済評論社)
第12回 資本主義と民主主義
ナンシー・フレイザー『資本主義はなぜ私たちを幸せにしないのか』5章(ちくま新書)
第13回 ラディカルな民主主義
・シャンタル・ムフ
「フェミニズム、シティズンシップ、ラディカルデモクラシーの政治」
『政治的なるものの再興』(日本経済評論社)
・岩崎稔「民主主義とネクロポリティクス」
武内進一・中山智香子編『ブラック・ライブズ・マターから学ぶ』
(東京外国語大学出版会)
第14回 フェミニズムとグローバル化
チャンドラ・モハンティ『境界なきフェミニズム』第1章・9章(法政大学出版局)
(参)竹村和子『フェミニズム』Ⅱ―3(岩波書店)
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
報告者は課題文献の該当箇所の要約(レジュメ)および私見を作成し、事前に配布してください。
方法は初回に指示します。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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平常点 | 100 | 議論への参加、課題文献の報告などを評価します。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/プレゼンテーション
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
レジュメの配布などはmanabaを利用する予定です。
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
【テキスト】
ナンシー・フレイザー(江口泰子訳)2023年『資本主義は私たちをなぜ幸せにしないのか』
ちくま新書
※他の課題文献については、教員から講義初回に指示を出します。